ギャグで行け!!
とにかく、一台作らないとだけど…。
この中ですぐ動きそうなエンジンどれだろ…。
どれも錆びてたり、オイルが漏れてたり…。
でっかいエンジンだと難しそうだし…。
「なんかさあ~タクちゃんてさ…じれったいよね。ナツがさ選んであげようか?」
「これ可愛いよ赤いエンジン!」
ホンダ XLR250初期型かあ…。
…。
悪くないけど…。
フレームが無いかも…。
そうだ!
フレームだよ。
先にフレームなんだ!
書類付フレームが無ければバイクを組み立てても登録が出来ない。
「ナツさん作戦変更です!」
「バイクと言うのはフレームにナンバーが刻印されていてそのナンバーが書類化されていて・・・ナンバープレートを取得できるんです。」
「ですから・・・先に書類がきちんとある・・フレームを探さないとバイクを組み立てても公道を走れないんですよ!」
「タクちゃんてさ頭固いよね・・・。ナツだったらそんな事気にしないよ!!好きな形のバイクを作って~~好きな色塗って~~好きなナンバー付けて乗っちゃう。」
「羽が付いてて~~空も飛べるバイクがいい!!」
「そうだ・・・!!」
「タクちゃん飛行機作って見ようよ!!」
・・・・・!!
「そしたらナンバーなんていらないし白バイが追いかけて来ても飛んで行っちゃえば大丈夫。」
「決ーめた。ナツは1人で飛行機作るよ!!今だったらタクちゃんも仲間に入れてあげるけどどうする?」
ええええ~飛行機を作るって・・・作れるわけないし・・。
でも何なんだろあの自信は。
飛行機なんて当然のようにすぐ作れるよ!みたいな顔してるし。
「タクちゃんピンク色の飛行機作ろうよ~~!!」
・・・・。
・・・・。
「あれ・・・ピンクのバイクがある。タクちゃんあの奥に置いてあるあのバイクは何・・・?。」
・・・・。
あれ?ホントfだ。
あんなバイクあったんだ。
なんだろ・・・HONDAのNSR50?
埃まみれの車体カバーから半分顔を覗かせているリアカウルにウサギのペイント・・・
僕は思いきって車体カバーを剥ぎ取った。
なんだ!?このマシンSUZUKIなんだ!
ちっちゃいけどレース用みたいなフルカウル。
小っちゃいタイヤ。
いや・・・タイヤだけじゃない。
全てがミニマム。
ポケバイをふた回り大きくしただけのような・・・。
「きゃ~~~~♡このバイク可愛い!!タクちゃんこれならすぐ直して乗れるんじゃない!」
ピンクのバイクって珍しいな・・・・。
しかもフロントカウルにもウサギの絵だし・・。
こんな時の為に1986年創刊の「これで決まり!!初心者のバイク選び」って言う本があったんだ。
僕は解体小屋入口に置いてある廃校から持ってきた学習机の引き出しからかび臭い本を取り出してめくっっていく。
NSR50のページの隅っこにそいつは載っていた・・・。
「スズキ ギャグ」
えええ~ギャグって名前なんだ・・・
これで原付の50ccなんだね。
~時代に一石を投じた風雲児!!狙いどころは良かったのにスペックがギャグだった・・・~。
ふむふむ。パワー無くて遅かったんだこのバイク。
どうやら後からHONDAが真似してだしたNSR50にパワー競争で負けてあっという間に生産中止・・・。
「ナツ絶対このバイクがいい!!うさちゃんに乗りたい!!」
あ・・・。
「ナツさんこのバイク原付だから書類はこの店で発行出来ます!!」
「原付と言うのは区市町村でナンバーを管理してて・・・・・実はグレーゾーンではあるのですが・・・」
「タクちゃん・・・!!その話最後まで聞かないとだめ?ナツ難しい話めんどくさい・・・・」
「そんな事よりさ・・・飛行機じゃなくてもいいや・・・耳つけよ!!ウサギの耳!!」
・・・・・。
耳・・・・。
それよりもよく見たらエンジンが載ってないんですけどこのバイク・・・・。
エンジンを探して来て・・・・
セッティングして・・・
消耗品交換して・・・・。
耳つけて・・・・
耳って・・・・
どうしても付けなきゃダメ?
「じゃあ僕はエンジンを探して来ます!!ナツさんはウサギの耳になりそうな物を探して下さい!!」
「わかったヨーン♡うさみみ!うさみみ!」
「僕はエンジンエンジン!!」
「ナツはウサミミ・・・ウサミミ・・・・」
あ~~~~・・・・。
先が思いやられる・・・・。
僕はウサミミの事は考えず・・・・エンジン探ししよっと。
「ウサミミ~~~!!うさみみ~~~!!」
「ナツのうさみみ~~」
「タクはエンジン!!」
「タクちゃん!!ナンバーもピンクにしよ!!」
そうか・・・・!!
それだ!!




