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流れ星へ幸せを  作者: 本宮 律
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副編5

「おはよ、待たせてごめん」


シュリちゃんとダイチの家の最寄り駅。

1駅弱だし、とチャリで向かえばすでにその姿はあった。


改札の外で、リュックを背負った背中。

後ろから声をかければ、彼女は驚いたように振り向く。


「えっ!電車で来ると思ってた…」


学校じゃないんだから。

それに俺ら中学から一緒だし、家はわりと近いんだ。


そう説明すれば、シュリちゃんはそっか、と頷いた。


…ダイチ、俺らの話全然してないんか。

薄情なやつめ。


とりあえず自転車を適当に停め、近くにあったカフェに入る。


放課後、ダイチたちとよく利用する場所。

シュリちゃんと二人で来ることになるなんて…。

誰が予想しただろうか。


「アイスティーと、」


「あっ、アイスココアで……」


「承知しました、ありがとうございます」


店内は空いていて、涼しい。

少し汗をかいていた俺には丁度いい温度だ。


「先、好きなところ座ってて」


そう促せば、シュリちゃんはこくっと首を縦に振って店の奥へ消えていった。


……さて、と。


約束したはいいものの、正直整理しきれていない部分もある。

話したいこと、俺とシュリちゃんのは、おそらくそれぞれ違う。

でも、きっも共感できる部分もある。

昨日の話を聞いて、そう思っていた。


俺はプラネタリウムを見に行った日から、

両親の顔が見られない。

友人とうまく話せない。

記憶が戻った、その時から。

…だけどこんな話、誰にも相談できない。

言ったところで、だれが信じるだろうだろうか。


そう、半ば諦めていたけど。


「アイスティーは、レモンかミルクどちらか付けますか?」


「ミルクで」


…シュリちゃんは、全部信じてくれるだろう。


支払いを済ませて2人分の飲み物を受け取り、席に座った。


「ありがとう」


やけに重そうなリュックを下ろして奥側に座るシュリちゃんは、窓側の席を選んだようだ。

一階のガラス張りの席は、さっきの駅がよく見えた。


にしても、なんか大きい荷物だな…。

そんなに要るもんあったか…?


「どういたしまして〜。ね、この後どっか行くの?」


話のタネにと、本題に入る前に聞いてみる。

それ、とリュックを指させば、シュリちゃんは困ったように笑った。


否定しないからYES、ってことなんだろう。

ただ、言いたくなさそうでは無いが、それ以上の答えが返ってくることは無い。

まあ、無理に聞くことでもないか。


俺はアイスティーにミルクとガムシロを入れて、かき混ぜる。

すぐに透明度はなくなり、茶色い液体へと変化した。

カラカラ、と氷の音が響く。


「……あのね、これから話すことは、信じてくれなくてもいいから」


そう前置いたシュリちゃんは、アイスココアのストローに口をつける。


……あぁ、やっぱり。


「うん」


”信じなくていい”

俺も同じことを思っていたから。

話したいことは、だいたい一緒だろう。


「わたし、過去から来たの。多分、50年くらい前から」






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