リネアとヴィクトリア
リネアが何故かヴィクトリアとエンゲル王国に戻ってきて、リネアは兄上と婚約を解消したこと、ヴィクトリアが兄上と婚約した事をみんなに伝えた。
マルクは私そっくりでとても落ち込んだ。
レナートはあまり気にしていないようだ。
母上もあまり気にしていなかった。
最近この二人は似ていると分かってきた。わりと楽観的だ。
「まぁ、僕は気にしないよ?別にこれまでと何かが変わる訳じゃないし。」
「レナートの言う通りだよ。私はこれからもみんなのお姉さんだから。」
「…お姉さんとはあまり思ってなかったけど。」
「マルク…?最近生意気じゃない?」
「だって…。ねぇ?兄上。」
「まあね…。」
「セルとマルクが可愛くない。昔はあんなに可愛かったのに…。」
リネアが拗ねている。
母上がヴィクトリアを見て挨拶をした。
「…それで、こちらの綺麗な女性がミハイルの…。」
「ヴィクトリアです。初めまして、ソフィア様。」
「よろしくね。」
「…リネアが良かったな。」
マルクがぼやいた。
私だってそう思う…。彼女の前では言わないけど。
「ごめんなさいね。」
ヴィッキーが申し訳なさそうに言った。
彼女が悪い訳じゃないがリネアの代わりになる人は簡単には受け入れられないだろう。ロマノ家のリネア大好きレベルは普通じゃない。今も毎日一緒に寝たがるくらいべったりだ。
「マルク、ヴィッキーはキャンプも好きだから一緒に遊べるよ?」
「…だから、もうキャンプに行くか行かないかが決め手にはならないんだって。」
「…だけど行くよね?メルア大陸でもキャンプ行くよね?」
「行くけど…。」
「リネア、私にも紹介してくれないか?」
シャーロットがリネアの所へ行った。
「うん。二人は会ったことない?」
「昔少し会ったかもしれないが…。」
「ヴィッキー、彼女はシャーロット。私の友人なんだ。」
「エンゲル王国の皇女シャーロット様ですね。私、フリードリヒの姉のヴィクトリアです。よろしくお願いいたします。」
「ああ、宜しく頼む。綺麗な女性だな。…しかしなあ。あのミハイルが君をフリードリヒに譲るなんてなぁ…。」
「シャーロット様とミハイルはお知り合いでしたか?」
「ユーラはシャーロットのパシりだったからね。」
「リネア、人聞きの悪い言い方をするな。まあ使い勝手が良かったのは間違いないが。」
「ほらね。」
「それで?この婚約者交換の件はイーチェンには言ったのか?」
「いや…これから。」
「彼には言い方を間違えないように。それからまた何かあると行けないからセルゲイを同行させるように。」
「シャーロット…なんかユーラみたいになってきたね…。」
「そしてシャーロットはすぐ私を使うんだから…。」
「セルゲイ、君が一番リネアを心配しているはずだ。」
「まったく…。君は私と兄上をなんだと思っているんだ。」
「君の事はとても可愛いと思っている。」
「…!」
みんなの生暖かい視線が辛かった。
「本当は私もついて行きたいがこれから準備で忙しいからな。あ、リネア。出発前にまたホテルの件だけ話がしたいんだ。いいかな?」
「分かった。じゃあ明日?」
「ああ。よろしく頼む。」
シャーロットはみんなに挨拶をして自宅へ戻っていった。
「…男前ね、シャーロット様って。好きなタイプだわ。」
「でしょ?私が男ならシャーロットかヴィッキーだと思うんだ。」
「…女性が二人増えるのも楽しみね!リネアだけだと男兄弟にしか思えなかったから。」
「ソフィアまでっ!ひどい…。」
「ふふっ。大きなコンドミニアムを用意したからみんなで暮らせるわ。」
「…ソフィアって何者?」
「…母上は色々謎が多いんだよ。」
「内緒。」
母上が笑いながら食事の支度をリネアとマルクと始めた。
ヴィクトリアも手伝いを始める。
「…リネア、イーチェンには私が二人で話そうか?」
「…私も行く。別に隠す事じゃないし、後ろめたさもないよ。彼は友人だから。」
「…いや、今回は私が話をする。なんとなく…そうしたいんだ。」
「分かった。」




