39話
怪談祭りで遅れました。
「まずは最初に、クラス委員長だ。委員長」
「はい。私の名前はキクコ・シデハラ、クラス委員長を務めています」
「キクコで呼んでもいいかな?」
「いいわよ」
最初に自己紹介をしたクラスメイトは女子生徒だ。几帳面で糸目をして、腰まで伸びた赤毛で、青いノーズパットの楕円型のソーラー・グラスをかけている。
「キクコはクラス委員長を務めているけど、提出した報告書が滅茶苦茶で、いつも俺やホイットニーと一緒に、誤字などの間違いを直してばかりなんだよ」
「ちょっとダレス君! それを言わない約束でしょー!」
(失敗が多い? どれだけ間違いをしたんだ?)
キクコはきっと、隠れドジっ娘設定になりそうだな。顔をトマトのように赤くするキクコは自分の事を言われるのが嫌なのか。
キクコは機嫌が悪くなって立ち去ると、次の生徒が自己紹介をしてきた。
「僕の名前はタダシ・イノウ、各惑星の地理やマップ担当をしています。よろしくお願いします」
「よろしく」
真面目で温厚な少年、タダシ・イノウは、赤毛(アリス星人)の短髪に、服装はキチンと整え、黒い縁の太いフレームのソーラー・グラスを着用していて、ニコニコな微笑みを浮かべている。
「地図を作るのか?」
「僕のソーラー・グラスの能力は、地理作成が出来る能力なんだ」
「地理……?」
「簡単に言うと、地域や場所などを調査して、アイツが具現化したコンパスで、東西南北などを調べた直後、イノウは地図を作成する能力なんだ」
(マジかよ。凄いなイノウ)
地図を調べる能力か、よくそんな能力を持つよな。
「学園の案内図を作ったのも、イノウなんだ」
「ダレス君……それはいいから……」
「そうなんだ」
ソーラー学園の案内図の地図を作成とは、これはとてつもない想像力だな。イノウは下がった直後、次の生徒は別の星の人間だ。
「僕の名前はフリッツ・シーボルトです。以後……お見知りおきを」
「よろしく」
彼の髪の色は茶髪、出身惑星はクロノス星人だな。さっき自己紹介したタダシと同じ温厚な性格をした男子生徒、しかも背が高く、七三分けな髪型に、オーバルフレームのソーラー・グラスを掛けて、とてもいい青年に見える。
「さっき紹介したタダシと同じ地理を作成能力や、アリス星の勉学を学んで、このソーラー学園に入学できたんだ」
ハキハキとして自己紹介を語ったフリッツ・シーボルト、それにアリス星の事が好意を抱いている。
「アリス星が好きなのか?」
「大好きです!」
本当にアリス星が大好きとは、まさかソーラー・グラスの適合者になって、アリス星のソーラー学園に転入してとても良かったな。
しかも、さっき自己紹介したイノウと同じ能力だとは、類似関係だな。
「地図は作れるのか」
「ハイ! 僕は今まで学園と町全体の地図作成を経験したけど……」
「シーボルト?」
シーボルトはシュンとして、ガッカリとした表情を現す。
「僕が作った地図を、故郷(クロノス星)を送り出しましたが、管理局の検査でスパイと勘違いした経験があります」
「スパイ!?」
「出来上がった地図を家族に見せようと郵送届を出しましたが、公安や治安風紀委員に連行されて、スパイだと取り調べを受けて、それをきっかけに、送る事を禁止されました」
「どれだけ危ない橋を渡ったんだよお前!」
「ウ~」
うめき声を上げながら、両手で両耳を閉ざし、聞こえない振りをして居座るシーボルト。大変苦労した訳だ。ダレスはシーボルトに近づき、彼の肩を軽く叩くように触れる。
「シーボルト……もう過去の事なんか忘れなよ」
「ダレス……」
涙を流しながら立ち上がるシーボルトは、ガッツポーズを取って、元気を取り戻す。
「では、次に……いい辛い奴がいるんだ」
「一体誰なんだ?」
ダレスの態度が急に雰囲気が変わり、何か気まずそうな顔をする。
「なんですか! いい辛い奴とは」
「グホッ!?」
突然、キザな態度をした女子生徒が、ダレスを突き飛ばして、僕の机に近づいてきた。
「私の名前はリン・オオトモです。エリスさんと一緒のアースラー教の信者で、シスターをしています。よろしくお願いします!」
「おおう」
エリスの他にも、アースラー教の信者がいたのか。随分真面目なこのシスター。
「リンはちょっとした真面目なアースラーのシスターで、エリスと違って優秀深い生徒でね、時には生徒に説教癖をー」
「説教ですって、いい度胸してますねダレス……」
「すみませんでした!」
(謝罪かよ、ダレスいきなり謝罪するのかよ。気が弱いな)
こういう生徒もいたもんだな。そのリンと名乗る女子はかなりの美少女で、赤毛の三つ編みツインテールに、背は僕と同じ150㎝の小柄で、意地っ張りでくりっとした目、特に胸は控えめで、エリスと同じ十字架のペンダントを身に着けている。それに青色の丸型のソーラー・グラスを着用していた。
そういえば、エリスの姿が見当たらない。授業が終わった直後、急いで突っ走るように出て行ったよな。何か急ぎの用事でもあるのか。
「名前は確か……オオウチ君でしょう?」
「まあな……」
「喋り方が雑ですね。これでは社会に出てもおかしいですね」
「おい! 自己紹介の次に説教は止めとけー」
「何!?」
「イヤ……なんでも」
(目つきで黙らせるとは……)
説教を言うリンは、隣にいるダレスが止めにかかったが、リンに睨みつけられて、ダレスは一瞬でビビってしまい、大人しく黙ってしまう。
「さてと、話に戻します。何故……私達アースラーの信者でありクラスメイトのエリスさんについて一言を」
エリスについての質問だ。本人がいない時に勝手なことを。
「理由を聞くなんて、関係ないだろう」
答えを言う必要なんてない。エリスと同じアースラー教入信者のリンは、僕に話を付けてくるなんて。
「彼女はアースラー教で問題児ですの、最初に出会った頃は変な女子で、の懺悔のしている最中に居眠りをして叱られ、掃除は雑で逆に散らかしてしまう始末になりますの」
「お前……よくそんなに喋るよな」
「本当の話です」
本人がいない間に、好き勝手に喋れるよな。
おそらく、エリスのソーラー・グラスの能力が発動されて、喰らわされるのを恐れているだろう。
「本当でも……人の影口を言うのは〝口は災いの元〟だろう」
「私……そんなに悪口言いました?」
「シスター失格だろう」
「ムスッ!? シスター失格とはなんですか!」
僕がエリスの悪口を言ったリンに文句を話したところ、いきなり逆切れしたよ。
カンカンに怒ったリンは、僕に向けて指を刺す。リンの隣にいるダレスは、勇気を付けて止めにかかった。
「そんなに怒るなよリン、少しはー」
「ダレスは黙ってて!」
「はい……」
一瞬で沈黙し、口を閉じて黙り込むダレス。
「じゃあ……お前の自己紹介以外の話はお断りな」
「なっ! あなたはー」
「はい終わり!」
「そんな!?」
〝ガーン〟とショックを受けるリン。アースラー教の信者たちはいつもショックを受けるのか。
シスター・リンはガッカリとして下がっていく。ダレスが近づき、ニコニコとした顔で僕に話しかける。
「やるじゃんヨシノ、あのリンを黙り込むなんて」
「イヤ……その……」
「では、まだまだ自己紹介をしてやるぞ」
(勘弁してくれよ)
クラスメイト達の自己紹介が多すぎだろう。
「コイツはボン・オオキ」
「よろしく」
黒縁の丸型のソーラー・グラスをかけたオカッパな赤い髪型をした恰幅のいい体格をした男子生徒。名前はボン・オオキか、覚えやすいな。
「この子はナタリア」
「よろしくね」
ヴィーナス星人の金髪ロングヘア―な女子生徒のナタリアか、水色のスクエアソーラー・グラスをかけている。
「何人かの生徒がいるのはわかるけど……サボりや欠席している奴がいるんだ
「そうか?」
「マイクはサボり、タネガジマは武器の修理作業、モウリは保健室だし、後々……」
(まだいるのかよ。このクラスを何人紹介するんだよ)
心からそう思い、クラスメイトの自己紹介を聞いてもうヘトヘトだ。
後ろの教室のドアが開き、エリスが教室に戻って来た。
「アレ? どうしましたかヨシノ?」
「エリス」
「何か疲れた顔をしてますけど」
「ダレスがクラスメイトの自己紹介を聞かされて」
「ええ、あなたのおっしゃる通りですわ」
「はい?」
エリスは僕の言った事をわかっているのか。
「転校した生徒の殆どは……自己紹介は日常茶飯事ですわ」
「もしや……エリスさんも」
「はい!」
やっぱり思った通りですね。このソーラー学園は一体どれだけ苦労するんだろうね。
「それにエリス、お前今までどこ行ってたんだ?」
「職員室ですわ。数日前に出し忘れた課題を提出」
「そうか」
なんだ、宿題を提出を遅れて職員室まで担任の先生のところまで提出してきたのか。
もしかしたら、宿題を出し忘れる原因は、ソーラー・グラスの適合者の転校の手続き、あるいは任務などの影響で遅れているのだろうか。
「そうですわ。実はヨシノに渡したいものがありますわ」
手に持っている袋に包んだ青い服装を渡される。
「なんだこれ?」
「運動着ですわ。それがないと実技が受けられませんので」
「運動着?」
「先生があなたの運動着を受け取っていませんので、私が代わりに運動着を渡されましたので」
「あ……ありがとう」
受け取った運動着を渡した直後、エリスは自分の席に戻った。
(ちゃんと自分の受け取らないと)
そう思いながら、授業開始時間の予冷のチャイムが鳴っていた。もう休み時間が終わったな。
他の生徒達は一斉に、自分たちの席に戻っていく。
「おっと!? もう時間か……まだまだ紹介したい奴らがいるんだけど」
「まだいるのか!」
どれだけ紹介すれば気が済むのか。ダレスは慌てて席に戻って行った。
前の自動ドアが開き、次の授業は数学、担当教諭の先生がやってきて、授業を開始した。
投稿を遅れてしまい、申し訳ございません。
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