表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
80/86

ガトゥ・バラディンという男 3

 暖かい風が祐樹の足元から吹き抜け、祐樹の髪の毛を靡かせる。意識と体が一つになる感覚を祐樹は覚える。カプセルが開くと、祐樹はカーブを描いたフロアの一角に足を踏み出した。

 するとすぐにフロアに不気味な音が鳴り響く。金属が軋む音。通路を踏み締める機械音。多分、警護用のメカだろう。メカはすぐに侵入者、相模祐樹を見つけて、近づいてくる。

 祐樹はガトゥから託されていたレーザー・ガンを震える手で構える。そしてメカ目掛けて引き金を引いた。だがレーザー・ガンから放たれたレーザーはメカに呆気なく吸収された。

 祐樹の体は強張る。メカのアームが祐樹の体目掛けて振り降ろされる。祐樹が「死」を覚悟して瞳を閉じた瞬間、メカは突然、物凄い音を響かせると煙をあげて崩壊した。

 立ち昇る煙の向こう、霞んだ視界の先に、レーザー・ガンを構えた彼、ガトゥ・バラディンが立っていた。ガトゥはレーザー・ガンを懐に仕舞う。

「待たせたな。祐樹」

 ガトゥは壊れたメカを眺める。

「この警護用メカには狙うべきポイントがあってね。いわば急所だ。そこを撃たなければ壊せない」

 ガトゥは祐樹に歩み寄る。ガトゥはどこか物寂しげだ。

「その急所は要人にだけ知らされている。だがそんなシステムも、守るべきものがなくなった今となっては無意味なものだが」

 ガトゥは少し憂いを滲ませて、祐樹を招き寄せる。

「行こうか。悲哀に満ちた物語を終わらせるために」

 祐樹はガトゥと共に、硝子で仕切られたエレベーターに乗り込んだ。上昇していくエレベーターから見える未来都市はとても美しかった。

 ライトに照らされた都市を見おろして、ガトゥは物静かに自分の過去を話し始める。

「『時の迷い子』。タイムワープの能力を手に入れた人間の俗称だ。私がタイムワープ出来るようになったのは、1960年代後半、反抗とカウンターカルチャーが全盛の時代、混沌とした世相のアメリカだった」

 ガトゥはノスタルジックに過去を思い返していく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ