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わりとえげつない能力で異世界踏破  作者: みここ
王国事変
20/38

決着というには圧倒的で

みここです。初投稿が初投稿

 僕は引き抜いたダガ―を見やる。黒い刀身に二本の切れ込み筋が通り、その線の間には秀麗な模様が刻まれている。そしてその向こうの男にピントを合わせる。黒いローブで何を隠し持っているかわからない風貌。しかし浮かべるその表情に殺意がひしひしと感じとられる。相手は殺す気で来ている。それなら、こちらも同様の覚悟をせねばなるまい。

 容赦はしない。僕はその覚悟と共に柄をしっかりと握りしめた。

「よお、嬢ちゃん。さあ、かかってこいよお」

「ああ、そのつもりだ」

 すうと息を吸い込む。

 そして僕はその無慈悲な声を上げる。

「ギフト発動!」

「なっ!?」

 男を取り囲むようにして風が舞い、身体からオーラが抜け出る。そのオーラは瞬く間に僕の手元にやってきて吸い込まれていった。

 男は動揺している。

「な! てめ! 何をしたあ!」

「何って。お前の力を少し借りただけだよ。まあ殺しに来てるんだ。殺される覚悟もしてるよね」

 そういうと、僕は駆けだした。

 先ほどの男が見せた瞬発的ダッシュ。その刹那的移動速度に男はついてこれない。あっという間に懐に入った僕は、闇魔法のシャドウソーイングを纏わせたダガ―を振り上げる。

 間一髪で間に合ったのか男は避ける。しかし体勢が悪すぎた。本来ばなれた動きで避けた後の動きも予測して動くはずだが、今の彼にはそれができない。一方的に努力の結晶を奪われているからだ。それ以上の回避行動がとれない男に対して、僕はダガ―をホルダーに収めつつ、地に両手を付ける。勢いを殺さず、そのまま逆立ちの体勢になると僕は、回転を加え足蹴りの連撃を浴びせた。ここに暗器は仕込まれていない。しかしその打撃は男を倒すには十分すぎるほどの威力が出ていた。

 頬、顎に数発の蹴りが撃ち込まれた男は、そのまま地面に叩きつけられ気絶した。

「おお! 凄いな! ミラ!」

「へへ、ありがとう」

 完璧に意識が飛んでしまっている男を尻目に、ヴァンに振り返る。ヴァンは素直に僕の戦いを見ていてくれた。

「ミラがここまでの強さだったとはな。前にオークと戦ったときはもっと弱かったはずなのに」

「今回は相手の力をうまく奪えたからだよ。一対一では、ほとんど僕のギフトはチート級だからね」

「チート?」

「ああ、卑怯な強さってことだよ。でも、相手は殺しにきていたし、躊躇うことはできなかったよ。みんなを守るためだからね」

「なんにせよ、無事でよかった。さて、コイツの身柄を王国の自警団にでも出すか」

 ヴァンは、男がやってきた方角の路地を見ると、鋭い目をした。

 僕も振り返ってみると、そこには血だらけで、明らかに生きているとは思えない牧師が倒れていた。おそらくこの男がやったのだろう。僕とヴァンは、牧師の死を弔うべく静かに目をつむった。

みここでした。初投稿しても、初投稿とは限らないぜ


さて、初めてこの作品のタイトルのようにわりとえげつない戦いでおわりました。こっから先、ミラの異世界生活はどのように変化するのでしょう。

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