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ネガティブな俺、異世界転生して食通になる  作者: ちかず
第2章 キーナン国
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泉の精霊現る。。、

泉は、まあまあの距離らしい。

だから、小さいベルはマーリエの腕の中だ。

食材探しは、お休みして警戒を強めてるけど、意外に暢気な雰囲気だな。

本当に異常があるのかな?

あれー?変な匂いが。。。

ふらふらと匂いのする方に向かうと、小川が見えてきた。

絶句中。。。。。

川は、枯れて水がない。。。

何!この風景。酷いよ。

川の周りの木々も立ち枯れてた。

「ここまでとは、思わなんだぞ。少し気を引き締めてのう。」厳しい声のドルタンド。

それにしても、何か気になる匂いだな。

フンフン。。。こっちだ、匂いの元。

俺は、皆んなと少し離れて大木の根本へ近づいた。

変なキノコが匂いの元かな?

【バカ圭!

触るな!毒とは違う。

魔物の一種だ。

動かない魔物、ララパンと言う名だ。

木に寄生して辺りに深く根を伸ばしすべての魔力を吸う。

触れば、人も同じく魔力を奪われる。

圭とて、例外でないぞ。】

なんと、キノコじゃないのか?

ヤバし。赤いし黒い点々あるから不気味だなと思っていたけど。。。

コンピュータ!それで退治出来るの?

このままじゃ、不味いだろ。

「もちろん、出来る。

ただ、魔術をぶつけるだけでは難しい。

森も打撃を受けるからな。

毒には毒で。

マルマーサと言う名の変わったキノコがある。

このキノコは、なんと生きて歩き回る、これがここにあればララパンを駆逐するぞ。

ただ、高山にしか見られない珍しいものだ。」

俺は、急いで皆んなに話した。

皆んなびっくりしてる。

知らないのかな?ララパンの事。

「マルマーサは知っているが、ララパンと言うキノコの事は、聞いた事がない。

キノコの問題は後で考えるとして、取り急ぎ、泉に向かうぞ。」

と、ドルタンドの指示が飛ぶ。

皆んなで急いで泉へ向かう途中、よく見ると、道に沢山のララパンがある。これ、マジやばくない?

やっと泉に到着。ここもか。

あー、水が枯れ始めてるし、周りの草も茶色だな。

それに、やっぱり泉の周りには沢山のララパンが。。。

だけど、泉のそばに可愛いお花が咲いている一角がある。

あっ!その側に、めちゃめちゃ弱ってるフー発見!

「フー!」メルビスが駆け寄る。

大丈夫かな。物凄く青い顔で力無く座り込んだいるみたいに見える。

こんなフーな姿、初めて見た。

「ヘルベルト様、この花たちは、精霊の源。

泉の護り。しかし、なぜか魔力を失い私が来た時にはもう、消えかけておられた。

微力ながら、私の魔力を。」

言うのが物凄くしんどそう。

「分かった。もう話さなくて良い。

私が変わろう。」ヘルベルトが魔力を込める。

大丈夫かな?フーみたいになるんじゃ。。

「まあ、待て。わしの方が良かろう。」

ドルタンドが、カッコイイ発言の後、近づいて魔力を放出する。

あれ?俺にも魔力が何となく分かるみたいな??

「フーよ。ようやった。ご苦労だったの。」

そう言ってドルタンドが、フー肩に手を乗せると、フーは、力を失いそのままドルタンドに倒れ込んだ。

気絶か?大丈夫?

ヘルベルトがフーを受け取りこちらへ連れて来る。

「かなり弱っているが、命にかかわるものではないだろう。」痛ましげな表情でフーを見るヘルベルト。

おー、でも良かった。

「私が泉に向かって、魔術をかけてみます。」

とナリーナが一歩前に出る。

ドルタンドが手を伸ばして止める。

「待て待て。これはそれでは難しいぞ。

我らの魔術では、解決出来まい。

圭、お主ひとりで歌ってはくれぬか。」

ドルタンドの顔色が青くなり始めてる。

歌?俺ひとりで?

そりゃ、歌くらい。。。でも何かこの状態でひとりって、羞恥心が。。。

「圭、僕にも歌って。お願い。」

おー、ベル。いつの間に顔色がヤバくなってる。

よし、やるかぁ。

こうなりゃ、50点の実力を発揮するぞー、

(ヤケクソとも言う)

♪♪♪♯♭〜♪♪〜

はい、またアニソンです。

イイじゃん、これしかカラオケでやってないからね!

♪♪♪♯♭~♪♪♪♯〜

勢いって大事。もう一曲歌いました。

あれっ?花の近くに小さな小人が浮かんでる?

「泉の精霊様。顕現されましてよろしいのですか?」マリンの声。久しぶりに聞いたぞ。

難しい言葉、知ってるな。すげーよ、マリン。

<ありがとう。精霊族の子供。この歌は、そなたか?>

「いえ、ここにおります『圭』でございます。」

マーリエ。

「おや、珍しい人間。魔力に溢れておる。」

うん?俺の事?

おー、俺の方に飛んできたぞー。

可愛いかな?小さいけど、美人系だー。

「ブー」ピー子、久しぶりに鳴いてる。

精霊にピー子も興奮中かな?

ボンッ!!!

え、何?煙出たよ。

精霊大丈夫なのか?

マジ?マジか!

いつの間にか、美人のお姉さんが隣に立ってるんですけど。

精霊なのか?

お約束の小人が大人になるパターンか?

実際、こんなに女子に近づいた事ないしドキドキだよ。

プチパニック中。。。わ、触られてる???

うん?魔力取られてるような??

「久々に気持ちの良い魔力だわ。

精霊族も久し振りに、見かけたわ。

人間の国にいるなんて珍しいじゃない。

あら、でも可愛いおチビさんはちょっと弱ってるわね。

人間達にもだいぶ無理をさせたようだしね。

まあ、いいわ。少し力を使いましょう。」


『森に祝福を。』


その言葉が聞こえてすぐ、

彼女の身体から光が広がって、その光は木や葉や花たちにキラキラ戯れてやがて消えていった。


誰一人、口を開く者もない。

まるで幻のような風景。

誰もが見惚れまま、しばらく立ち尽くす。


精霊は、そのまま泉のそばに姿を消した。

後で聞いたら、滅多に姿は現さないらしい。

ましてや、声聞くなんて、と言うものらしい。

ええー、超ラッキーじゃん。


泉の周りのララパンは、消えていて近くの川の水も元どおり。

木や草たちも、緑を取り戻してた。

精霊の力って。。。


それから俺たちは、フーの事もあるから、村へ引き返した。

精霊の祝福で、フーは、少し元気になったんだけど、やっぱ顔色悪いしね。

大丈夫かな?



泉から、帰る前にベルにせがまれて一緒に歌いました。

もう俺、羞恥心は捨てたから!

本当にもう。。。

ベルだけ上手いとか。。。

今回は、美人の精霊さんに会えたから良しかな?



二人の歌は、森に広がっていく。

誰も居なくなった森で、草や花が咲き誇り緑が輝きを放ち出した事を、人間達は知らないまま。。。







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