軍散の乱 19
「次で決めるわ!正面から掛かってきなさい!」
花は意識を使ってミレトスの身体を起こす。
ミレトスはその勢いのまま花に向かって走り出す。
「来い!2!」
ミレトスが2を手に呼ぶ。
だが、それは来なかった。
先に呼んだのは花だった。
呼ばれた2は一直線に花に行き、
軌道上にいたミレトスの身体を
真っ二つに斬ってしまった。
「ぐぁ…!」
花は休む間もなく、次の攻撃を開始した。
本当にすぐ次の攻撃に移ったため、
2の勢いを殺す暇がなく、
花の身体も真っ二つになった。
だが、その判断は正解だった。
ミレトスに数字を消す暇を与えなかったからだ。
来させた数字は0。
0を真っ直ぐ下の方へ来させ、
ミレトスの下半身を消してみせた。
「き…貴殿…」
その勢いも殺そうとはせず、花にも0が直撃した。
2人は斬られて消えずに
残った上半身だけになった。
花に至っては右腕すらない。
「貴殿!」
ミレトスが叫ぶ。
「見事であったぞ!」
「恐怖を恐怖として捉えない。
その考えのおかげよ…」
ミレトスは数字を出す。
それは1だった。
「これを使うべし。貴殿の身体は元に戻る。」
「嫌よ。」
「き…」
「捨て身の攻撃だもの。
これで蘇るなら、あなたもよ。
あなたも蘇るべきだもの。そしたら、また再戦。
あなたの相手は疲れるのよ…」
「貴殿。」
ミレトスは1をしまった。