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【127万PV突破】 運と賢さしか上がらない俺は、なんと勇者の物資補給係に任命されました。  作者: 虫松
『魔王と勇者の継承者(デュアル・ヘリテイジ)ダイ・マオウの大冒険』

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1829/1907

第2話 夜の屋根裏大泥棒騒動

夜風に吹かれ、街灯の影が路地を揺らす。

老魔族・アイゼンハワードは杖を片手に、スリ少年と共に酒場の前で立ち止まった。


「ふぅ…今夜も、死なずに生き残れるかのぅ…」

鼻で笑いながら杖を軽く振る。


その時、屋根裏からかすかな物音。

「カサカサ…」

まるで猫の足音かと思いきや、妙に人間臭い。


「……怪しいな」

アイゼンは眉をひそめ、杖を地面にトンと打ち付ける。


死神は肩越しにニヤリ。

「フフ…あんた、また面白いことに巻き込まれそうですね…イヒヒヒ」


酒場の扉を押し開くと、中は予想通りカオス。

酔っ払いの天使がカウンターの上で踊り、悪魔オヤジがギターをかき鳴らす。

「おや、ここも夜の地獄か…」

アイゼンは小さく呟く。


しかし杖の先が屋根裏を指した瞬間、天井の板がバキッ!

数名の地元泥棒団が落下してきた。


「おい!酒樽は俺たちのだ!」

ガタイのいい泥棒が叫ぶが、アイゼンは笑う。

「ほう…若造が大声出すのか。じゃあ教えてやる、老魔族流の教育ってやつを」


杖を振ると、宙に舞った酒樽が絶妙な軌道で泥棒たちを押しのけ、ドサッと床に落ちる。

少年は目を見開いた。

「うわっ、すごい…魔族パワーって…!」


泥棒団は慌てて立ち上がり、斜め後ろに跳び退く。

アイゼンは杖を一回転させ、壁の影に潜む魔力の波を伝える。

「これで屋根裏の出口は封鎖じゃ」


アイゼンハワードは杖を肩にかけ、スリ少年を従え、酒場の屋根裏へと続く梯子を登る。


「坊主、夜は長いぞ…そして屋根は滑るぞ…」

少年は小さく頷く。


屋根裏の板がギシッと音を立て、影が二つ、三つと揺れる。

「来たか…」アイゼンが杖を構えると、泥棒団がナイフ片手に屋根の上から飛びかかってきた!


「おい、老人! 今夜の酒は俺たちのもんだ!」

「ナイフはやめろ…夜の空気で血が冷えるぞ」

アイゼンは軽く鼻で笑い、杖を振る。


杖の先から魔力の波が弾け、ナイフを持つ泥棒たちは宙に吹き飛ばされる。

「うわあああ!」悲鳴が屋根裏に響く。


少年も飛び上がり、屋根をジャンプしながら必死に追従。

アイゼンは屋根の上で華麗に回転し、泥棒を追い詰める。


「ほう…若造め、まだまだ動けるな」

アイゼンは杖を屋根の棟に打ち付け、瞬間的に板を弾き、ナイフを持つ泥棒を宙に舞わせる。


「見ろ…これが老魔族の屋根上戦術じゃ!」


泥棒たちは必死にバランスを取ろうとするが、屋根が軋み、酒樽や小道具が巻き込まれ、まるで空中のジャングルジム状態。


「くそ…あの爺さん、空も制するか!」

「坊主、手を離すなよ!」アイゼンの声に少年は必死に応じる。


その時、死神が屋根の影からニヤリと笑い声を響かせる。

「フフ…まだまだ目が離せませんね、イヒヒヒ」


アイゼンは杖を振り、ナイフを巧みに弾き飛ばす。

ナイフは屋根を伝い、泥棒団の足元に落ち、泥棒たちは思わず転倒。


「ふははは…この屋根、ワシのステージじゃ」

アイゼンは杖で棟を一撃、板を少し浮かせて飛び移り、次々に泥棒を屋根から滑り落とす。


少年は目を丸くして息を切らす。

「爺さん…かっこよすぎる…」


酔っ払い天使や悪魔オヤジが酒場から屋根を見上げ、歓声と悲鳴が入り混じる。

「おお…あれが老魔族パワーか…」

「屋根の上での泥棒撃退って…前代未聞じゃ…」


アイゼンは屋根の棟に立ち、杖を掲げた。

「これで決まりじゃ!」


最後に、泥棒団は全員滑り落ち、酒樽の山に突っ込む。

アイゼンと少年は無事、屋根の上で息を整える。


死神は影から指を鳴らす。

「フフ…さて、あんたの死はまだまだ先ですね…イヒヒヒ」


アイゼンは杖を肩にかけ、酒樽の破片を見下ろしながら呟いた。

「さて…この街の夜も悪くないな。だが、わが死はまだまだ先じゃ」


外に出ると、夜風が二人を包む。

少年は帽子を直し、息を整える。

アイゼンは杖を軽く振り、歩き出す。

死神は影のように後をついてくる。


「フフ…これからが本番ですよ…イヒヒヒ」


夜の街に、笑いと哀愁、そして不気味な影が混ざり合う。

老魔族ダークヒーローと少年と死神の珍道中、まだ始まったばかりだった。


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