軍散の乱 17
「では、曲調を変えましょう。」
ミレトスは今度は4を手に取る。
「四次元。」
すると、
ミレトスの身体は4の中へと引きずり込まれた。
花は周りを見る。
だが、その姿はない。
どこを見てもいない。
「ここだよ…」
足元から声がする。
そこには数字の4。
そして、その中から、
押入れの隙間から覗く幽霊のように
ミレトスがこちらを見ていた。
「四次元の世界。そこへの鍵こそ4だ。」
そう言うなり、その中から手をぐいっと出し、
花の足を掴んだ。
足を掴んだまま
身体をゾンビのようにズルズルと引き出し、
出てきた。
「また、顔が白いぞ…」
花の顔からはまた血の気が引いていた。
足を引っ張られ、
そのまま尻もちをついてしまう。
「次は足を切ってやろうかぁ…」
ミレトスの手には数字の2が握られていた。
「いやぁぁぁ…!」
花は恐怖で土を掴み、
それをミレトスに投げつけた。
無意識の抵抗だった。
「ぐぁ…」
土はミレトスの目に入り、
とっさに手を離してしまった。
花は自分の右肩を抱え、夢中で後退りをした。
ミレトスはまた四次元に帰る。
花は震えながら立ち上がり、
どこから出てくるか警戒した。
「貴殿…恐れることはない…」
どこからか声がする。
ミレトスの声だ。
「何を恐れておるのだ…
これは21th Century Schizoid Manと同じことだ。
恐怖を抱くか、楽しむか、
それは己の感性次第である。」
「己の感性…」
花の震えが鎮まっていく。
「そうね…」
すると、
花は突然振り向き、左手をぐいっと引っ張る。
すると、その先の方で、
何もないとこからミレトスが転がるように現れた。
突然の衝撃のため、
持っていた4と2は地面に落とした。
「言い忘れていたわ…私の意識は“来”。
来るってこと。四次元に居ようが関係ないわ。
私のフィールドに来てもらえば
何も問題はないわ。」
「貴殿…」




