第9話 深海基地アルゴス ― 制御区画 宿命の闘い①
突如、轟音が響いた。
実験区画の奥に隠されていた格納槽が開き、漆黒の鋼鉄に包まれた巨大ドローンがゆっくりと浮上する。
そのコックピットに座るのは、狂気の科学者 Dr.ノア。
「ふふ……ここからは科学の支配だ。貴様らの“異能”など無意味にしてやろう!」
ドローンの両腕から高圧電磁砲が展開され、壁を一撃で溶かすプラズマが放たれる。
振動で鉄骨が崩落し、炎と蒸気が充満する。
管制ブースに駆け込んだジャスパーが、タブレットとドローン群を同時に操作。
「ノア、機械が相手なら俺の領域だ!」
複数の小型ドローンを飛ばし、巨大ドローンの視界にフレアとジャミングを浴びせる。
ノアは薄笑いを浮かべ、指を弾いた。
「その程度で私のアルゴリズムを破れるか!」
巨大ドローンの外装が瞬時に適応し、電磁波を逆探知。ジャスパーのドローンを次々と撃墜していく。
だがジャスパーも負けてはいない。
彼のモニターに流れる無数のコードが走り、相手の制御信号を逆流させようとする。
「AI対AIの戦争だな……さあ、どっちが速い?」
巨大ドローンの赤いセンサーと、ジャスパーの目が火花のようにぶつかり合った。
一方その頃。
崩落した通路で、セリーヌの前に立ち塞がった影。
それはかつての仲間であり、いまはレッドウルフの戦士となった裏切りのアリシア。
「セリーヌ……また会ったわね。」
「……裏切り者。」
二人の視線が交錯した瞬間、火花のように衝突する。
アリシアは二刀のナイフを逆手に構え、目にも止まらぬ速度で切り込む。
セリーヌは背中のライフルを投げ捨て、拳銃と格闘術で応戦。
銃声と刃の閃きが狭い通路を照らし、壁に火花が散る。
アリシアが蹴りでセリーヌを吹き飛ばし、金属の手すりがひしゃげる。
セリーヌは体勢を立て直し、冷たい瞳で相手を見据えた。
「……どんな理由があろうと、あなたを止める。」
「なら力で証明しなさい!」
二人の女性戦士の戦いは、深海の暗闇を切り裂く閃光とともに激化していった。




