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第6話 廃校に幽霊が出た 第4章

分校跡の教室の窓の付近にかすかに灯りが見えた。住民から聞いていた様な教室全体を照らすような灯りではなく、手持ちのランタンの様なかすかな灯りだ。


どうやら「幽霊」の方も正体が知られないように気をつけているようだ。


3人は「幽霊」に気づかれないようにそっと歩いて教室に近づいた。しかし、教室に着いたときには、すでにかすかな灯りはなく室内には誰もいなかった。


3人は校庭も見渡した。

「やはり誰もいませんね。私たちに気づいてしまったのでしょうか」

信子がそう言うと、浜田も、

「もっと近くで待ってた方が良かったかもしれないね」

と言った。

すると心が

「あっ!今、山のほうで何かが…」

と叫んだ。


信子と浜田も心が指差した方を見る。

確かに山の斜面で白いものが見えて、それはすぐに消えた。


「あれって、今日の昼に話を聞いたおばあちゃんが言ってた…」

「追いかけてみますか?」


心がそう提案したが、

「いや、暗い中で追いかけるのは危険だから、追跡は諦めよう」

と、浜田が言った。



その後、3人は改めて校舎内に入って調べてみたが、鍵は全て閉められていて、誰かが入ったというはっきりとした痕跡は無かった。


しかし、信子たちはもう一つ仕掛けを用意していた。


これは心のアイデアだったが、すべての出入り口に分からないように細い草をセットして、出入り口を誰かが開けたら草が外れて分かるようにしていたのだ。

チェックしたところ、裏の出入り口に空けた痕跡あった。


幽霊が入り口を開けて校舎に入るはずはないので誰かが入ったことーは明らかだった。


ではだれが?


最近は、ほぼ毎晩灯りが見えたと言うことなので、やはり地域内の誰かが分校跡を訪れていると考えるのが妥当だと信子は思った。


次の日、灯りを目撃した近くの住民から再度話を聞いた。


ここで信子はかまをかけて質問を投げかけた。

「本当は、この幽霊の正体・・・ご存じなんじゃないですか?」


住民は少し驚いた顔をした後、信子の顔をじっと見据えて返事した。

「記者のお嬢さん、この幽霊の正体を明かすことが必要なんでしょうか?

このまま、そっとしておいてはいかんのですか?」

住民は幽霊の正体を知っているような口ぶりだったが、それ以上は質問しても答えなかった。



しかし、信子たちもこれだけでは記事にならないので、張り込みをもう1回することになった。


今度は昨夜よりもっと教室に近い校舎の陰に車を停めて待った。


午前0時過ぎ

「何か来ました!」


3人に緊張が走った。


   (つづく)



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