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第11回〜第15回


第11回


・いろのはなし……色々な色


 出てきた色は、杏黄・橘紅・柳緑・銀紅・品紅・苔青など。

 もちろん中華における色なので、日本語読みも本来は、ない。そこらへん、あまり考えずに調べていたもので……さらに、資料は色見本ではなく、リストアップしただけなので、どんな色かは系統分類しかしてなかった。


 気づけば、これ、赤なのは分かるけど薄いの?濃いの?これは緑っぽいけど、合うんですかね?と……色が分からん上に、カラーコーディネーターでもないんでどうにもならず、オール調べ直し!でした。

 もっとも壁画に残る仕女図などの色を見ると、コロンビア国旗カラーあり、緑のマタギ風あり、アーリィアメリカンな小花模様あり、とまあ……文字通り野放図ですがな!


 ところで、おや素敵と思った色名が、紅楼夢オリジナルカラーという事例であること、しばしば。

 あれは明時代の小説なので、想像色。作者の想定する色があろうとも、具体的な色は後付けになっちゃう。つまりはイメージで正解がない。でも綺麗だから、色の名前として定着するのはよく分かる。嗚呼、使いたい!

 わざわざ使わんでも、唐時代の庶民女性については色々書けるんで、我慢すればいいんですけどね……



・かみがたのはなし……髷髻鬢


 こんな風に書いても文字が潰れて読めないというか、区別がつかないというか。

 日本髪も作りが分からんところがありますが、中華後宮の女たちの髪型も強烈です。いや、西洋にはマリー・アントワネットがいるから、どこも似たようなものでしょう。


 しかし、とりあえず言いたいことは、どの髪型も結構ズルしてんじゃないかあああー!という。

 純真だった子どもの頃、アントワネットも和宮も、自毛でああなってると思ってましたよ……カツラかよ!付け毛とは!固めてるって意味分からん!専用の枕を入れてるってそんな聞いてねえよ!


 というわけで三環髻です。

 日本語としては、みつわまげ・さんかんまげと読むのでしょうが、そんな髪型にした女はいない(多分)ので、文字から得られるイメージだけで考えましょう。頭上に三つの輪っかまげを乗せた感じの。

 あ、サザ●さん?

 違う(多分)。

 髻は日本語では「たぶさ(もとどり)」なので、髪の毛の束をぐっと折り曲げて、根本をまとめて縛ったものを言います。

 三環は、曲げる型を輪っかにして、それを三つ並べる……ということになる、はず。

 資料が中国語だったもんで、よく分からない。ただ、そんなに珍しい感じでもないと思います。例えば漢〜三国時代の高位女性は、頭上に輪っかの髪束をいくつか並べて広げ、だいたい鳳凰冠(という大きな笄)をばーんと、カチューシャみたいに付けている……図が多い。この時代はハーフアップなので、髪の毛自体は下に長く流されていますが、唐あたりでは全髪まとめます。

 しかし、コレ……全て上げてしまうとイラストイメージ的には区別がつかないので、小説・漫画ではだいたいハーフアップにしてロングヘアですね。

 おお、もちろん棠梨でもロング採用ですともよ!でも主人公は動き易さ優先で、子どもの総角(あげまき…は日本語。現代語では、おだんご)からの変形で書いてます。まあ、輪っかつきのツインテだ。



 そういえば、中華では正しい美の在り方を「左右対称」とするのですが、人間、そうでないものに惹かれるわけで、何を思ったか唐の一時期の女性は、落馬した時の歪みほつれた髪型を頽廃の美として愛好したそうです。彼女、落馬したんですって。

 そんなん絵にしてもどーよ、文章にしてもナンだかなと思うのですが、第8回における弄月の髪は、落馬じゃないけど左右非対称です。男性としては、本当は有り得ない感じ。

 いやまあ静影もわりと雑な髪型してますが。文章では説明してないけど。敢えて書かなかったというか……気に入るのを考え付かなかったんだよね、とひどいことを言い当ててはいけません。好きにイメージして下さい。



 ついでに髪に花をさす流行。競花というのですが、大唐時代としては後期の流行ですがまあいいや、みたいな。

 しかし資料的には「競花が流行った。やりすぎが増えた」みたいな文しかないようで、どんなふうに飾ったのかは不明だそうな。

 なので、安田靫彦(やすだゆきひこ)氏という大正〜昭和の日本画家の『王昭君』という絵を見て、「だよね!わかんないよね!」とシンパシーを得てみたり。頭巾から花が生えてますよ、おねえさん……



第12回


・おおどうぐのはなし……家具


 卓子(意味:つくえ)、牀几(意味:長イス)、牀子(意味:イス)それに寝台。

 ほかにもありますが……使った文字と形の定義が、上手く表せていないような気がします。

 これこそルビ遊びの本領発揮、のはずだったのですが、あれだね……時々海外の翻訳小説で、一行なのに小文字で二行の説明をカッコ書きで入れてるようなヤツ。あんな感じになりそうだったね!


 庭などに置く石でできたベンチ!その名も石榻!ルビにしても長いわ!しかも読みはセキソウとメモってあるが、セキトウ(もしくは唐音でタン)だな。そして和訓の「しじ」と読むと、表すモノが違ってしまう。とりあえずルビ:ベンチで濁したが、最初に調べた時は、壁に作り付けられた四角い窪みの椅子を示してたから、そういうものかと思ったのーにー……何か丸い太鼓型のを言うとか……あれえ?


 紗障には(ルビ:ついたて)と書きましたが、設定上ビンボー家なので、紗すなわち薄い布を張るような立派なものではない。だから板で補修と書いた。が……

 どうだろうねえ……イメージは自分でも上手くできてない気がするよ。



第13回


・こどうぐのはなし(2)……抉り(読み:くじり)


 漢和辞典というのは、機種依存文字までは知らせてくれないから、実際に打ち込むまでウキウキで使う気になっているものが、多数でてしまうのですね。まあ仕方ない。

 そういう時は使わないのが鉄則ですが、「くじり」については、漢字で書いても文字潰れるだけだし、とさっくり代替語句となりました。

 どうでもいいけど、結び目が固くて解けない時の道具って……あるんだね。いつもボールペンだの錐だので適当にやってたよ!あっても使ったかどうか分からんけど。ペーパーナイフだって持っていても使わんしな……



第14回


・ちりのはなし……地図販売


 この話で書いたように、地図が庶民に禁じられてるとか、そういったことは別にありません。

 戦時下においては、軍事機密として鉄道の駅などが地図上から消えたり、地図そのものが店頭から引き上げられたりはしますが。


 宮都である甘棠は、洛陽がモデルです。資料としては長安の方が多いし見やすいのですが、如何せん広すぎた。宮城まで歩いて行くってナメてんのかい!なレベルでした。

 いやまあ中華的地理の距離感って、流石に日本より広いんで、あとの回で出てくるルートは、洛陽的なサイズでもキツいんですけど、そこもまあね……ダレモキニシナーイの呪文を唱えておきました。帰りを水路にしたのは、超ショートカットができるからです。


 しかし、洛陽も時代によって様変りしているので、モノの配置については悩みました。が、適当に設定しました。適当に考えすぎて、最初、東城ってなんだよと混乱したくらいです。

 さらに河川なんか、勝手に治水しちゃってるしね!ほら、やっぱり上下水道は大事だよー……とか。

 地名の命名マニアでもあるんで、好きに路を作ってますが、橋の名前はそのままにしちゃって、今更ながら命名しとけば良かったなーと思いました。



・よんではいけないはなし……水部司は地道


 最初は都水監と書こうとしたのですが、参照しようと決めた時代資料では、まだその職はなかった。都水監だとルビもいらんし、文字見ただけで仕事内容想像つくし、便利だったんだけどねー。

 しょうがないから水部司。すいぶし……とか読んでいいのかどうか。制度的には三省六部、すなわち「さんしょうりくぶ」の下部組織ですが、吏部尚書に「りほうしょうしょ」と振っているものがあって、「りぶ」じゃないのかと大混乱。でもその読みは日本の制度上での読みのようなので……そもそも中国音声では「りくぶ」でも「りぶ」でもねーわな、と。あまり気にしても仕方ない。もっと怖いコトを言うと、中国音にしたって、現代音声と違うかもしれないわけで……どうしようもないですネー。そういえば欧米の方々は歴史を習う時、現代表記にするんでしょうかね。

 まあとにかく、水部司。好きに読んで下さい、な感じ。港湾水夫の管理が仕事なので、河川自体の監督までは不明。

 ついでに地道は、ぢみちとは読まず(いや当然ですが)、堅実にという意味はありません。純粋な・質の良いという意味だけです。ここでの文脈上は、なんかケンジツで使ってるような気がしますが、気のせいです。



次項、16〜20、ラスト項目〜28まで

そろそろ書くこともなくなってきたから、まとめて。



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