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【127万PV突破】 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『魔王と勇者の継承者(デュアル・ヘリテイジ)ダイ・マオウの大冒険』

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1903/1911

第9話 炎の記憶塔《オルド=アーカイブ》、最終決戦

赤黒い夜空を裂き、巨大塔がゆっくりと“浮上”した。

大地を離れ、きしむ悲鳴を上げながら天へ持ち上がるその姿は、

まるで世界の記憶そのものが形を成して立ち上がったかのようだった。


塔の名は

《オルド=アーカイブ》。

記憶を封じ、魂を記録し、そして選別する禁断の遺構。


塔の中心部は炎のように揺らめく光に満ち、

その奥にひっそりと横たわる“ひとつの肉体”がある。


エリシア。

数十年前に死んだはずの、アイゼンが愛した女性。

その身体はまるで眠るように保存され、

“記憶エネルギー炉の核”として利用されていた。


パンドラ博士が狂喜の笑みで叫ぶ。


「これぞ、人間の記憶が生み出す究極の発電機!

 彼女の脳はまだ動いている…素晴らしいでしょう!? フヘヘッ!」


ルアーナが歯を食いしばる。


「科学じゃない…これは冒涜よ!」


仲間たち、それぞれの戦場へ

塔の外縁と内部は、帝国軍と異形魔導兵で埋め尽くされていた。


リュカはノアを守るため最速で動き、

優しさと判断力で混乱する避難者たちを導いていく。


「怖くないよノア。君は一人じゃない。

 君の記憶は、みんなで守る」


ノアの胸の奥で淡い光――“記憶の核”が脈打つ。


レイヴは黒い大鎌を構え、死神ラルグと激突。

鎖のような霊魂が場を引き裂き、塔の天井まで届く。


ラルグ

「遊びもここまでだ、レイヴ。魂の道に戻れ!」


レイヴ

「戻らない…俺は“友達”を守る死神だ!」


ルアーナはパンドラ博士と科学魔術で応戦する。

その攻防は魔力と量子式が入り混じる“異世界の理系バトル”。


そしてアイゼン vs ヴァルガ


塔の最上部、記憶炉の中心にて。


炎の大臣ヴァルガが両腕を広げる。

灰色の炎が周囲の記憶情報を喰らい、揺らめく。


「ようやく来たか、アイゼン。

 お前はエリシア守れなかった。今日も同じだ」


アイゼンの表情に怒りが宿る。


「……言うな。

 彼女を道具にした貴様らを絶対に許さん!!」


刀が抜かれる音。

炎が巻き上がる音。

二人の間に走る気圧のような殺気。


闘いは一瞬で“灼熱の世界”となった。


ヴァルガの炎は記憶そのものを焼却し、

アイゼンの戦術と剣撃はその隙を切り裂く。

二人の足元の床は溶け、塔がひび割れていく。




激しい衝突の最中。

記憶炉が開き、淡い光がアイゼンを包む。


その中に

エリシアの姿が“幻として”現れた。


白い衣、優しい微笑み。

まるで数十年前から時が止まったように。


「アイゼン…どうして泣いているの?」


アイゼンの肩が揺れる。

強靭な戦士の心に、あの頃の傷が戻ってくる。


「俺は……守れなかった。

 君も、研究も……未来さえも……!」


エリシアは首を横に振り、そっと手を伸ばした。


「あなたは過去のせいで立ち止まる人じゃない。

 あなたが見ているのは……未来でしょ?」


その言葉が、胸の奥で光に変わる。


アイゼンの瞳が燃え上がった。

長い自責を越え、未来のために剣を握る者の光だ。




蒼炎が炸裂。

塔全体が震え、ヴァルガが一歩押された。


アイゼン

「わしは逃げた。

 だが今日で終わりだ。

 過去とお前との戦いも!」


蒼い剣が軌跡を描き、

ヴァルガの炎が押し返される。


塔の天井が破れ、夜空へ蒼炎が噴き上げる。


ここからが本当の最終決戦。

《メモリー・コードΩ》を巡る戦いは、

いよいよ“終焉”へ向かって動き出す。

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