くせ者!
「くせ者!確保!」
今日もまた、警備隊の声が響く。
全く、毎日毎日懲りない奴等だ。
まぁ、ここにある物の意味を正確に理解しているのなら、不思議は無いがな。。、
「カイゼル様。
今日のくせ者は、
サラディーナ王家派から5名。
ブースト公爵派から15名。
また、新たにムルトング王家から2名。
キーナン宰相一派から1名。
と、なっております。
いつもの通り、塩田での労働奉仕をさせる予定です。
また、先日からこちらで労働奉仕をしておりましたくせ者の数名に、こちらへの移籍を望む者が多数出ております。
また、ご指導下さい。」
警備隊の隊長は、真面目な性格でいちいち、俺に報告してくる。
まぁ、ここの代表なんてものを引き受けたんだから、仕方ない事だが、正直面倒だ。
俺としては、ただ『麹』の研究に勤しみたいんだがな。
「まぁ、今日は、少なかったじゃないか。
ははは。そろそろ諦めたか?」
「ヤンバル様!笑い事では、ありません。
次から次へと、一体何人送り込んだら諦めるやらら…」
まあ、無理の一言だかな。
やっと、事務仕事を終えて研究所へ急ぐ。
あー、今日も夕焼け。
どーすりゃ、朝から研究出来るのか。。。
今朝いちで届いたいつもの圭殿からの絵手紙は、とても興味深いものばかりだった。
ペユの精米の機械つくり。。。
杵と臼で、足踏み式の道具の絵を見た時は、感動したが、これは更に凄い!
な、なんと水車。。。水車小屋とその動力を使用した精米方法。画期的!
また、味噌についての助言も素晴らしい。
『麹』は、生きている。そして暖かい場所を好む。しかも暖か過ぎても、寒過ぎてもダメとは。
これが、これまでの失敗の原因だと。
これには、参った。
捏ね方を変えたり、混ぜる順番を変えたりと色々したが、完成品が出来そうな気がする。
圭殿の話は、我々の想像の域を超えている。
以前、イエルゴの街で彼に会えたこと自体が奇跡なのかもしれない。
もう、『麹』のない世界には住めないからな。
ふふふ。
研究所は、セキュリティはかなり厳重だ。
くせ者達は、ここへ大抵たどり着けない。
だが。。。たまには、
「鎌鼬の真髄!」
私の空の魔術を受けた、くせ者が3名倒れている。うーん。ちょっとやり過ぎたかな?
アイツが煩いぞ。
研究所の所員たちが慣れた様子でくせ者を手当てしつつ、警備隊へ連れて行く。
あー、明日ナゼルに叱られるなぁ。
また、玄関破壊しちゃったからなぁ。
結局。また夜になる。。。
いつ、研究に集中出来るやら。
そろそろ、アイツでも呼ぶかな。。。




