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僕が妹に転生したら皇太子の婚約者にされました  作者: とらまる
エンゲル王国編
190/350

個人面談

フリッツが戻ってきた。…どうなったんだろう?

僕はみんなにお土産を渡した後、セルとイーチェンがとっていてくれたノートを確認していた。


「イーチェン、ロマノ大統領が君を呼んでいる。上のリネアの部屋へ来るように、との事だ。」

「俺に…?」

「個人面談だ。」



「…で?どうなった?父とのチェスは?」


「ゲームに負けたが勝負には勝った。リネア、外泊許可がでたから行くぞ。」

「また?!この前来たばっかりだよね?もう用件が済んだなら帰ってよ。」

セル…相変わらずフリッツに厳しい。


「残念だったな。新しい用件が追加されたんだ。さあ、行くぞ。」


「…リネア…。」

セルゲイが僕をじっと見る。子犬みたいな目をしてる。行きにくい…。


「フリッツ、今日は私はこっちに泊まるよ。フリッツもそうして欲しいな。」

「お前の部屋に?」

「うん。」

「いや、ちょっと…それはどうなんだ?」


「掃除もしてあるよ?汚くないよ?」

「そうじゃなくて…。声とか音とか…。その…いろいろあるだろう?」

「何が?」


「リネア…。外泊は嫌だけど、ここにこいつが泊まる方がもっと嫌だ。行ってきて…。」

「セル…?」

何故かセルから許可がでた。




◇◇◇


「俺に話って何ですか?」

「やあ、わざわざ呼び出してすまなかったね。あ、君はチェスはできる?」

「はぁ…。」


何故か俺はミハイルの父親とチェスをやる事になった。

一体なんなんだ?


「君はリネアのレースに参加すると言ったけど…。」

「はい。」

「実際の所どうなんだい?」

「どう、とは?」


「リネアの事、異性として興味はあるの?さっきの言い方だとビジネスパートナーになりたいっていうようにしか聞こえなかったけど。」

「…」

面談というより取り調べに近い。


「好きですよ、普通に。」

「友人以上に?」

「ええ。」


「…君からはあまりそういう感じがしないけど。」

「今の状態で俺に何ができると思います?」

「というと?」

「リネアには好きな男がいる。それから、常に彼女の横に保護者と弟みたいのがついている。俺が会えるのはスクールと店、それから夕食くらいなんです。他のメンバーに比べて圧倒的に不利だ。」

「確かに。」


「俺は彼女を気に入っているけど彼女には友人くらいにしか思われていない。しかも俺は今後の事を考えたらミハイルやセルゲイと上手くやっていく事も必要だ。…俺が真剣にレースに勝つつもりなら俺もチャンスをもらわなきゃ難しい。」

「じゃあどんなチャンスが欲しい?」

「メルア連邦国で店をフランチャイズ展開させる時は俺をリネアに同行させて欲しい。」

「…いいよ。確かに君にも平等に機会を与えないとね。」


「それから、シアナで何か共同で始めたいとも考えています。その際は少し長期にお借りできればと。」

「わかった。それはまた決まり次第相談してもらえるかな?彼女はスモーランド、フレーデル王国のプロジェクトにも関わる事になったからかなり多忙なんだ。」

「分かりました。」


「じゃあ次セルゲイを呼んできてくれる?あ、チェスの勝負は…。」

「完全に俺の負けですね。次までに練習しておきます。」

「うん、じゃあ。…あ、イーチェン。」

「はい。」


「君はお父さんの後を継ぐつもり?」

「ええ。」

「…そう。じゃ、またね。」




◇◇◇


「…来ました。」

何故私まで呼ばれたんだろう?私は父上が苦手だ。


「うん、じゃあ君ともチェスをしよう。できるよね?」

「…少しは。」


「フリードリヒはさ、途中まで結構優勢だったんだ。だけど、終盤の進め方が悪くて僕に負けたんだよ。油断したのかな?」

「…。」

「イーチェンはね、多分あまりやったことがなかったんだろうね。あっさり負けた。…だけどね、僕は彼のゲームの進め方が読めなかったんだ。まるで彼自信のように。彼は何を考えているかまったく分からない。…君はイーチェンをどう思う?」


「私にとっては普通に話せる数少ない人です。真面目に働いていていますし、気遣いもできる。ただ…本音はよく分からない。」

「だよね?!君もそう思うよね?!」


「あの…話はそれだけですか?」

「君さ、最近僕がやめさせたバレエを再開させたよね?」

「…。」

父上に気づかれていた。冷や汗がでる。思わず顔をそらしてしまった。


「あ、責めているんじゃないんだ。たださ、確認しておきたかったんだ。君は僕の跡をついだり事業を継ぐつもりがあるか、それともそちらの道に行きたいのか…。」


「父上の跡は兄上に継いで欲しいと思っています。事業についてはまだはっきり分かりませんが…。継がなかったらリネアと結婚する権利はないという事ですか?」

「うーん…もし、君がダンサーとして世界的に活躍するつもりなら、全力でやらないとなれないんじゃない?」

「それは…。」


「僕は君にも僕の築いてきたものを継いで欲しいと思っていた。でも、君がそれを望まないならもう強要はしない。君の弟たちを鍛えるまでだ。どうする?」

「…今すぐ答えなくてはいけませんか?」


「本気でプロを目指すなら今やらなかったらいつやるんだ?仕事をしながら趣味程度にやるならそれもいいけど。」

「…。」

「本気でやるなら今月中に決めて。帰国の用意もあるし。」

「…帰国しなきゃいけないんですか?」


「そのくらいの気持ちがないならプロにはなれないよ、セルゲイ。」

「…はい。」

「君は賢いし見た目も悪くない。だけど何かをする動機がリネアといたいから、では駄目だ。他の参加者はもう将来を決めている。君も君自信で選択するんだ。」


「…リネアから離れたくない。」

「…君は母親にあまり構ってもらえなかったからそれを彼女で埋めようとしているのかな…。」

「…。」


「まぁ、よく考えて結論を出すんだ。あ、明日から数日リネアはまた出かけるから。」

「また…。」


「うん、彼女は引っ張りだこだからね。君も彼女といたかったら一緒にいれる手段を見つけるか、それとも諦めて別の道を選ぶかどちらかだね。」

「…。」


「どちらを選んでも僕は応援するから。」

「…父上…。」

父上が僕の頭をなでる。



「バレエで挫折した時に僕の事業に君のポジションがあるかは分からない。それは理解して決断してね。」

「…。はい。」



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