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ファンタジークエスト  作者: 里山
三章 はじまりは唐突に

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くえすと37 いつも道理の戦闘


 そして一時間経ち俺達は対戦場所の模擬戦場にやってきたんだけど……なんだこれ?


「さぁさぁ一口一万マニー今のところバラン率いるギルド〈紅蓮団〉が優勢だっ! さぁはったはった! 締め切りまで後一〇分だぞっ!」

「よし俺は紅蓮団に一〇口だ」

「俺はシオンちゃんと仲間たちに五口」

「私もシオンちゃんに一〇口」

「俺は紅蓮団に一〇〇口だっ!」

 

「おー盛り上がってるね―」

 何やら呆然とリリィが呟くきそれに続いて。

「ほとんど見世物ね」

 ラピスがそんな感想を述べ。

「ほとんど、というか見世物ですね」

 イノリがやんわりとツッコミ。

「……やっぱり凍らせるより絡めたほうがいいのかな? でもそれだと口は動かせるし……」

 未だにブツブツ言っているシオンは全く気にも止めず。

「がうがう」

 人がいっぱい騒いでるので何やら楽しそうと思ったのかクリスは尻尾を振ってキョロキョロしている。

 そんな光景を一人ボケーと見守っていると後ろから声をかけられた。

「おう、お前のお陰で大儲けできそうだぜ」

 その声に振り向きながら俺は答える。

「そう思うんなら後でなんかくれよライデン」

 ゆっくりと振り向いた俺の目の前にはゆったりとしたローブを纏った魔術師の男が居た。こいつの名前はライデン。ライデン……なんだっけ? まあ別にいいか。ゴウやリサ達同様昔のギルドの仲間で今はこの防衛戦の指揮官をやってるはずなんだが。

「お前こんなとこにいていいのか?」

「ふ、俺が主催者だからなっ!」

「なあ、切っていいか?」

 そう言いつつ鞘から刀を抜きかけると。

「いやまてこれには深い訳がだな」

 とわたわたと弁解し始める、要約すると“娯楽がなくて皆が暇だったんでちょっと派手にしてみた”と言う事……。


「やっぱり切っていいか?」

「わかったわかった、儲けの一割でどうだ!」

「別に金には困ってないけどないよりはマシだしそれでいいか」

「まあお前ならそうだろうけどまあそれでも10M位はもらえると思うぜ」

「へ、そんなに儲かりそうなのか?」

「あぁお前の事知ってる奴はお前たちにかけてるみたいだけどそんな奴らはテスターだけだしここに居るほとんどはあいつらに賭けてるさ」

「ふ~ん、あいつらってそんなに強いの?」

「まあ強いっちゃ強いかな。対人戦は解らないがこうなる前にやってた攻城戦とかイベントやなんかだとかなり目立ってたからな」

「へ~そうなんだ。んじゃちょっとまじめにやんないと不味いかな」

 と言う俺の声にライデンは苦笑というかなんというかわかりづらい笑みをこぼした後。

「いやお前が本気に成るほどじゃないと思うけどな、少なくても相手の腕は二本しか無いんだしβの時のアイツに比べれば雑魚だよ」

「いや対人は何が在るか解んないぜ? なにせアイツら相手なら俺も偶に本気になるからな」

 と通称シオンちゃんと仲間たちの面々を視線で指すと。

「……おい。どんな娘達なんだよ」

「世の中には才能を持った努力家が居るって事だ、っとそろそろ時間みたいだな。んじゃ行ってくる」

 そういながら手をひらひらと振りつつ会場に向かう俺の耳に。

「……時間指定の賭けもやっておくべきだったか」

 と言うつぶやきが聞こえた気もしないでもない。






 何やら凄い盛り上がりになっている模擬戦場の周りを眺めつつその戦場の片隅で開始の合図を待つ私は前に立つシオンの背中を弓を片手に眺めながら先ほどの簡単な作戦会議を思い出していた。



「なんか作戦会議の時間が在るらしいからそれっぽい感じで話しするか。取り敢えず模擬戦場の広さは500メートの正方形で地形は見ての通りの平原だ、それでなんか作戦は在るか?」

 最初からやる気の無さそうなアックスがそんな事を言うと。

「では私が全員串刺しにするのはどうでしょうか?」

「ちょっとまってよイノリ、私が売ったケンカなんだから私が全員消し炭にするわ」

「何を言ってるのかしら二人共私が全員撲殺するに決まってるでしょう?」

 と三者三様の素敵な意見を言い合い始める。これでは埒が明かない、なのでここは大人な私、リリィさんが素晴らしい意見を出してしんぜよう。

「まあまあ三人ともここは一つ私が全員射殺するということで」

「駄目だこいつら……」

 おう、何やらアックスが頭を抱え始めたぞ? デバフでも食らったか?

「まあいつも道理適当でいいだろ相手の構成もガチガチの鉄板構成だし」

 と相手を親指でクイッと指しつつ言うアックス。確かに相手の構成は前衛二人魔術師一人中衛一人プリースト二人の鉄板とも言える構成だった。何故プリーストが二人いるかというとこのゲームの特性上回復役が一人だと色々と間に合わないことが多いためだ。ぶっちゃけ回復呪文の詠唱が長すぎるとも言う。その点ラピスはシオンには及ばないもののかなりの速度で詠唱が出来る。何でもその昔に滑舌良くしゃべる事も作法として重要だとか言っておじいさんに色々やらされていたらしい……だけどその練習方法がアニメのセリフばっかりだったのはなぜかしら? とラピスは言っていた……なんでだろうねー。

 

 そんなアックスの言葉に四者四様適当に返事をして持ち場に付いてのんびりと開始の合図を待っていたわけだけどその間周りからは。

「シオンちゃん金髪に合うなぁ」

「あの弓の子かわいくね? ってかホントにプレイヤーなの?」

「巫女さんも綺麗だなぁ」

「あのおっきな狼ってペットモンスターなの? あんなおっきいヤツ居たっけ?」

 と言う好意的なものから。

「アックスなんて滅べばいいのに!」

「また女の子ばっかりだよ! なんだよコイツばっかり!」

「俺も仲間に入れてくれええええええ」

 と言う主にアックスに向けられた怨嗟の声もチラホラとあったりした。

 そんな周囲の声をBGMにボケーと相手を観察してみる。まず前衛、アックスと同じ刀装備のさっきのムカつく人、その横に立つ、えっとカタールとか言う腕にはめる感じの武器の男とその後ろに魔術師の男、それを守るように盾装備の槍使い、フルプレートなのでよく解らないけど多分男、その後ろに男のプリーストが二人、どちらもなんかジャラジャラと装飾の派手な杖を持っている。なんだっけ? たしかINTに補正がつくんだっけかなあの杖。その昔にラピスに「なんでラピスは綺麗な杖持たないの?」って聞いたら「アレはDEXに振らないと詠唱できない人が仕方なくそれを補うために使ってるのよ。それにあんなのじゃ殴れないし攻撃力も弱いのよ」との事だった……ふむ。


 そこまで観察した後にコッチの布陣を見てみる。こちらはいつもの通りに前衛はアックスとイノリさん、その後ろにシオンとクリス、その後ろに私とラピスと言う大体いつもモンスターを狩る時と一緒の布陣になっている。

「そう言えばこのメンバーで対人戦やるのって初めてか~」

 ふと思ったことを呟くように言う私に、私の直ぐ右後ろで待機するラピスが返事を返す。

「そうね。初戦敗退なんて嫌よ私は。それにシオンのためにも勝たないとね」

「うん」

 そうあの太宰府で行った模擬戦からシオンは少し自信をなくしていた。だからなんとしてもこの戦いは勝つ。だから出し惜しみは無し最初から全力全開で行く。

「ふふ、久しぶねあなたのそんな表情」

「ん?」

 どんな表情? と顔を向けるも。

「ほら始まるわよ」

 と返され正面を向き獲物に集中する。その数瞬後。



 パーンっ!

 そんな開始の合図が高らかに鳴り響いた瞬間私は矢を番えラピスは一息にイノリさんにバフを掛け、速度ブーストの掛かったイノリさんは猛然とダッシュを始めシオンは詠唱に入りアックスは突っ込んできたムカツク奴の刀を刀で受け止めた所で。

「〈ダブルシューット!〉」

 私の放った矢が敵の最後尾のプリーストの一人の頭を吹き飛ばし、パーンと粒子状に掻き消える。ふむ、頭に当たると即死と。次ぎ行ってみよー。そう思いもう一人のプリーストに狙いを定めていると。私の右と言うか射撃の体制の正面あたりに向かって。

「がうっ!」

 と何もない空間に吠えながら突っ込んでいくクリス。そして。

「〈アサルトスマッシュっ!〉」

 そんな絶叫を轟かせながら何もない空間からカタール装備の敵が現れ切りかかってくる。そういえばいつの間にか消えてたな。

「おわっ!」

 ガキン! ドバンッ! とそれをギリギリのところで弓で受けるがスキルの威力で吹き飛ばされる。おおう逆からだったら受けきれなかったよ、とゴロゴロ転がりながら思う私の目の前で何故か驚愕する男。

「え? ちょっと待てなんで今の技が普通に受けれるんだよっ!」

 などと追撃にもこずにそんな事を叫んでいるから。

「それはねあなたが臭うからよっ!」

 そう言いつつダッシュした勢いそのままに愛用のトゲ付き杖を振りぬくラピス。

「なっ!」

 ガキンッ! そのラピスの渾身の一撃をカタールで受けつつバックステップして距離を取ろうとした敵だったが。ちょうどシオンの魔法が完成したらしく。

「〈ヴァイパー・バインドッ!〉」

 敵陣を向いたまま、つまりアサシンには背中を向けたまま地面に手を着きそう叫ぶシオンの周りに一瞬茶色の魔法陣が光りちょうどアサシンが着地したその周辺からゴワッ! と数匹の巨大なガラガラヘビの茶色いライトエフェクトが湧き上がりそのままアサシンを絡めとり噛み付いていく。このヴァイパー・バインドは範囲指定スキルではなく一番近い敵に向かって追尾する特性があるらしく姿を隠している敵にも有効なので多分シオン的には姿を見せる前に発動させたかったのかなぁ、と思ってシオンをみてみると何やらヴァイパーに絡まれてるアサシンを見て小首を傾げていた……どうやら普通にアックスと戦っているムカツク奴に掛けたかったらしく。

「もうっ! 何よコイツ! 邪魔よさっさと始末しなさい!」

 と私達に怒りをぶちまけムカツク奴に向き直る。

「おかしいな怒られたぞ?」

 そう小首をひねっていると。

「そうね、この鬱憤は取り敢えず私はこの人で晴らすから貴方はもう一人のプリーストで晴らしなさい」

「おー」

 そんな素晴らしい提案をするラピス。それに返事を返しながら消え去った仲間を蘇らせようとしているもう一人のプリーストに。

〈スナイプシューット〉

 思考発動で狙い撃つ、何故スナイプシュートなのかというと今現在再優先なのは蘇生を一旦妨害することなので確実に当てるためなのですよ。

 一〇〇メートルちょっと離れたところでパスンと胸に矢を受け地面に膝をつき悶え始めたプリーストにとどめとばかりに。

「〈ダブルシューット!〉」

 ズバゴンッ! と着弾と同時に土煙と一緒に光の粒子が舞う。

「おっしゃ二人目!」

 と視線をラピスに戻すと。

「貴方意外と硬いわね」

「っちょ! やめごふっいたいげふ! それいたいがへっ!」

 意外とアサシンが強いらしくラピスは一生懸命にぽくぽくと殴り続けていた。何故スキルを使わないかというとバインドが解けてしまうためだ。ちなみにこのヴァイパー・バインドは毒の効果もつくので色々便利らしい。

「おーいラピス―私がやるから避けてー」

「あら、じゃあお願いねさすがにもう疲れたわ」

 そう言ってラピスが横に避けたので。

「〈ダブルシュート〉」

 ババンッ! とアサシンの脳天を貫き光の粒子に変える。

「さて後は三人かな」

 と私がアサシンを葬って視線を前線に向けた瞬間ズガガガガガガ! と凄まじい音と共に閃光が走る。

「おおうなんぞ?」

「どうやら終わりそうよ」

「がうがう」

 なんぞ? と思って音のした方を見るとシオンを取り囲む真紅の綺麗なライトエフェクトとを伴って空高くに生まれる炎の槍が見えた。

 ほむ、どうやら私の出番は終わりのようだった……お腹すいた。




 

 開始直後にラピスさんの支援ブーストを受けた私は敵前衛を無視する形で敵陣の中心まで駆け抜け一気に魔術師に迫る。がそれに気づいた護衛の槍使いが最小の動きで防御に入る。ですが私はお構いなしにスキルを発動させる。

〈ペネレイト〉

「せやあああああっ!」

 ゴウさんの時と同様思考発声でスキルの種類を隠しつっこむ。

「あまいっ!」

 ガキィィィンッ! とそれを盾で防ぐ敵さんですが盾スキルが低いのか若干のノックバックと私よりも長い硬直が発生し動きが止まったそこを狙って横をすり抜け魔術師が私の視界に入ったところでその杖がこちらを指す。

「〈サンダーッ!!〉」

 叫ぶように放たれたその攻撃が杖で指された時点でサイドステップしていた私の傍らをかすめる。着地した私はそのまま魔術師に肉薄しようとしますが。

「やらせんっ!〈ピアッシングッ!〉」

 槍使いの突きスキルが間に割って入りそれを許してくれません……なかなかやります。

 ガシャンと盾を構え直し私と魔術師の間に陣取る槍使いの後ろから魔術師の詠唱がかすかに聞こえてきます……コレはバインド系。急がないとまずそうですね。





 ガキィィン! と打ち込まれた相手の刀を自分の刀で受け止めさてどうしたものかと考える。確かにコイツ、えっとバランだっけ? は太刀筋はアレだけど持ってる刀はかなりのレア物に見えなくもない。まあ俺の刀もレアっちゃレアなんだけどプレイヤーメイドなのでパッと見ではどういうものなのかわかりづらいので。

「ほう、よく受けたな俺の正宗を受け止められる武器なんてそうはないぜ!」

 と言った感じの良く解らない自慢を聞くハメになる。

 このゲームでは圧倒的に武器レベルが違うと一撃で武器破壊扱いになる場合がある。でもまあ政宗ってことは“レアといえばレアだねぇ”と言ったところだ。カードゲームで言うところのSレアって感じかな……でも上に2ランクほどまだあってしまったりする感じだ。何故そんなことに成ってるかというと他の剣とか槍とかと比べ刀は余り伝説とかに登場しない、出たとして戦国武将の武勇伝とかよく解らないお話の妖刀クラスだ。なのでプレイヤーが超レア材料を使って制作したプレイヤーメイドの刀のほうがレアリティが上になってしまうのだ……たぶん。なのでパッと見そんな風に見えなくても素敵に強い物が在ったりする。しかも名前は製作者が決めれるので更に酷いことに成る。え? 俺の刀の名前? 思い出したくないのでまた今度。

「う~ん、そんなにのんびり喋ってていいのか? プリースト一人死んだよ?」

 バランの肩越しに遥か先で光の粒子になって消えていくプリーストが見えたのでそう教えてあげた。

「は?」

 一瞬何こいつ言ってるんだと言う表情をした後視界の端のPTリストを見たのか。

「まてっ! お前ら何しやがった!」

 ガキンッ! 何故だか責められた。

「何って……うーん普通に攻撃したんじゃないの?」

「ふ、ざ、け、る、なっ!」

 キィン、キィン、キィン、キィン、ガキンッ! と刀を打合せながらのんびり会話をしていると後ろから。

「〈ヴァイパー・バインドッ!〉」

 と言う声が聞こえたがバランには特に変化がない……あれ? と思っていると。

「なっ! アイツまで」

 んー見えないんで良く解んないけど多分俺の後ろで何かあってるんだろうなぁ、チャットで聞いてもいいんだけどシオンとかの詠唱の邪魔になるからよっぽどでないと使いたくないんだよなぁ。怒られるから。

「くそうっ! こうなったら出し惜しみはしてらんねぇ! 本気で行くぞ!」

 そう言って一度バックステップで間合いを取り何やらメニューを操作して装備を変更……って。

「くっくっくどうだ俺の二刀流は!」





 槍使いの後ろから聞こえてきていた詠唱が止んだタイミングで私は数歩の助走から全力で前方宙返りの要領でジャンプし槍使いを飛び越えようとします。

「馬鹿めっ!」

「〈マーシュ・バインドっ!〉」

 空中を飛翔する私に向かって槍使いはそんな嘲りの声を上げ、魔術師は着地地点に地面を沼化して足を絡めとるスキルを放つが私はその沼の遙か上空でスキルを発動する。

「〈フラッシング・ペネレイトっ!〉」

 ゴッ! っと宙をけるように加速した私の薙刀が正面から魔術師をそしてその後ろでまだ振り向く途中だった槍使いをまとめて斜めに串刺しにし地面に縫い止め次の瞬間魔術師はライトエフェクトとなって消える。

「くそっ!」

 悪態をつきながらがむしゃらに振るわれた槍が私を捉え吹き飛ばされましたが硬直で動けなかったので逆にありがたいです。

 私を吹き飛ばしたことで薙刀が抜け自由になったので突進してくる槍使いを私は無視して更に敵陣の奥に向かってダッシュする。

「まてっ! 逃げるのか」

「別に逃げてるわけではありません、ただちょっとあちらを先にと思いまして」

 と私の先には消え去った片割れのプリーストを蘇生させようとしているプリーストが見える。ギリギリですね。そう判断した直後後方の槍使いがスキルを発動させた声が聞こえた。

「させるかっ!〈フラッシング・ペネレイト〉」

 その声が聞こえた瞬間後ろも確認せずにサイドステップで回避行動に入った私の傍らを鉄の塊のような巨体がかすめ飛んでいきますが……何故いま発声発動したのでしょう? 思考発声ならよけれなかったのに……と不思議に思いつつ、ズシャアアアアアと着地して硬直している槍使いに向かってクールタイムの終わったスキルを私も放つ。

「〈フラッシング・ペネレイトッ!!〉」

 先ほどの若干斜めとは違い背中からなので完全にバックスタブ扱いと成った私の一撃が槍使いさんの心臓クリティカルポイントに深々と突き刺さり一瞬のラグの後、パーンと光の粒子になってあたりに漂いその先では。

「グヒャッ!」

 と叫びながら胸の真ん中に矢を生やしてうずくまるプリースト、その数秒後。

 ズバゴンッ! と言う着弾音とともに土煙を上げながら光の粒子となって消えていくプリースト。

「相変わらずですねリリィさんの腕は」

 そう言いながらリリィさんの居る方を振り返るが二〇〇メートルくらいあるので豆粒ほどにしか見えません。

「最後はシオンさん決めてくださいね」







「ふむ、じゃあ俺も」

 そう言って二刀を構えるバランを眺めながら指先でコマンド用のモーションをシステムに伝えると腰にもう一本の刀が現れる。それを見たバランは。

「ちょっとまて今何やった! メニュー操作してないだろ」

 え、そこなの? おかしいなこれってそんなに知られてないんだっけ?

「えっと今のは、ほらマクロって在るじゃんアレと一緒である一定のモーションで任意の操作を簡略化させてるんだよ」

 そう親切に教えてやると。

「そ、そんなこと出来るのか……」

 テスターの奴らならだいたい誰でも出来るんだけどな、いろんな武器使ってみたくて皆登録してたから。

「んで来ないの?」

 そう言いながら後方からかすかに聞こえるシオンの詠唱のタイミングを測りバランとの間合いを調節し。

「え、あ、お、おう、行くぜっ!〈ツイン・スラッシュッ!〉」

 バランの放ったスキル――要は二刀をクロスさせて斬りかかる技――に合わせて俺もスキルを発動させる。

「〈ライジング・スラッシュッ!〉」

 こちらも名前はカッコイイがただの切り上げスキルを発動させる。だがあいにく二刀ではなく一刀スキルだ。だけどスキルレベルとその他のステータス補正でほぼ互角の威力のそれは。

 ガァァァン! と言う明らかに刀のぶつかった音ではない何かを響かせお互いを弾き硬直させる。そこにシオンの声が響く。

「〈サンダー・レインッ!〉」

 スガガガガガガガガガと先日俺が食らったのよりも威力も量も増した雷の雨がバランに襲いかかり。

「ぎゃあああああああああああああああっ!」

 という素敵な絶叫とともにポテンと地面に倒れ伏しスタン状態になる。おー凄いな生きてるぞ……でも今ので死んでたほうが良かったかもな。と後ろから聞こえるさらなる詠唱の声を聞きながら思う今日このごろだった。




 

 よっしゃ! ほらやっぱり私って強いじゃない、さっきのバインドが狙いとは違う奴に当たっちゃったのは改善の余地ありだけど……と追撃の魔法を詠唱しつつ。コレまでの特訓での事が走馬灯のように思い出される。なんで走馬灯なの? と一人ツッコミが終わる頃呪文が完成し私はそれを解き放つ。

「〈フレア・ランサー!〉」

 空高くに炎の槍が出現し地面に横たわるえーと何てったっけ? まあいいわムカツク奴に向かって飛来する。この呪文最初は槍は一つだけど落下する高度が高くなればなるほど落下途中に槍が増えその分威力も増すと言うなんともよく解らない魔法なの。でも詠唱の長さと威力を考えるといい魔法なのよね。ただ難点は場所指定だから動かない的にしか使えないけど。

 最終的に十五本に増えた槍が何とかって奴にに降り注ぎスタン中だった為断末魔もなく光と化して消えていく。その光景を眺めて私は“私はそんなに弱くない”と言う確信と“と言うか周りが強すぎるのよ”と言う事実を改めて認識した。


「おう、おつかれ」

「別に疲れてないわよ、それよりさっきの何よ、何かこうパパっと装備してたじゃない」

「ん、あれ? お前も知らないのか、アレはマクロの一種でモーション登録したら誰でもできるぞ」

「へ~今度ちゃんと教えてよね」

 と言う私の声に何故か微笑みながら。

「おう、手取り足取り教えてやるよ」

「気持ち悪いわね」

「へいへいそれはスミマセン」

「まあそれは良いとしてなんか凄いことに成ってるわね」

 会場を取り囲んでいた人々が何やら凄い盛り上がりと言うかなんというか。

「なんなのコレ?」

「あー多分賭けが酷いことに成ってるんじゃないかな」

「ふ~ん、まあいいわ別に私のせいじゃないし」

 そう言う私に何故か“え~お前のせいだろ”と言う顔を向けてくるアックス。

「なんでそんな顔するのよ、賭け事なんてしてた人が悪いんじゃない」

「まあそうだけどさ」

「なんかすごいねー」

「自業自得よ」

「凄い騒ぎになってますね」

 そこに残りの三人も合流して来て話し始めた所に。

「いやいや素晴らしい戦いだったよみんなっ!」

 何やら素晴らしい笑顔でローブを纏った男が走ってきた。確かさっきアックスと話していた男だ。

「まあ、もうちょっとかかるかと思ってたけどな」

 アックスがそんな答えを返すとその男は視線で周りを指しながら。

「俺もそう思ってたけどこの位のほうが彼奴等にも良い薬になるだろ。あいつら最近揉め事ばっかり起こしてたからな」

「そうなのか?」

「あぁ、小さな喧嘩とかだけどな」

「そっか」

「ところでアックス」

「なんだ?」

「そろそろお嬢さん方を紹介して欲しいのだけど」

「あ~そだな、えっとそっちの金のがシオンで銀のがリリィで黒いのが妹のイノリで残る一人がラピスだ」

「ちょっとなんで私だけ残り物なのよ」

「だって瑠璃色のラピスってルリルリって言ってるようなもんだけどいいのお前?」

「……残り一人でいいわよ」

 アックスの紹介の仕方に不承不承納得するラピスを横に会話を進めているアックス達。

「それで物は相談なんだけどシオンに歌ってもらったり出来ないかな?」

 と思ったら話の矛先がどうやら私に向いたようだった。



サクッと終わる戦闘シーン……まあMMORPGの戦闘なんてボス以外は瞬殺ですねー

いくらVRとわいえ基本はそんな感じでこれからも書いていくことになりそうです

訳:めんどい


そしてこの先でガッツリ詰まって下書きすら書けてない……さてどうしよう


詰まってる先はちょこっと出来てるんだけど…


あ、作中でギルド名やら何やらの名前が普通に漢字やひらがなの2バイト文字で表記されてますが基本プレイヤーが付けれる名前は全部半角英数のみって事に成ってます。

読みにくかったり色々で表記は現在の形に成ってます。


そして感の良くない人でも分るとおりに無理やり分割してる今回ですが次回分が下書きすら出来てないというデンジャラスさ

さてさてどうなることやら


ボケーッとしてるだけの外伝とかがサクサク書けそうなんだけどホントにボケーとしてるだけだから酷いことになりそう


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