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安心できる帰り道  作者: たい


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18/22

小さな帰り道

第18話は、“家族が三人になる瞬間”をテーマに描きました。


今回は、


* 男の子の誕生

* 初めての「お父さん」「お母さん」の空気

* 小さな命への安心感


を中心に描いています。


このシリーズではずっと、


「安心できる場所」


を大切にしてきました。


そして今、その場所は、

二人だけではなく、

“子どもが帰れる場所”

へ変わろうとしています。


新しく始まる家族の時間を、楽しんでもらえたら嬉しいです。

冬の朝。


病室には、柔らかな朝日が差し込んでいた。


奈々はベッドへ横になりながら、小さく息を吐く。


その腕の中には、小さな赤ちゃん。


悠斗は隣へ座りながら、まだ少し信じられない顔をしていた。


「……ほんとに生まれたんだね。」


奈々は小さく笑う。


「うん。」


その声は、かなり優しかった。



赤ちゃんは男の子だった。


小さな手。


小さな寝息。


まだ目もあまり開いていない。


でも、その存在だけで部屋の空気が変わる。


悠斗は恐る恐る赤ちゃんを見る。


「……ちっちゃい。」


奈々が吹き出した。


「昨日も言ってた。」


「だってほんとに小さい。」


悠斗はかなり真剣だった。


その様子がおかしくて、奈々は少し笑ってしまう。



奈々は赤ちゃんへそっと触れながら、小さく呟く。


「……男の子かぁ。」


まだ少し不思議だった。


自分がお母さんになったことも。


悠斗がお父さんになったことも。


でも、不思議と怖さは少ない。


隣には悠斗がいる。


その安心感が、奈々をかなり落ち着かせていた。



悠斗は赤ちゃんを見ながら、小さく笑う。


「……なんか、奈々ちゃんに似てる。」


「え、どこが?」


「なんとなく。」


奈々が吹き出す。


「まだ顔分かんないでしょ。」


でも悠斗はかなり真面目だった。


「絶対優しい子になる。」


奈々はその言葉に、少し目を細める。


その未来を想像すると、

少しだけ胸が暖かくなった。



昼。


美咲がお見舞いに来る。


病室へ入った瞬間、美咲は固まった。


「……ちっちゃ……。」


悠斗が苦笑いする。


「みんなそれ言う。」


美咲はそっと赤ちゃんを見る。


そして、かなり優しい顔で笑った。


「男の子なんだ。」


奈々は小さく頷く。


美咲はしばらく赤ちゃんを見つめてから、小さく笑った。


「なんか不思議。」

「奈々たちが親なんだね。」


奈々も少し照れながら笑う。


「まだ実感ない。」



その時。


赤ちゃんが小さく泣き声を上げる。


奈々は少し慌てながら抱き直した。


悠斗も一瞬で立ち上がる。


美咲が吹き出す。


「悠斗くん完全にお父さん。」


悠斗はかなり真剣だった。


「だって泣いてる。」


奈々も思わず笑ってしまう。


でも、その空気はかなり暖かかった。



夜。


病室は静かな空気に包まれている。


赤ちゃんは奈々の隣で、小さな寝息を立てていた。


悠斗は椅子へ座りながら、小さく笑う。


「……安心して寝てる。」


奈々は赤ちゃんを見ながら、小さく頷く。


「うん。」


その寝顔を見ていると、不思議と落ち着く。


奈々は小さく息を吐いた。


「……この子にも、安心できる場所って思ってほしいな。」


悠斗は静かに頷く。


「きっと大丈夫。」


奈々は少し照れながら笑った。


「なんでそんな安心できる言い方するの。」


悠斗も少し笑う。


「奈々ちゃんにずっと言ってきたから。」


その言葉に、奈々はかなり優しい顔になった。



窓の外では、冬の夜が静かに広がっている。


小さな男の子。


新しく始まる毎日。


そして、変わらない安心感。


奈々は赤ちゃんへそっと触れながら、小さく笑った。


「……おかえり。」


その声は、かなり暖かかった。


三人の“帰り道”は、

これからまた、

ゆっくり続いていく。

第18話「小さな帰り道」を読んでいただき、ありがとうございました。


今回は、


“親になる”

という変化の中でも、


奈々と悠斗らしい、

穏やかな安心感を大切に描きました。


特に今回は、


* 悠斗の「完全にお父さん」な反応

* 奈々の少しずつ芽生える母親の実感

* 美咲が見守る空気


など、“三人らしさ”も意識しています。


そして、男の子として生まれた赤ちゃんが、


これからどんな「帰り道」を歩いていくのか。


またゆっくり描いていけたら嬉しいです。

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