始業式の日
8月の最終週、スクールの始業式が行われた。僕は飛び級で15歳の学年に入ることが許可された。
「リネア!おはよう!」
「おはよう、ミーシャ」
フレーデル王国のスクールでは13歳から18歳迄の生徒は指定された制服を着用する。僕はスカートを渋々はくことにした。
「あなた、なんだか少しの間に雰囲気変わったわね。一瞬誰か分からなかったわ。」
「そうかな?」
「それより、私たち同じクラスよ、さっき貼り出してあるの見てきたの。あなたも飛び級なのね。」
「あなたも…?他に誰が?」
「セルゲイも同じクラスだったのよ。あの人本当に賢いわね。」
「確かに…。」
2年飛び級はすごい。確かフリッツとユーラもだったような。僕も来年は研究室に入りたい。
少し離れた所で令嬢の歓声があがる。
制服を着たフリッツとユーラが一緒に歩いていた。
すごく目立つな…。
制服のフリッツが格好いい。黒が凄く似合う。
「リネア…どっちにみとれているわけ?」
「へ?」
「おはようリネア、会いたかったよ。」
「朝からぼーっとしてるな。」
「フリッツ、ユーラ、お早う。」
「お早うございます。」
「あのさ、令嬢に初日から目をつけられると困るから二人とも離れててくれない?以前ヴィルの事で呼び出しされたこともあって…。」
「だって…行こうかフリッツ?」
「あぁ、仕方ないな。じゃあ…後でな。」
「あっ、うん」
「何、その二人の感じ。私もいれてよ。」
「お前はいい」
ユーラとフリッツはそのままどこかへ歩いて行ってくれた。
よかった…。
「せっかくイケメン二人が来てくれたのにぃ。」
「目立ちたくないんだ。」
「もぅ…。」
スクールは各学年10クラスずつで構成されていた。スモーランドに比べてめちゃくちゃ生徒数が多い。外国語も飛び交っていて国際色豊かだ。ワクワクしてきた。僕はクラスの案内板を見る。ヴィルは隣のクラスだった。
自分のホームルームに入ると語学研修で知り合った人が何人かいた。他には…
「何故あなたがここにいるの?」
「メアリー…」
「来やすく呼ばないで頂戴、友達でもないのに。」
「あ、ごめんなさい。」
「リネア、この方は?」
「ミーシャ、彼女はフリッツのいとこだよ。」
「へぇ、初めまして。」
メアリーは僕と話したくなかったらしく何も言わず席に行ってしまった。
「何あれ、感じ悪い。」
「どうやら嫌われたみたいで…」
「ふん、いいのよ。あ!セルゲイ!」
ミーシャが手を振る。
「お早う、ミーシャ。」
「今日も綺麗だね、同じクラスなんて嬉しいよ。」
「私もよ」
ハグからのキス…。まだこれ続くのか。
「お早うリネア、なんか…変わった?」
「セルゲイもそう思う?」
「うん、可愛くなった」
「でしょ!何があったか後でじっくり聞きたいわ。」
「ミーシャ」
「あら、ルイ、あなたも同じクラスだったのね。」
「ミーシャの知り合い?」
「ええ、これでもランク王国の王族よ、クラスメイトだったの。」
「ルイーズ・ド・リオンヌです。よろしくね。こちらの可愛いお嬢さんは?」
「リネア・エステル・カールソンです。はじめまして。」
「よろしくね。可愛いね、君。彼氏はいるの?」
「え?あ、はい、います。…多分。」
「多分?」
多分…そうだよな?
「えっ?!リネア…いつの間に?!」
「あ、えっと、その…。」
「きゃー!後でカフェテリアにいくわよ!」
「そこ、静かにしなさい。出席をとるわよ。」
担任の先生に注意された。
「担任のルックナーよ、よろしくね。」
カフェテリアは語学研修の時とは違い満席だった。
「なかなか空きそうもないわね。」
セルゲイとミーシャ、何故かミーシャの知り合いまでついてきた。
「なんであなたがついてくる訳?」
「他に知り合いいないし、知り合いたいから、彼女と。」
「リネア、気をつけなさいよ。この男めちゃくちゃ遊び人だから。」
「セルゲイと合いそうだね」
「えっ?どういう意味よ?」
「あ…」
つい、クラブでヴィッキ-が言っていた事を思い出して言ってしまった。
「セルゲイは真面目な人よ、悪く言わないで。」
「ミーシャはすぐ男にはまるからなぁ。」
「ルイ、どっか行ってくれない?あなたに言われなくないわ!」
「君さあ…」
二人が言い争いを始める。
「セルゲイ、いいの?参加しなくて」
「私は別に。それよりリネア」
「何?」
「どうして私が遊んでると思ったの?」
「…ごめん、気に触った?」
「いや、本当の事だからさ。」
セルゲイの雰囲気が変わる。あのクラブの時みたいだ。
「…」
「ねぇリネア、放課後時間ある?少し話がしたいんだけど。」




