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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
エンゲル王国編
201/350

僕とイーチェン 2

仕事の後、僕たちは店のすぐ近くのカフェに入った。

「イーチェン、何か食べる?」

「そうだな、ミートパイを食べようかな。お前は?」

「食べる。あと紅茶にしようかな。」

ユーラが最近紅茶にはまっているせいか紅茶を飲む事が増えた。



「イーチェン、話って何?」

「ああ、店の話なんだが、そろそろもう一店舗増やしてみないか?丁度一人いい料理人が入れそうなんだ。」

「うわ、いいね。」


「クオリティーを下げない為にゆくゆくは工場で基本作っておいて現場では解凍や簡単な温め、揚げ物くらいするのが理想だと思うんだが、まずは店舗数を増やし認知度もあげたい。」

「そうだね。時間や効率も大事だもんね。候補地はどう思う?」

「まずこの街にもう一店舗できたらいいんじゃないかと。管理もしやすいし。」


「じゃあ場所の候補を探さないとね。客層はやっぱり学生からファミリー層だよね。」

「ああ、もしくはビジネスマンをターゲットにするのもありかもしれない。」

「なるほど。」


イーチェンが街の地図をだした。

「家賃がある程度押さえられて客層に相応しいのはこの地域と…。」

「イーチェン、授業中は大抵眠そうなのにビジネスとなるとイキイキしてるね。」

「まぁ今まで父親にやらされていたのがろくな仕事じゃなかったからな。」


「そうなの?」

「…うちの家は色々やっていて公にできないようなのもある。俺は最近まで結構そういうのをやらされてた。リー家に生まれた者の宿命だ。」

「…ミハイルとかセルみたいな?」

「ああ。それ以上かもしれない。」


「具体的には?」

「…聞いたらひくぞ?」

「何?」


イーチェンが僕の耳元で囁いた。

「…」


危険なドラッグの仲介や諜報活動、不正就労の斡旋…。これはやばい。子どもが関わる仕事じゃない。


「俺は直接やる事はなくて指示をだしたり計画をつくったりするのが仕事だったが…。」

「…よく教えてくれたね。」


「…どの道一緒になれば分かるし。」

「今のを聞いたらたいていみんな怯むと思うよ?」


「お前は?」

「…そうだなあ。どの国にも大概そういう仕事の人はいるし理解はできる。」

「そうか?」


「ただ、自分の伴侶がその仕事についているのはパスだな。そんな危険な仕事の人と家庭をもつなんてあり得ないよ。危なすぎる。家族ごと巻き困れるのもごめんだ。」

「俺もやりたくてやっていた訳じゃなかったから、似たような事をしているセル達を見ていて嫌な気持ちだった。あいつらもやりたくなかったって知ってほっとしたし…。」


「やめれないの?セルのお父さんは大概をやめてくれそうだよ?」

「お前に全部話さないだけで言えない事があるに決まってる。うちは…そう簡単にはやめれない。だけど、俺はそっちのからは足を洗って普通にビジネスだけをしていきたいんだ。」

「…イーチェンはさ、私とどんなビジネスをしてみたいの?」


「そうだな…。色々あるがテクノロジーの分野とかも面白いと思ってる。」

「テクノロジー…。」


「お前達の周辺諸国は通信や機械の技術開発ををあえてとめてしまったが、ほかにも医療や食品、日用品、娯楽の分野でもテクノロジーを活かした産業はたくさんある。それらはリスラ共和国やうちの国、メルア大陸を中心に現在発展している状況だ。」

「なんか楽しそう…。」


「だから、一緒に俺の国を見て欲しいし、メルア大陸にも行きたいんだ。リネア、ここのレストランを起動に載せたら一緒に行かないか?ビジネスで世界中お前と旅ができたらって思うんだ。」


かなり魅力的な提案だ…。僕もやってみたいと思う。だけど…。

「…なんで私なの?」

「…言っただろ?一緒にいると楽しいって。リネア…。」


イーチェンが僕の頬をさわる。

「俺はできるよ。お前と、そういう事。」

イーチェンの目が僕の目を真っ直ぐ見る。

「…そうなんだ。なんか…意外だ。」


「俺だって付き合ったことがないわけじゃないけど、こんなに一緒にいてワクワクする奴は初めてなんだ。考えてもらえるか?」

「…とりあえず私に恋人がいる事を理解してもらえるなら。私はフリッツが好きだし、彼といたいと思ってる。」


「はっきり言うなあ…。まあ現状そういうのはどうしようもない。ただし。」

「ん…?」

「将来の事なんか誰にも分からないじゃないか?フリードリヒが政治の状況で他の女性と結婚するかもわからないし、お前もニコライ大統領に決定権が握られているだろう?」


「確かに…。」

「まあ俺も人の事は言えないがつまり現状が維持できるか分からないって事だよ。俺に出来る事はお前が俺といたいって思うように頑張るしかないな。」

「どうやって?」

「…ビジネスだろ?」


そう言ってイーチェンは楽しそうに笑った。

この人は少しフリッツに似てるかもしれない。

人の事を気にしないしポジティブな所も…。


「イーチェンの知らない一面を知ったな…。」

「俺も。」

「そう…?」

「ああ、こんな自分がいるって知らなかった。…とりあえず、店、成功させような。」

「うん…。」



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