再会
「このメンバーで飛行機に乗るって変な感じだね。」
「おい、さっきから何故お前がリネアの横に座ってくっついているんだ?」
セルが僕の隣に座って手を握ったり頭を肩に乗せたりしている。
「…。」
「セルはずっと私と離れていたから寂しかったんだって。フリッツは寂しくないよね?」
「お前なあ…。」
「あんた、リネアを一晩独占しただろ?疲れてるリネアにやらしいことしたくせに。」
「…何が悪い?」
「あんたも十分自分勝手だって言ってんだよ。」
ニコちゃんがこちらを見ながら楽しそうにしている。
「リネア…。セルゲイは結構口が悪いんだね?」
「ニコちゃん知らなかったの?フリッツ限定だけど、これが素じゃないかと思うよ。」
「リネア、違う。リネアといる時が本当の私だから。」
「どちらにしても僕の前と大違いだ。」
「そりゃそうだよ。」
窓の外に茶色の屋根がたくさん見えてきた。見覚えのある景色。懐かしい…。
「フレーデル王国が見えてきた…。」
久しぶりだ。みんな元気にしてるかな?
「フリッツ、国王とは今日会えるの?」
「ああ、急遽予定を入れたから夕方になったが。」
「ニコちゃんは無茶苦茶だからなぁ。」
「思い立ったが吉日だ。」
その思いつきのせいでみんなが巻き込まれるっていうね…。
「フリッツは戻ったら仕事?」
「ああ、夕食まではいろいろやらなくてはいけないことがある。いきなりエンゲル王国に行ったからな。」
「じゃあ適当に夕方まで過ごすよ。スクールに行ってもいいかな?ルイに会いたいと思って。」
「ああ、喜ぶと思う。ロマノ大統領はどうされますか?」
「僕も適当にすごすよ。夕方城に行くとしよう。」
「セルはどうする?一緒にスクールに行く?」
「私はやめておく。行ってきて。」
「分かった。じゃあみんな後でね。」
久しぶりにスクールに来た。いつも行っていたカフェテリアや図書館が目に入る。たった半年前までここにいたのに変な感じだな。ちょうど去年の今頃はここへ来るための準備をしていたんだよな…。
ルイのクラスは…。
「あら…リネア?!」
「ミーシャ!久しぶりだね!」
「久しぶり!!なんでここに?!」
ミーシャが僕にハグをしてくれる。
「ちょっと用事で…。元気だった?」
「ええ。いきなりいなくなるんだもの。悲しかったわ。」
「私も…。ごめんね、挨拶もできなくて。」
「いいのよ。…綺麗になったわね、リネア。」
「そう?」
「ええ、もう少年には見えないわ。ルイにエンゲル王国で会ったんですって?」
「そうなんだ、それでちょっと話がしたくて…。」
「確か今技術室にいるはずよ?」
「分かった。じゃあ後でランチでも一緒にどう?」
「いいわね、じゃあカフェテリアで会いましょ。」
僕は工作室へ行くとルイが作業していた。見覚えのある人も数人いる。
「やあ、リネア。こっちに来たんだ?」
「うん、今いい?」
「うん、じゃあ休憩にしよう。」
僕とルイはミーシャと待ち合わせのカフェテリアでコーヒーを注文した。僕はアップルパイもつけた。
「久しぶりのアップルパイ…おいしいっ。」
「エンゲル王国ではリネアとあまり話せなかったからね。…元気だった?」
「うん。ルイは?」
「元気だよ。先日はありがとう。…君のお陰で彼女に会えた。」
「…よかった。あれから連絡はとってるの?」
「いや…。あれが最後だ。」
ルイが少し寂しそうな顔をした。
「…そうなんだ。」
なんて言ったらいいか分からない。あれから僕もシャーロット様とゆっくり話せてなかったしな。
「君は?フリッツとはどうなったの?」
「…いろいろあったけど一応続いてるよ。」
「よかった…。」
「…そういえば、もう違法取引も終わるからね。」
「そうなんだ?何でリネアが知ってるの?」
「うん…。詳しくは言えないけどロマノ大統領と約束したから。」
「…何かいろいろあったみたいだね。ヴィルフリートは?」
「元気だよ。…アリーナと婚約するんだ。」
「えっ!?そうなの?!…急展開だね。」
「うん、いろいろありすぎて自分でもよく分からないよ。」
「君はこれからも色々ありそうだね。フリッツも大変だ。」
「ルイは?これからどうするの?」
「僕はあと半期こちらにいて、その後はまたどこか行ってみようと思う。」
「いいね、自由で。」
「僕は今のところ誰にも期待されてないから気楽なんだよ。リネアは?」
「…私はわからないなぁ。エンゲル王国にいるのか、メルア大陸に行く可能性もでてきたし。」
「メルア大陸に?!」
「うん。仕事がそちらでありそうなんだ。多分長期的な話になるんじゃないかなぁ。」
「君は…。すごいね。いいな、楽しそう。僕も一緒に行こうかな?君たちのやっているビジネスにも興味があるし。」
「また詳細が決まったら連絡するよ。あ、なんならロマノ大統領に会っておく?一緒に何かやるなら話は聞いてくれるかもよ?」
「ロマノ大統領に?!そんな気軽に会える人じゃないよね?しかも結構ヤバい人だよね?」
「丁度こっちに一緒に来てて…。ヤバいと言えば色んな意味でヤバいけどさ…。まあ、そこまで悪い人じゃないよ。多分。」
「君は…。どうなってるんだ?」
「夕方フリッツの家に行くから一緒に行く?少しなら話ができるかもしれないよ?」
「じゃあ、そうさせて貰おうかな。リスラ共和国の大統領なんてなかなか会える機会ないしね。」
「じゃあ、後で行こうか。これからミーシャとランチだけど一緒にどう?」
「いいね、久しぶりだ!」




