白い女
「アリス!」
白い女性の名を呼んだ。
「はぁ〜い……?」
教会の屋根の白い女性――アリスが返事をした。
「ナイフをこっちに投げてくれ」
「わかったわ!!」
ナイフを投げた。そのナイフは回転して、ディバルの手に収まった。
そのナイフは柄の部分にきれいな装飾があり、一見持ち難そうだがみえたが、その外見と違い、一度握れば持った者に対応して、少し筒形を変えるという不思議なものだった。
ナイフがディバルの手の中にあることにやっと気付いたイルタラが、
「なっ! 何をやっているんだ、そのナイフを祭壇に返して来いっ! 災いが起きるぞ!!」
と、ディバルを止めようとした。
「俺の後ろにいろ……」
静かに力強く言う。そしてそれきり黙り、
「悪魔め、今度こそは殺してやる!!」
と、村人達が再度襲ってきた。
「雨の夜に乙女が流したその泪。これを集めたこの形。聖ラコジェの怒りの数を彫ったこの形。富みすぎるこの者たちを戻せ!!」
ディバルが言った。
その瞬間、暗い闇夜に神々しく光が満ちた。
「あなた方は間違ったことを思ってらっしゃいます。この者たちはラコジェ教に仕える者です。あなた方の仲間なのです。その者たちを悪魔として疑った罪です。神の成敗を受けなさい」
ディバルを通して、聖ラコジェが言った。
すると、ディバルに後光が差した。
その瞬間、「あ」「え?」などと村人達が言った。
そして倒れた。




