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プロローグ


「あちい・・・」


千葉県某所。


夏。


人里離れた山奥。


手掘りのトンネル奥


ここが僕の職場だ。


バイク解体業。


ZZカンパニー。


親方の神(じん)さん推定54歳のワンマン経営・・・・。


零細企業。


僕の名はタクミ。


19歳・・・。


彼女イナイ歴も19年・・・。


中学校を卒業するタイミングで両親は離婚。


親父は言った。「どちらについて来るかオマエが決めろ!」


決めろって言っても・・・。


親父に付いて行ってもおそらく飲んだくれのすってんてんだから・・・。


ろくなことは無い。


毎日パチスロ狂い・・。


僕が新聞配達で稼いだバイト代も90%搾取。


かと言ってお袋についていくと・・・家に男連れ込んだり・・・・突然初対面のおっさんを「この人を今日からお父さんと呼びなさい!!」


とか言いかねない。


どちらに付いて行っても、いばらの道。


15歳だった僕は考えた。


答えは出なかかった。


両親とも来なかった卒業式。


卒業証書をもらったその日。


学校帰りに下り坂全開にチャリンコこいで、推定時速60キロ出した。


涙が溢れた。


溢れた涙が拭う間なく後ろに飛んでった。「もうどうにでもなれ~~!!」


曲がり切れない!!


やばい。


死。


「のわ~~~~!!」


「ブレーキ!!」


「ブチっ!!」


ブレーキワイヤーが切れたのを見届けた瞬間までは記憶にある。


次の記憶から僕はここにいる。


気が付いたら神さんが言った。


「坊主!!やっと気が付いたか・・・・!!」


奇跡的に無傷。


かっこ悪い通学用ヘルメットが初めて役にたったようだ。


神さんは言った。


「救急車呼んでもここまで来るのに1時間」


怪我してないみたいだからウチの井戸水、頭からぶっかければ目を覚ますだろって・・。


その日から僕はここで働いている。


帰る場所が無かったから。


時給0円。


完全歩合制。


バイクの部品が1個売れると10%の報酬。


今日の売り上げヤマハ DT50のフロントホイール1000円。


つまり僕の報酬100円・・・・。


日給100円・・・。


でも。


三食付。


住み込み。


水道光熱費無料。


まれに再生した車両HONDA リード80が10万円で売れたりすると1万円もらえたりする。


僕の主な仕事

。

店の周りの草刈。


犬の散歩。


この店の稼ぎ頭の自動販売機のジュース補充。


スズメバチの巣の除去。


バイクの部品をひたすら洗う・・・・。


神さんの口ぐせ。


「俺はお前にまともに給料も払えないからいつ出てってもいいんだぞ!!」


出ていくきっかけも無くあれから4年。


今日も草刈をしていると・・・手掘りのトンネルに人影が・・・・。


!!


なぜかハーレーを押してる人が・・・・。


え・・・。


女性だ・・・。


珍しいなうちに女性ライダーなんて・・・。


ハーレーの部品なんて無いし。


僕はドギマギした。


思わず二度見した。


長い黒髪。


引き締まったスタイル。


とてもこんな山奥に現れるような女性には見えなかった。


目がキリっとしてて。


どこか凛としてて生意気そうなアジアンビューティー。


推定25歳。


僕と目が合った。


開口1番お姉さんが言った「ねえ!!このバイク直せる!?」


「動かなくなったんだけど。」


・・・・・!


「いっらしゃいませ・・・・。ちょっと待ってて下さい親方呼んでくるから・・・。」


「神さ~ん!!」


「お客さんです!」


バイクを見るなり神さんは言った。


「悪いけどうちは舶来物はやって無いんだ。」


「見てやるけど直せる保障は無いな・・・。」


まずタンクキャップを開ける。


これ・・・・。


神「御姉さんこれガス欠だよ。」


「やだ・・・。そんな事無いはずコレ新車なんだから!!ガスケツ・・・・!!そっれて何!!故障?」


神さんも僕も唖然

。

僕「だから、燃料切れって事。」


お姉さん「そんな事無いわよ今日納車したばかりなんだから!!」


「直せるの!!直せないの」


キーーーーーー!!


神さんは無言でジェリ缶に入っていたガソリンを入れた。


セルを回す「キュルキュル・・・・・・ボボボボ・・・・ズテンズテンズテン・・・・ドドド・・・ズテンズテン!!」


・・・・・!!


御姉さん「あら!!うごいたわ。」


・・・・・そりゃあ~~ガス欠だから・・・・。


お姉さん「おいくら払えばいい?」


神さん「3リットルいれたから手間賃込500円・・・・。もらおうかな・・・。」


御姉さん「じゃあカードで!!」


神さん「・・・・うちカード払いできないな」


御姉さん「アタシ現金持って無いんだけど」


神さんは平然と言った「払えないならアンタここで半日、バイクのカウル洗いだな・・・!」


ニヤリ・・・・。


お姉さん「・・・・・・。はあ・・・・!?」


「まあ・・・・。いいわよ。それで。」


え・・・・。


冗談だって。


神さん得意の冗談。


お姉さん「アタシ・・・・家出中だし・・・・」!!


つづく。


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小説では載せきれない挿絵・制作裏話・実際のバイク旅も更新しています。
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