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12/20

チ

 「お前もループしてるのか!?」


 俺の驚きに対し、隆二は何も気にせずにあっけらかんとしている。

 「お前もって…どういうことだ??」

 

 まさかこいつも先輩のことが好きなのか…?いや、そんなはずは…。

 「隆二、お前、先輩のこと…す、好きだったりするか?」

 「は、はあ?急に何言ってんだよ。一体何の話を──。」

 「大切なことなんだ!お前、今日を繰り返してるんだろ?先輩への好意がトリガー…っていうか足枷になってて…。」

 「なるほど、先輩がパラレルワールドを移動する時に、先輩に対する好意が邪魔をする。そして俺はこの世界に閉じ込められている、ということだね。」

 「そうそう、その通り──は?」


 な、なんでこいつ全部知ってるんだ!?

 「なんで知ってるのかって顔だな。じゃ、教えてあげよう。」

 隆二の顔が風船のように膨らむ。


 パンッ!!!


 紙吹雪と共に隆二の顔は弾け飛んだ。

 目の前にいたのは隆二、ではなく先輩だった。


 「驚いた?この世界ではこんなこともできるんだよ。」

 目を細めて笑う先輩。やっぱり可愛い。

 「せ、先輩!どこ行ってたんですか~。探したんですよ。」

 「いやあ、ごめんね。じゃあ死んでね~。」


 手際よく銃を構える先輩。見慣れた光景だ。

 しかし、今日はいつもとは違った。先輩の後ろ、少し遠くに黒い何かが見える。

 

 人…なのか?

 人影に見えたそれは、こちらに近づいても色を変えることがない。真っ黒な人の形をした物体だ。

 人じゃない。なんだこいつは。

 俺は、先輩の肩越しで、それから目を離せないでいた。


 赤い。

 真っ赤な鮮血が、あたりに飛び散る。

 貫かれた先輩の体は力なく倒れた。

 

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