三度 王都地下迷宮!
応援コメントありがとうございます。
マジな話するとキャラクタープロットに入れる年齢と容姿の項目作りと、パッシブスキルの加算割合を計算ミスしてたから更新遅れてしまいました。分数ミスるとかマジ。
裏設定ですけどレベルは基礎能力への乗算ボーナスです。例えばエルフ族レベル十なら基礎ATKを50とすると種族ボーナスの15を加算、レベルボーナスの1.85倍を乗算して120.25です。さらにタレント・パッシプの種類によっても加算・減算・乗算もされます。例えば武練Aなら2.3倍で276.57ですね。
この世界だとレベル十くらいまでは簡単に上がるけど、そこからえげつないEXP求められてます。
魔物や亜人、人族を倒した際に大量獲得できる魔素を体内の種族紋章が吸い上げて強化してます。強化の段階を数値化したものがレベルです。
種族紋章は強化するものですが、魔素の吸収量が減ると減退もします。
昔強かったじじいの冒険者だってゴブサタだと弱くなっているのです。
翌日、グランナイツの仲間達とともに意気揚々とギルドに仕事を探しに来たら、久しぶりな奴と出くわした。フェイだ。
「よお!」
「おう……」
相変わらずつれない奴だな……
俺からは好意全開なのに、今だけはこいつに会いたくなかったみたいな面してやがる。
だが待ってくれ、今回だけはスルーしてやれないぞ、お前の右腕に抱き着いてる美少女が原因だぞ!
「レテ!?」
「リリウス! うわぁ、久しぶりぃ~~~!」
「元気だったか、なんでまた王都にいるの?」
元気一杯のレテとハイタッチをかわしてるとユイに首根っこを掴まれてしまった。
「そちらの方はどなたですか?(重低音)」
怖くて振り返れない奴だこれ……
ユイって独占欲強い方なのね……
「へえ、この子らお友達? ここいらの森人じゃないね貴女、どっから来たの?」
「世界樹の麓の森から! うわあ、森を出てから初めてエルンに会えたよ!」
「うそ~、この町けっこうたくさんいるよ。そうだ、おばば様のところに挨拶に行った? まだなら早くいかなきゃダメだよ、この国のエルンの女王様なんだから!」
ちなみにエルフは自らのことをエルンと呼ぶらしい。マメ知識だね。
「フェイ、まさかとは思うがお前レテと暮らしてるのか?」
「仕方ないだろ、金持ってないどころか通貨の概念もなかったんだぞ……」
「納得。森だと使わないもんな……」
「一応言っておくがやましいところは無いからな」
「お前が修行中だってのは理解してるよ。ところで冒険者ランク上がったか?」
「くっ、まだFだ。笑いたければ笑え!」
「いや、俺まだGだし……」
「最低ランクじゃないか! お、お前なにサボってやがる、お前の実力ならもっと上にいけるだろ!」
「お前の中で俺の評価高いのか低いのかわかんねえよ。ダンジョンこもったり修行したりで忙しかったんだよ」
「ダンジョンか、手強いのはいるか?」
「十五層以降ならお前も満足できるだろ。だが十層突破は手数が必要だぞ」
「どのくらいだ?」
「いつかのでかい蟻よりだいぶ弱いけど一万近く」
「それだと保たんな……」
「リリウス?(重低音)」
ひぃぃぃ!? ユイがしつこいぞ!?
ヤンデレ気質なのか!?
「リリウスきゅ~~~~ん、どうして家出したのぉぉ!」
うおっ、カトリたんが飛びついてきやがった。
見ればギルドの入り口でハンス君が苦笑してるぜ。悪い奴ではないんだ。恋敵なだけで。
新しい依頼を張りに来たシシリーはなんでまた面白い物見つけたみたいにニヤニヤしてるんですかね……
「リリウス君、どうしてお姉さんを捨てたの~~~~!?」
シシリーが依頼紙ばらまきながら飛びついてきやがった。
面倒くさい奴だぞこれ、面白がってるだけの奴だ! おい、ルーにも手招きして追加支援求めるんじゃないよ!
「せんぱぁい、仕事してください~~~!」
そうだぞ、シシリーは仕事しなきゃダメだよ。
背後のユイからの圧を増やしてる場合じゃないよ?
「お姉さんとこに戻ろ! 一昨日はあんなにも熱い夜を過ごしたじゃない!?」
「カトリたんへの愚痴大会だったよね!」
「ひどい! 二人ともあたし抜きでそんな楽しそうなことしてたの!?」
「いや、本人同席の愚痴大会とか無理すぎるし」
「カトリ空気読め、消えろ!」
「やだ、絶対に譲らない!」
やがてハンス君が苦笑しながらやってきた。
重ねて言う、根性ないだけで決して悪い奴ではないんだ。
「モテモテだね」
「そう見えるか? からかわれてるだけだぞ?」
「それは…そうだろうね」
肯定はやめとこうぜ。
バトラとクラウはシシリーが床に撒いたクエストシートを他の冒険者に混じって確認してる。
ラトファとレテはエルフ同士の情報交換。
フェイは冷めた目つきで俺を見てるだけだね。
トキムネ君は酒場で酒を……トキムネ君!?
俺は修羅場みたいになってるぜ。
登場人物多いとさ、わけわかんなくなるんだよ!?
考えろ考えろ、この場を切り抜けるたった一つの冴えたやり方ってやつを考えろ俺。
せっかくいい感じのユイちゃんが俺を見捨てる前に考えつけよ!
「悪い面子ではなさそうだ」
「フェイ?」
お前なに言い出したの?
みんなお前に注目しちゃってるよ? お馬鹿発言ならやめとこ?
「一番の手練れはあんただな」
フェイがびしっとカトリたんを指差した。大正解。
まだ実力の底が見えないけどバトラ五人分くらいはある。
「その次はあんた」
びしっと指差したのはバトラ。またまた正解。
「で、あんただ」
お次はクラウを指したな。お前スカウター内蔵してんの?
へへ、気になるから他の連中も頼むよ。
「他はどっこいどっこいだな」
ざけんな!
俺とハンス君を同じ括りにするのはやめろ! 国辱だぞ!
「フェイ、お前の終生のライバルである俺を弾くのはやめろ」
「お前の実力がよくわからんのが原因だ」
おや、終生のライバルは否定しないんだな。
デレたか? 会えない時間がライバル心を育てたか?
「その実力を証明してみないか?」
「フッ、面白え、つまりお前と俺どっちが強いか決着をつけるってことだな?」
「いや違う……っつーか女の後ろに隠れながら勇ましい発言するな」
「せーな、俺がボケるチャンスを逃すわけないだろ」
場が一定以上シリアスになる時ボケる俺氏はユイの後ろに隠れてる。
完全にシリアスな空気に耐えられない系男子ですね、どんな集団にも一人はいる空気読めない滑り担当です。
「この面子でダンジョンに行こうって話だ」
「俺達に何のメリットがある? 分け前が減るだけ損じゃないのか?」
フェイとバトラが睨み合う。ちょ――ケンカするんじゃねえ!
なおもめっちゃ睨み合うフェイとバトラ。こいつはデュエル・スタンバイの気配だぜ!
「僕はあんたより少し上だ。そこの姐さんはあんたの十倍は強い、それじゃメリットにならないか?」
「ふむ」
バトラが俺に目線。こいつ信用していいのかって奴なので頷いておく。馬鹿だけど。
「いいだろう。分け前は―――」
「ちょいといい? あたしも確定みたいな交渉してるけどさ、別途報酬要求していい?」
「あんたのためなら多少の無理は受け入れるさ。おそらくあんたが居るか居ないかで到達階層に大きな違いが出てくるからな」
カトリたんが面倒くさい事言い出したけどフェイがあっさり承諾。
でもねフェイ、彼女は金額のこと言ってんじゃないよ? わかってないよね?
「ふふん、君のお腹をさ、ちょっと好きにさせてくれない?」
「……」
フェイが最高に嫌そうな顔になったね。
いくら美人でも変態の餌食になるのってさ、すげえ勇気要るんだ!
三度王都地下迷宮である。
つってもカトリたんとの特訓で何回も入ってたけどね。
面子は俺を含めたグランナイツの六人とフェイとレテ、カトリたんに……ハンス君は帰ろうぜ!? 何もできないだろ!?
「みなさん、荷物持ちは僕に任せてください!」
悪い奴ではないんだ。
みんなからこいつ何しに来たの?って目線ぶつけられてるけど。冒険者なのに開幕から荷物持ち宣言したせいだな。フォローはしない。
陣形は先頭にカトリたん、レテ。
トップ下にバトラ、トキムネ君、フェイ。
後衛にユイちゃん、クラウ、ハンス君。
最後尾は俺とラトファ。
俺発案の最高の陣形だぜ。
「レテはカトリたんの動きを見て斥候の役割を学ぶんだ」
「りょーかい!」
二人そろって敬礼。ダメな子ってすぐ敬礼するよね……
ダメな子シスターズだわ……
「バトラ兄貴たちは状況を見て魔物と戦ってくれ。場合によっては最後尾のフォローも頼むが、その時は呼ぶから基本は前だけに集中してくれ」
「は、こいつお前の兄貴なの? まともに見えるのに?」
ええい、俺がまともじゃないみたいな発言やめろ!
「クラウとユイちゃんは低層では魔力温存ね。君らの仕事は十五層からだ」
「心得ました」
「は…はい、頑張ります!」
「あのぅ僕は?」
「ハンス君は荷物持ちだな。ドロップ品たくさんあると思うからガンバレ!」
「はい、リリウス君に負けないように頑張ります!」
悪い奴じゃないんだ。悪い奴ならスプーン刺してるぜちくしょう……
「あたしは?」
「ラトファは俺と最後尾の警戒だね」
「ふふん、りょーかい!」
ダメな子三号発見! エルフに敬礼流行ってるの!?
これが俺の考えた最強の陣形だ!
「文句ある人ー?」
「お前にしては無難だな」
「うるさいよ」
つっこみマシーンのフェイがいつも通りつっこみ入れたので出発。
一層を難なく突破する。
二層も難なく突破する。
この面子なら問題は起きようもないね。
カトリたんが先制攻撃を抑えめにしてレテへと教導する余裕あるし。
罠を見つけたら避けるどころか近寄ってって、見破り方とか解除の仕方とか色々仕込んでるね。
俺は俺でラトファとおしゃべりしてる。
「へー、そんなことがあったのか」
「そうそう、でさ」
「なるほどね、やるじゃんバトラ」
「でしょー?」
「新入りぃ、仕事しろ――――ぎゃあああああああああ!」
うるさいトキムネ君にはスプーン刺しとくぜ。
俺達はあっと言う間に六層の大草原、つまりご休憩スポットまでやってきた。
まったく疲れてないけど小一時間の休憩を挟む。
草原でユイちゃんとゴロゴロしてるとクラウがやってきた。
「こんなにもスムーズなダンジョン攻略は初めてです」
「そうですね、いつもならここまででヘトヘトになってますもん」
「長時間集中しなきゃいけないダンジョンだとラトファの負担大きすぎなんだ。スカウトは二名、前後に置いて集中させた方が長持ちするさ」
「確かに。であれば私が使い魔を使ってどちらかを警戒すべきでしたか」
「いや、あんたは最高火力だ。できれば道中で疲弊してほしくない。つまりは俺に任せてくれって話さ」
「頼もしい。流石はバトラの弟君です」
バトラへの信頼パネー。
休憩後のダンジョン攻略も快調。
この辺りから先頭が撃ち漏らした魔物をトップ下が狩るようになった。カトリたんサボりすぎ……じゃなくて先生モードだわ。
後ろは俺に任せな! アリさん一匹通さねえよ!
「気のせいか、後ろから支援要請来ねえんだが?」
「リリウスが狩り損ねるはずがない。トキムネ、前だけに集中しろ」
「化け物め……」
トップ下からの野次がひどい。
ま、そんな感じで十層への入り口に到着。
畝は二部屋分なので、そこまで大量に増援は来ないはず。
「作戦はどうする?」
「前みたいに突っ込んでバァーってやりゃあいいよ」
トキムネ君アウトー。
「……却下の場合はスプーン刺されるシステムなのですか?」
「いや、ムカついただけ」
「「…………」」
会議が止まってしまった。
活発な意見求む!
「はいはーい!」
「はい、カトリたん」
「あたしがぶっころしていい?」
「フィニッシャーしたいの? いいよ?」
間違いなくこの面子の最大火力だから。
会議の結果、九層にバトラとラトファを置いて増援を仕留める。十層は他の面子で防御陣形を作っての耐久策。雑兵が尽きたらアリさんクイーンを倒しに行く。以上。
脈動する畝が続く穴を下まで降りていく。
穴の先はワンフロアぶちぬきの大空洞。約一キロメーター先に聳える建造物みたいに巨大な女王アリが赤い目を明滅させている。
よっしゃ、やってやるぜ!
「よ~~~し!」
よーしと言ったカトリたんが真っ赤な炎に包まれる。
上級身体強化&属性付与とかいうやばい技だぜこれ。
「本気かこの姐さん……」
「これだけの強化、父上いやガーランド閣下クラスだぞ」
「すごい……」
カトリたんから零れ出るトンデモナイ量のオーラに一同恐れ戦いてますね……
カトリたんから舞い散るオーラが花びらみたいに輝いてますね……
チャージ時間五分とか、人間の限界にでも挑む気かな?
「我が一撃は炎神の一撃なり、我が敵を射抜け―――」
貸したミスリルの大戦斧の青白い刀身が真紅に染まる。
「クラウ・ソラス!!」
投げたー!
え、アリさんクイーンは約一キロ先ですよ!?
音速を突破した大戦斧がソニックウェーブをばらまきながら投射され、付近で眠ってるアリさんがバラバラに粉砕されていくぜ。何事!?
大きな音がやってきた。
投射された大戦斧はアリさんクイーンの背後の壁に埋まった。
アリさんクイーンはバラバラに爆散してる。腹部に当たった瞬間、バラバラに爆散しやがった。
手下のアリさんが光の束になって消えていく。
アリさんクイーンの破片も消えていく。
光が舞い上がっていった後にはドロップ品と思われる女王の触覚が落ちていた。
「ブイ!」
俺に向かってピースサインをする満面の笑顔のカトリたんが最高に恐ろしい。
裏社会のボスの娘パネー……
Name: フェイ・リン
Age: 14
Appearance: 目つきの悪い野良犬系東洋人
Height: 154
Weight: 52
Weapon: 軍刀(C)
Talent Skill: 商売D 肉体強化D
Battle Skill: 九式竜王流武術(S) 魔功仙術(A)
Passive Skill: 野望A 武練A 求道者A 戦闘センスA
LV: 17
ATK: 969(同レベル帯前衛冒険者の平均値274)
DEF: 678(242)
AGL: 724(257)
MATK: 242(0or96)
RST: 382(173)
才能面における不利を汗血も滲む鍛錬で覆した点は見事という他にない。独創性に富んだ武術をさらに有益な物に昇華させようとする貪欲さある限り彼はまだまだ伸びるだろう。だが安堵するにはまだ早い、どんな才ある者も必ず一度は三欲に溺れるのだから。
彼の栄達を阻むものがあるとすればそれは自らの内から湧きいずる欲望だろう。




