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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
フレーデル王国編
313/350

セルの牽制

僕とフリッツはユーラがいなくなってからも話を続けた。

フリッツも元気がなさそうだ。


「ヴィッキーはどう?」

「…相当落ち込んでる。とりあえずしばらくはスクールも休んで休養をとることにした。寮に置いておくと心配だからこっちにきたらってミハイルが言ってくれて…。城にいるとみんな過剰に心配するから正直ありがたかった。」


「…辛いよね。」

「…乗り越えるしかない。いつかはこうなるって分かっていたんだから。」

「…。」


僕たちも…かな。いつかは乗り越えなきゃいけない。

こんな事、思っちゃいけないけど…。


フリッツも同じ事を思っていたのか目があってなんとなく気まずくなってしまった。

画面越しのフリッツ…。会いたい。


僕は画面を触った。

フリッツも同じ事をしていた。



「あの…さ。」

「ん?」

「本当に、イーチェンと二人にはならないで欲しい。悪い奴じゃないかもしれないが、豹変する可能性もなくはないだろう?」

「そうだよね。たださ、友人だと思っていた人を信じてあげられないっていうのが悲しくて。警戒してるのも伝わっちゃうんだよ。」

「俺やミハイルにとってはイーチェンの心情よりお前の方が大切だから。」

「うん…。」


フリッツが僕を見つめる…。

…ドキドキする。




「はい、今日はそれくらいにして。マルクトレナートが待ってる。」

セルが背後から声をかけてきた。


「…セル、邪魔するな。」

「フリッツ、駄目だよ。リネアは私の姉になってもらうつもりなんだから。」

「お前、恋人ができたんだろ?いつまでリネアに執着してるんだ?」

「それはこっちのセリフ。」


「俺よりイーチェンを見張っておけよ。」

「イーチェンよりフリッツの方が危険だから。」

「お前なあ…。」


この二人のやりとりも相変わらずだ。でも以前と違うのはセルがフリッツに心を許しているという事だ。


「とにかく切るよ、弟たちがリネアと寝るって待ってるから。」

「マルクたちが?あいつらもうそんな小さくないよな?まさかお前も?」

「…おやすみ。」

セルがそう言って電話を切ってしまった。



「セル…。」

「リネア、駄目だよ。兄上が今の見たら嫉妬する。」

「何もしてないよ?」

「…見つめあってた。」

「…気のせいだよ。」


「リネア、どれだけ私が君と一緒にいたと思ってるの?」

セルが僕をじーっと見る。…ごまかせないな。

「…。」

「好きなんだよね?」

「…。好きだよ。ユーラが好きだけど、フリッツも好きなんだ。」

「でももうリネアは兄上と婚約したんだよ?諦めないと。」

「分かってる…。」


分かってるけど、顔を見たら、声をきいたら、頭では駄目だって分かっていてもやっぱり好きだと思ってしまう。


「…大丈夫。フリッツは自殺したりするタイプじゃないし。君は君のやる事に集中するべきだよ。」

「…なんかセルがお兄さんみたいじゃない?」

「リネアはしっかりしているようで危なっかしいからね。」




セルと一緒に部屋に戻るとマルク達が宿題をしていた。

「どう?スクールには慣れた?」

「少し。でも勉強は問題ないよ。」


僕が二人の宿題を見るとどちらもほぼ終わっていた。しかもちゃんと出来ている。

「やっぱりみんな頭がいいんだね。どういう遺伝子なんだろう。」

「何それ?」

「マルク知らないの?セルもだし、ユーラもアリーナもみんな頭が良くて成績優秀なんだよ?」

「リネアは?」


「…そうだね…。」

「リネアもだよ。仕事しながら飛び級で上の学年にいるんだから。」

セルがフォローしてくれた。

「…今また休んでるから怪しいけど…。」


「マルクは勉強楽しい?」

「…勉強よりリネアみたいにビジネスがしたい。」

「何をしたいの?」

「まだはっきり決めてないけど…。」


「そっか。じゃあメルア大陸で一緒に探そうか。」

「うん。」


「僕は勉強好きだよ。」

レナートも話を聞いて欲しいようだ。

「何が好き?」

「数学と、科学と、物理と…。」


「…私が苦手な奴ばかりだ。すごいなぁ、レナートは。」

レナートが得意気な顔をした。その顔がかわいくてつい頭をなでなでしてしまう。


久しぶりに2人とこうやって話をしたなぁ…。


「ねえリネア、また兄上とピクニックに行きたいね。」


「…そういえばユーラと行ったっけ。そうだね、楽しかったもんね。」

「レナート、これからはきっとたくさん行けるよ。リネアは兄上のお嫁さんになるんだから…ね?リネア。」


セルが僕を試すように笑いながら肩に触れた。

…そう…なんだ。

そう、僕は、ユーラと結婚するんだ。


「そうだね。」

なんとなく作り笑いをしてしまったのをセルは見逃さなかったようだ。


「駄目だよ、リネア。」

「何が?」

「…おかしな真似をしたら駄目だよ。家族みんな君が家族になるのを望んでいるんだから。」


「信用ないみたいだね。」

「まあ、恋愛に関してはね。君はずっとどっちつかずでフラフラしてるからね。」

「…。否定できない。」


セルが僕の頭を撫でた。

「リネア、フリッツと二人だけで話をしないで。」


「…」


「もう用事はないはずだよ?ヴィルフリートとはビジネスの話しもあるから分かるけど、フリッツには用事はないよね?」

「でも…。」


話したいし顔も見たいのに。


「…この件は私が兄上と話しておくから。」

「…。」


セルは間違ってない。

だけど僕はすごく悲しい気持ちになってしまった。


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