余談
そして二時間後村から3kmほど離れた森に三人はいた。
「いつもどおりだったね。理由を訊く人は誰一人だっていない」
「……そうだな」
アリスが哀しそうにぼやいていた。
「……あなたたちはそうやって来たのですか?」
イルタラが問うた。
「ああ……いつだってな」
もっともと言う顔で言った。
「どうして……」
「……それはね、長くなるわよ? それでもいいなら聞かせてあげるわよ」
アリスが代わりに答えた。
イルタラが頷き、ディバルが哀愁じみて背を向けた。
「ディバルは口に出したくないからなんだけどね……準備はいいわね? 神々は怒るかもしれない。 ま、別々の意味でだと思うけれどね」
アリスが声のトーンを落とし、恐怖の表情を浮かべていた。
イルタラは何故こんなにディバルたちが深刻な気持ちになっているのだろうと理解できなかった。
「そ、そんな大変なことだったら無理しなくていいっ――」
「そんなの大丈夫よ。余談になるけれどもこれがないときっと話が読めなくなるからね。先に説明させて。まず、神は地上に存在し存在しえないってところから。ラコジェ教はここ五十年で発展してきた宗教よ。まず、最初に教えを説いたのは、さっきディバルの体を通して現れた聖ラコジェ・キャンズよ。あ、ついでにディバルのフルネームはディバル・ライキ・キャンズ・オーバー・クラドルっていうの。私の名前もまだだったね。私はアリス・ストラインっていうのよ。可愛い名前でしょ。宜しく、イルタラ・マチス。我らが相棒!!」
余談がいきなり自己紹介へと移り、アリスに背中を叩かれた。




