安心して眠れる夜
第22話は、“安心して休める家族の夜”をテーマに描きました。
今回は、
* 育児と寝不足
* 夜勤で疲れる悠斗
* 「無理をしない」夫婦の形
* 夜のおむつも含めた“安心優先”
を中心に描いています。
このシリーズではずっと、
「安心できる場所」
を大切にしてきました。
そして今、
その安心感は、
“家族みんなが無理をせず眠れること”
へ繋がっています。
穏やかな家族の夜を、楽しんでもらえたら嬉しいです。
初夏の夜。
窓の外では、少し暖かい風が揺れていた。
悠真はベビーベッドの中で、小さな寝息を立てている。
奈々はソファへ倒れ込むように座りながら、大きく息を吐いた。
「……つかれたぁ……。」
悠斗が苦笑いする。
「今日はかなり限界そう。」
「悠真くん元気すぎる……。」
奈々は半分閉じかけた目で笑った。
⸻
最近の悠真は、かなり活動的になってきていた。
夜中に起きることもある。
泣く日もある。
笑う日もある。
その全部が愛しかった。
でも当然、二人ともかなり寝不足だった。
⸻
悠斗はキッチンから飲み物を持ってきながら、小さく笑う。
「奈々ちゃん今日何回欠伸した?」
「覚えてない……。」
奈々は完全に眠そうだった。
悠斗も、交番勤務でかなり疲れている。
夜勤。
巡回。
書類仕事。
気を張る時間が多い。
だからこそ、家へ帰ると一気に力が抜けていた。
⸻
奈々は小さく悠真を見る。
「……安心して寝てる。」
悠斗も静かに頷いた。
「うん。」
その寝顔を見ていると、
不思議と疲れが少し軽くなる。
奈々は小さく笑う。
「……悠真くん、安心するとすぐ寝るね。」
悠斗が吹き出した。
「奈々ちゃんに似た。」
「またそれ。」
二人とも小さく笑う。
その空気はかなり穏やかだった。
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しばらくして。
奈々は眠そうに立ち上がる。
「……もう寝るぅ。」
「限界じゃん。」
「限界です。」
奈々はかなり素直だった。
⸻
寝室。
柔らかい照明。
静かな空気。
悠斗は引き出しを開けながら、小さく息を吐く。
そこには、夜用のおむつ。
奈々が小さく笑った。
「……もう完全に夜の安心セットだね。」
悠斗も苦笑いする。
「ちゃんと寝たいから。」
その声はかなり自然だった。
恥ずかしいというより、
“ちゃんと休むため”
という感覚。
⸻
奈々もベッドへ座りながら、小さく呟く。
「……なんか夫婦そろって安心優先だね。」
悠斗が吹き出す。
「今さら?」
奈々も笑った。
でも、その空気がかなり二人らしかった。
昔は、
“ちゃんとしなきゃ”
“迷惑かけないようにしなきゃ”
を優先していた。
でも今は違う。
無理をしない。
安心して眠れることを大切にする。
それが、この家の自然な形になっていた。
⸻
奈々は少し照れながら笑う。
「……わたしも最近、夜はかなり安心優先。」
出産してから、
奈々の身体はかなり変わった。
夜泣き。
授乳。
寝不足。
そして、安心すると一気に力が抜ける。
だから最近は、
奈々も夜用のおむつを使うことが増えていた。
無理して我慢するより、
ちゃんと休む。
悠真のためにも、
自分が倒れないことを優先する。
それが今の奈々には大切だった。
⸻
悠斗はそんな奈々を見ながら、優しく笑う。
「奈々ちゃん、最近ほんと頑張ってる。」
奈々は少し照れながら肩をすくめた。
「お母さんって大変。」
「うん。」
悠斗も静かに頷く。
交番勤務で疲れて帰ってきても、
奈々が夜中に何度も起きているのを知っていた。
だからこそ、
無理してほしくなかった。
⸻
布団へ入る。
暖かい毛布。
静かな寝室。
隣のベビーベッドからは、悠真の小さな寝息。
奈々は悠斗へ寄りかかりながら、小さく笑う。
「……なんか落ち着く。」
悠斗も静かに頷いた。
「うん。」
安心できる部屋。
安心できる家族。
そして、
“無理しなくていい夜”。
⸻
奈々は半分眠りながら、小さく呟く。
「……こういうの、昔は想像してなかった。」
「何が?」
「ちゃんと安心して寝られる家。」
悠斗は少しだけ目を細める。
昔の二人は、
不安にならないように頑張っていた。
でも今は違う。
安心できる。
帰れる場所がある。
そのことが、何より大きかった。
⸻
奈々は眠そうに笑った。
「……おやすみ。」
悠斗も小さく笑う。
「おやすみ。」
その時。
隣から、悠真の小さな寝息が聞こえる。
二人は顔を見合わせて、静かに笑った。
暖かい夜。
安心できる家。
三人の“帰り道”は、
今日も穏やかに続いていく。
第22話「安心して眠れる夜」を読んでいただき、ありがとうございました。
今回は、
“頑張りすぎない家族”
をテーマに描きました。
育児も、
仕事も、
毎日はかなり大変です。
だからこそ、
「ちゃんと休む」
「安心して眠る」
ことを大切にする二人を描いています。
また今回は、
夜のおむつも、
“恥ずかしいもの”
ではなく、
“安心して眠るための選択”
として描いています。
昔から、
安心すると力が抜ける二人。
その空気が今では、
家族全体を包むようになっているのかもしれません。




