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無意味な勝負

「……おい。行かせてよかったのか? お前」

「あいつは強いから、いい」

 アリスとイルタラが去り、雪風丸がその方向を見て訊いていた。

「何故、そうはっきりと“良い”と言い切れるんだ?」

「違う。俺は“いい”と言った。“良い”とは言っていない」

「それはどういう意味だ?」

 この場のことを雪風丸はどう思っているのやら、ディバルを質問攻めにする。

「最初の出会いで俺を“止める”力を持っているくらいだから放っておいて“いい”ということだ」

 “いい”と“良い”を使い分けている様子だった。

「お前、それ本心で言ってないだろ?」

 雪風丸は目をつむりそれを聞いて出てきた結果として言っているのか。

「……」

 それに対して、もっとも卑怯な無言という返答を行った。

「……仕方がないな。お前の要望どおりアリスをここへ連れ戻せばいいのだろ?」

 雪風丸がやけくそになって吐き捨てる。すると、ディバルが足で何かを描き始めた。

――ソンナコト ダレガイッタト キサマハイイタイ?

(コイツ、性格が相当曲がってやがる)

 さっき以上にやけくそになって、

「あー! わかった。お前の勝ちだ!!」

 そしてすぐにその返答が返ってきた。

「だれがいつ勝負をしてるんだ? やはり貴様は“捕虜”とでも話してるのか?」

「……お前、それは偽装というやつか?」

「何故俺が偽装する必要がある?」

 その顔を見ているとディバルは正気でモノをいっている様子だった。

 最初は《ディバルを雪風丸が巻き込む》という会話が《雪風丸をディバルが巻き込むという会話になりつつある。

「ぅ……なぜ、私がこのような奴と話しているのがわからなくなってきたぁああっっ!!!」

 雪風丸が嘆き叫んだ、フリ――つまり、偽装――をした。

「お前の行動が原因だ」

 ディバルは痛いところを衝いてくる。

「違うっ!! あれは私ではなく、あのとき宿していた“捕虜”のせいだ!!!」

 雪風丸的な正論を繰り出すが、

「“捕虜”を貴様は侮辱できないと思っていたのだが」

 いじめているつもりなのか、それ以外なのか、ディバルの表情はずっと変わりなく何かを考えるようだった。

「……なんて観察力持ってんだよ、お前」

「この程度なんて、考えりゃわかることじゃないのか?」

 雪風丸はディバルを再認識した。

――この生物の右に出る者はいないだろう。そして、この生物は危険ゆえにこの生物を超す戯けた生き物はいない、と。

「……俺は、考えても出てこないアイデアがあるから、闘っている――」

ただ自分の全てを表すとそれで収まる、というのがディバルのそれだった。

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