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一進一退の攻防だ!

眠れない夜を過ごしてまた夜が明けた・・・・。


僕は朝一で自動販売機の補充とナスの収穫を終えるとまた今日も作業場に籠る。


振動かあ・・・・。


まずはエンジンマウントにラバーを追加する。


クランクのバランスを見直す。


そしてフライホイールを重くする。


とりあえずこれで様子を見る。


キック1発!


「ドドドドドド・・・・!!」


おっ!振動が収まったぞ。


これなら行けるかもしれない!


しかし数十秒後だった。


「ガリガリガリガリガリ・・・・・」


タクミ「止まった・・・・。」


シリンダーを触る。


「熱っ!!」


ピストンはシリンダーに張り付いたままびくともしない。


「振動を抑えようとすると重くなる・・・。」


「軽くすると今度は暴れる・・・・。」


「冷却も片側だけ熱くなる・・・。」


「これじゃあ何度作り直しても出口が見えない・・・」


何か良い方法は無いかなあ・・・・。


そんな時だった。作業場の本棚で長い間、埃を被ってる古い整備書を手に取った。


何度もめくられたページには油汚れが有り・・・書き込みも目立つ・・・。


神さんが若い頃に読んでいたのかなあ・・・・。


エンジンの形式や歴史が記載されたページをめくっていくとBMWやスバルの水平対向エンジンの記載に目が止まった。


「左右のピストンが反対方向に動くことで振動を打ち消す」


「…これだ!!これならいける!!」


水平対向エンジン!!これなら振動の問題も冷却の問題も解決できるかもしれない!!


スズキのギャグに水平対向エンジンが載っているイメージが稲妻の様に僕の全身を突き抜けた。


出来るのか!!


これはとんでもなく難しそうだ!!


僕は紙と鉛筆を持ち設計図を書き始めた。


「にゃおーー」


あ・・・トリコ。


「ごめん朝ごはんまだだったね・・・」


僕は鉛筆を置いてトリコの餌を取りに向かった。


頭の中は水平対向エンジンの事でいっぱいだ。


その時だった。


ナツミ「おはよう!!タクちゃん!!出来たよ!!ウサミミヘルメット!!ナツまた夜なべして頑張った!!」


ナツミさんが僕のヘルメットを被って登場した。


ピンクに塗られた僕のジェットヘルに靴ベラで作ったウサミミがくっついていた・・・・。


後ろにはでっかいハートマークまで書いちゃってるよ。


ウサミミヘルメットって・・どうしてもそれ被らなきゃダメ・・・・?


ウサミミってバイクに付けたいのかと思ってた・・・


がびーん。


つづく。










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