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ハクチュバム
あの日出会った彼女の楽しげな笑い声が聞こえる。耳元まで届くその音にに引き寄せられ、彼女を探し続ける。
視界が開けた。広大な緑の絨毯の上、澄んだ空の下に彼女は佇んでいた。
「君、名前はなんていうの?」
「お、俺の名前は───。」
答えようとする俺の声は届かず、視界は霞んでいく。俺は、また何も伝えることができないのか…?
「チュバ!?」
飛び込んできた光に思わずまぶたを下ろした。
目を覚ました俺は、口の乾きと眠気、そして高鳴る鼓動を感じていた。
心の中では分かっていた。彼女に対する自分の異変と、それに気付かないふりをする自分がいることを。
俺には、もうこの高揚感を無視することはできない。
空っぽのキャンパスに筆先が触れるこの瞬間を──。
隆二に連絡を入れ、急いで家を出る。
静まり返った家に散らばるカードは、日に当たり煌めいていた。




