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ネガティブな俺、異世界転生して食通になる  作者: ちかず
第1章 サラディーナ国
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色々な場所で夜は更けてゆく。

ーある一室でー

「ふむ。ゼッヘルのやつ、面白い報告を寄越したぞ。どう思う?」低く響く声がする。

「はい。私も少々この者に会いたいと存じます。

それに、このマーナ自治区の者、何やら覚えのある者やも知れません。」

考え深い声が答える。

「伝令、今よりゼッヘルへの新たな指令を持って行け。あの者に、必ず果たせと伝えよ。」

低く短い返事がして部屋には、ひとり。

「異邦人、吉と出るか凶と出るか。さて。」

誰も聞かない呟き。



ーナリーナの部屋ー

「貴方達、怖がるのは無理ないけれど、圭は大丈夫。良い人間なのよ。まあ、少し天然バカは免れないけれど、信じて大丈夫。

私も、初めて人間を信じたわ。」

小さい二つの目が彼女を見上げている。

「私達、人間です。本当よ。」

女の子が必死に言う。

「お姉ちゃん、僕もあの人から来るオーラが好き。だから、あの魔物も懐くんだよ。」

眠そうな男の子は、目を擦りながら呟く。

女の子は、泣きそうな顔でナリーナを見た。

「違うの。オーラなんて見えないの。この子、寝ぼけてるから。本当よ。」

ナリーナは、少し困って優しく笑いかけた。

「大丈夫よ。私もあなたたちも人間。

それに、人間ばなれしているのは圭の方よ。

大丈夫。今夜はゆっくり休んで。」

優しく女の子の髪を撫でる。

弟の方は、もう夢の中。





ー圭達の部屋ー

「師よ。次から次へと、些か 混乱しております。

あの兄弟といい、ピー子といい普通では考えられない。この先のキーナンの事を考えてしまいます。」

ヘルベルトの疲れた声。

「圭は、変わらずじゃろう。それに、あの者に手を出してくるほど、ブースト公爵達もバカではあるまい。オーガスト王なら、面白がるのみよ。」

ヘルベルトが頷く。

横には、重なりながら眠る圭とピー子。



「もう、食べれません。」圭の寝言が呟く。

今晩は、平和な夜に違いない。

夜は更けてゆく。



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