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第6章:終わりに


「また僕と勝負?」

「いいだろ?」

 須磨は宅井に勝負を挑んでいた。

「別にいいけどさ」

「よし、やろう」

 2人は台に向かい合った。

「じゃあ、やるけど、1セット制?3セット制?」

「1セット制だよ」

 宅井はうつむき加減の顔を上げた。

「君のことだから、3セット制だと思ったよ」

「お前とは別だ。1セットがいい」

「どういうことだ?」

「初めて会った2年前、そしてこの前の試合、ともに1セットマッチだった。だから、お前とは1セットマッチだと決めていた」

 一種ゾクゾクとした言い方。

「ふーん。意外とストーカー気質なんだね」

「ば、ばか。そんなわけねぇだろ!」

 須磨は少し焦った言い方。

「ふーん。つまり、過去と同じシチュエーションで戦いたいということか?」

「ま、まぁな」

「やっぱりストーカーきし……」

「違うと言っているだろ!」

 言わせなかった。

「……それで、どっちからサーブを打つ?いや、打っていた?過去では」

「どっちでもいいよ。1回目も2回目も俺からだったがな」

「じゃあ、君からでいいよ」

「よしわかった。いくぜ」

 須磨は高くボールをあげてサーブ。

 宅井の速いレシーブ。

「大虎先輩のほうが早かったぜ」

 須磨は軽々レシーブ。

 宅井は軽々速攻。


 パン!


 速攻が決まる。

 0―1

「へぇ、すこし早く打ったか」

 須磨は分析した。

「大虎先輩はしなかっただろ?」

 宅井は解答した。

「しなかったな。そんな攻め方があるんだ」

「あるよ。いろいろ」

「だったら、見せてみろ」

 須磨はサーブ。

 宅井は軽くレシーブ。

「なんだ、攻める気はないのか?」

 須磨はお構いなく強く打つ。

 宅井はお構いなく軽くレシーブ。


 長いラリー


「これくらい、角田先輩で慣れている」

 須磨は打ち込んだ。


 パン!


 宅井の速攻。

 0―2

「……へぇ。角田先輩でもここまでのギアチェンジしなかったぜ」

「角田先輩と僕とでは戦法が違うだけだよ」

 宅井は先輩との比較を再びした。

「そんなこと言って、お前のほうが強いのはわかっているんだぜ」

「そんなことより、サーブ打ってもいい?」

「来いよ、サーブ」

「さっ」

 宅井のサーブは相変わらず勢いはなかった。

「薄井先輩ほどではないが、変な回転をかけやがって」

 須磨は慎重にレシーブ。

 宅井の強く打ち込んだボールがバウンドしてそのまま須磨の額に直進。


 パン!


 須磨は体を反らしながら、体勢を崩しながらも、力強くボールを打ち返し、そしてその勢いそのままにこけた。

 1―2

「いたたた、摩擦いったー。半袖よ」

 須磨は倒れた痛みでそれどころではなかった」

「できるか?」

「いや、心配しろよ」

「心配してもどうしようもないだろ。それよりも、試合できるか?」

「できるできる。余裕でできる」

須磨は立ち上がりながら言った。

「そうか。できるか」

「それよりも」

「それよりも?」

「俺、お前から初めて点を取ったぜ。すごいだろ」

 ガッツポーズを声高々にした。

「そうなのか」

「そうだよ。俺がお前に勝つ第一歩になったぜ」

「そうか。では、2歩目を早く踏み出したら?」

「お前、興味ないのか?」

「いや、興味ないだろ、普通」

「くっそー。腹立つ。こうなったらお前に勝ってやる」


 その後、2人の戦いは続くが、それは次の話である。


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