セルとの再会
「…で、エンゲル王国にきちゃったと。」
「うん。」
「相変わらずリネアらしいと言うか。」
「…元気にしてた?」
「まあね。」
僕はセルをじっと見つめる。
「…可愛い。可愛すぎる。」
「…あのさぁ?」
「だってセルが可愛すぎて…。」
「…もうお互いそんな年じゃないだろ?!」
「ぎゅーってしたい」
「うわっ!」
僕たちがじゃれていると部屋のドアが開いた。
「…浮気か。」
「浮気…。浮気?」
セルが動揺している。
「違う…。違うよシャーロット…。」
「シャーロット?」
「久しぶりだな、リネア。」
「シャーロット様…?」
「まあ、そういう事だ。」
シャーロット様が笑顔で僕を見た。
僕はセルとシャーロット様を交互に見る。
「…いつの間に…。」
「…つい最近。」
「何で教えてくれなかったの?」
「だって…。自分でも信じられない展開だったし。」
「…二人が付き合っているのならメルア大陸につれていったら申し訳ないな。」
「リネア、それはそれ、これはこれだ。問題ない。連れていけ。」
「言い方…。」
「リネア、私も行ってみようと思ってるんだ、半年ほど。」
「そうなんですか?」
「ああ。前から興味があったから。」
あれ…確かルイもかつてそんな事を言っていたような…?
しかし、最近ルイはユリアと良い感じの雰囲気だったからまあ大丈夫か…?
「ミハイルと婚約したんだって?」
「はい。あ、それよりライヒ王国の件、ありがとうございました。」
「それよりって…。私はミハイルの件の方が感心がある。よかったな、あの男。陰気な癖にリネアと婚約できたか。」
「その陰気な男の弟も陰気ですよ?」
「ああ。分かっている。だが可愛いだろう?セルゲイは。」
「ええ。めちゃくちゃ可愛いです。」
「君はもうミハイルの女になったんだから発言と行動に気をつけるように。これは私の恋人だ。」
シャーロット様がセルの頭を撫でながらそう言った。
「シャーロット様って結構積極的なんですね。私が男なら絶対ひかれてたな…。」
「君が男なら私もひかれていただろうな。さて、そろそろ食事を作るか?」
「はいはい。」
シャーロット様の手料理…?
「リネア大丈夫、最近は砂糖と塩を間違えたりしなくなった。」
「本当に?」
「食べれないこともない。」
「…本当に?」
セルと毎日のように作るうちにシャーロット様は大分普通に料理ができるようになってきたらしい。
僕はいったん部屋へ戻るといって荷物を持って上へ上がった。
ユーラに電話しなきゃ…。
◇◇◇
「…嘘だろ?」
「嘘じゃないよ、今うちにいるんだよ。シャーロットって呼んでるんだよ?!」
「…だめだ。想像したら笑いが…。」
「いや、本当だよっ!?しかも変な上下関係なんだよ。」
「…。」
ユーラが笑い転げている。
「で、いまから二人が作った料理を食べるんだ。…ユーラ、笑いすぎ。他人事だと思って…。」
「とりあえず食べる前に胃薬を一錠飲むように。セルゲイは味覚と腹の丈夫さが少しおかしいから。」
「やっぱり…。」
「リネア」
「ん?」
「ヴィクトリアが、恋人と別れた。」
「ヴィッキーが…。ゲオルグさんと?」
「ああ。」
「…。彼女落ち込んでるよね?」
「ああ。泥酔した挙げ句私の服に嘔吐した。」
「…どういう事?」
「側に付き添うようフリッツに言われて付き添ってバーで話を聞いていたら…だ。」
「ユーラ…。」
「何?」
「ヴィッキーはさ、女版フリッツなんだよ。顔も性格も。」
「知ってる。」
「…近づきすぎないように。」
「…君は私がヴィクトリアと何かあるとか思うわけ?」
「思う。だって素敵だもん。シャーロット様とヴィッキーは私の好きなタイプだから。」
「…だとしてもそれはないだろ。」
「ある。とにかく二人でお酒とか駄目だからね。」
「リネア…。やきもち?嬉しいな…。」
セルが僕を呼びに来た。食事ができたらしい。
「とにかく、また電話するから。あ、フリッツとヴィッキーによろしく。あとルイにはこの話はまだ言わないで。」
「はいはい。」
僕は胃薬を一錠飲んでから下のダイニングへ向かった。




