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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
メルア大陸編
341/350

ミハイルと私

「リスラ共和国へ帰国する日が決まったんですって?」

「そうなんだ。いよいよ帰国だよ。」


「帰ったら王政に変える選挙を行うんでしょう?」

「そう。忙しいよね。あの人が国王とか…笑えない?」

「でも人気はありそう。見た目もいいし。」

「まあ…。」


「ミハイル、あたしは…手伝いに行かなくてもいいの?」

「何とかなると思うよ。以前から準備していたし。」

「そう…。何かできる事があったら言ってね?」

「ありがとう。」


「あ、そういえばニコライ大統領がこちらに来るみたいよ。」

「みたいだね。あの人は相変わらずというか…。」



…ただ声を聞いているだけで

話ができるだけで

嬉しくて、ドキドキしてしまう。


「リネアはフレーデル王国に行くのよね?いいな。あたしも一緒に帰ろうかな?」

「…カジノの視察だからね。君は留学を終えたらリスラ共和国へ移住しなければいけないし、自由な時間は今だけだからしっかり楽しんでくるべきだよ。」


そうなんだけど、私もミハイルに会いたい…。

そんな事、言えないけど。



「リネアに会えるの楽しみでしょ?」

自分で言って悲しくなる。


ミハイルの顔が赤くなった。

「…まあね。」


…言わなきゃ良かった…。自爆した。


「…ヴィクトリア?大丈夫?体調悪い?」

「ううん…。そうじゃないの。ただ…。あ、ごめん。用事があったの思い出したから切るわね。」

「うん…またね?」


私はどうしていいかわからなくなって電話を切ってしまった。



複雑だ。

私だってまさか自分がこんなに早くミハイルを好きになってしまうなんて思わなかった。


この気持ちは知られてはいけない。

知られたら、彼はひいてしまうかもしれない。

だけど…いつまでごまかせるのだろう。



◇◇◇


私はなんとなくヴィクトリアの事が気になり、

リネアに電話したがつながらなかった為セルゲイに電話した。


「…何それ?」


「だから、ヴィクトリアは兄上の事を意識してるみたいですよ。シャーロットがそう言っていたし。」


「…まさか。彼女は侯爵が好きなはずだ。」


「そんなの…気持ちが変わる事だってあるでしょう?侯爵はもう結婚したし、彼女がそれを気にしている感じもそれほどないですよ。」


「…。まさか。信じられない。…困る、それは困るよ。」

「困らないでしょう?彼女はあなたの婚約者ですよ?」


「だって彼女が私を好きになったら私がリネアを好きなのもキスするのも、もしかしたらそれ以上を望むのも罪悪感を感じなきゃいけないじゃないか。」

「…彼女が侯爵を好きでも好きじゃなくてもキスやそれ以上するのはまずいですよ。」


「…そんな…。だって…。」


兄上が動揺している。

少し面白い。


「…困る。」


「じゃあヴィクトリアに恋人ができたらいいんですか?実際デイヴィッドさんも彼女を気に入っているし、スクールでもすごくもてていますよ。彼女は性格もいいし、見た目もいいですから。それに来週メルア大陸の大統領の家族に会う予定ですがその中に皇女を狙う存在がいるみたいですよ?兄上がお望みならそちらに誘導しましょうか?面倒な事になるかもしれませんが。」


「何なんだ?その聞き捨てならない話は。ヴィクトリアは私と結婚してもらわなきゃ困る。それが私の計画だから。で、お互い心の恋人がいる。そういうのが理想なんだ。」


「なんでもあなたの思いどおりにはいかないんです。」

「…とりあえず、ヴィクトリアに変なのを誘導しないで欲しい。もちろんリネアにも。」


「リネアは誘導しなくても勝手に変なのがよってきますから。今日はイーチェンとデイヴィッドさんとチャーリーズのフランチャイズ化の話と新しいビジネスの話をしに出かけましたよ。」


「…私があのビジネスの筆頭株主なんだけど。」

「あとまた古着を買いに…。」

「メインはそっちだな。」

ため息がでる…。


「最近はあの三人がよく一緒にいて…。」

「何それ?」

「真っ暗なレストランやら人造食材を提供するレストランやら、面白いレストラン巡りにはまっています。あと、クラブへ行ったり、飲みに行ったり。」


「三人で?君は?」

「私は行きません。シャーロットが、あまりいい顔をしないので。」

「…危ないメンバーだな。…父上に頼んで私もそちらに行くようにしようかな。どちらにしても不動産事業を始める予定だからね。」

「また兄上が来るとややこしくなるから…。」


「何故?」


セルゲイが先日のシャーロットの話を私にした。


「…面倒くさい。」

「…そうなんですけど。」


「くだらない。リネアはそういうのをすごく嫌うんだ。シャーロット様もキャラに合わない事をするな。」

「分かってますよ。だけどあなたも私も今一番に優先するべき相手はリネアじゃない。形式的だとしても。そうじゃなきゃ、リネアも困るんです。」


「…はー…。こんな事ならリネアと婚約破棄しなきゃよかった。」

「それは絶対に口にしちゃいけないやつです。」


「…君は一番家族でおかしい子だったくせに、いつのまにかロマノ家で一番まともな事を言うようになったね。」

「兄上と父上は結構似ていますからね。」


「…とりあえず行くよ。マルクたちにも会いたいし。ソフィアにも会ってみたいしね。」

「…真っ先にリネアにキスしたり抱き締めたりしないでくださいよ。」

「…したいなぁ。キス以外も。毎回電話でリネアにそれを言うとすぐ話題を変えられるんだ。」

「当たり前です。ヴィクトリアに言ってください。」


「…そんなの言える訳ないだろ。恥ずかしい。彼女はそういう事を気軽に言える存在じゃないんだ。」


「…意味が分かりません。とりあえずリネアの立場、ヴィクトリアの立場を考えて行動してください。なんならフリッツを連れてきたらいい。そうすれば解決する。」

「いやだよ。私がゆっくり会えなくなるじゃないか。」

「…それを言ったら父上も兄上が行くの嫌がりますよ。」


「あの男は本当に往生際が悪い。」


「…だから兄上もなんですよ。」



父上に電話するとフレーデル王国に寄ってピックアップするのは面倒だと断られた。

メルア大陸でリネアにゆっくり会えなくなるからだろう。

似ていて本当に嫌になる。


仕方ない。自力で行くとするか。



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