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アラサーからのダンジョン探索~英雄は目指さない。マイペースに遊びながら稼ぎます~  作者: 迷子
第三章 はじめましてマイ・フェア・レディ

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第91話 問題解決は気づけばわりとアッサリ


「えらい目にあったわ……」

「まったくだ。正直、戦って血を流す方がよっぽど楽だな……」

「さすがにそこまでいくとどうかと思うけど、僕も二度と繰り返したくないね……」


 次から戦うときはちゃんと相手のレベルだけは確認しよう。

 思い出すだけで吐き気を催してくる。 もう二度と味わいたくないわこんなん。


 げっそりとしている俺達に、チヨちゃんは首を傾げた。


「そんなに辛いんですか?」

「うん、かなり。そうだな、次はチヨちゃんがやってみる? 魔物を従える〈調教師〉ならまた別かも」


 どういう理屈でピーちゃん達が成長してるから分からんが、もしかしたらチヨちゃんが得た経験値が流れ込んでいるのかもしれない。


 分散しているとすれば、高濃度でも受け付けるんじゃないか?


「うーん、怖い物見たさでちょっと試してみたいような……」

「チヨちゃん。本当にやめた方がいいよ。カコも何度かなったことがあるけど、本当に辛いから」


 珍しく真面目な顔で、カコちゃんがチヨちゃんの暴挙を止める。


 優しいね。俺たちだったらあの手この手で誘導してやらせていたよ。今回は三人とも同じ目に遭っているからやらんけど。


「ともかく、これでよくわかったでしょ? 格上の魔物でレベルを上げる危険性が」

「ええ。よく分かりましたよ」


 こんな目に合うなら、レベリングどころじゃなくなるわな。


 頬に手を当てて、悩ましそうにミライさんは続ける。


「これがレベリングの難しいところなのよね。高レベルの相手と戦う方が、経験値の入りがいい。でもあまりに格上だと酔って行動できなくなる。だから自然と同格の相手と戦う必要がある。当然、弱い子を介護してパワレベなんてできない。せめて今の自分がどの程度まで戦えるか分かると助かるんだけどね」


 確かになぁ。ギリギリ吸収できる階層で戦い続けていると、そういう事故が起きる可能性があるのか。


 んでもってその階層はその人にとって、強敵だらけの階層になる訳だ。そんな所で経験値酔いなんかしたらどうなるか? 怪我で済んだら御の字だろう。


 だからまず、レベル毎にどこまでだったら戦えるのか確かめないといけない。


「あれ? これかなりめんどくさくね?」

「確かにね。それこそ一度、ミライさん達に吐いて貰わないといけない」


「ふっ。この私に嘔吐しろとはね。……まぁ仕方ないわ。背に腹は変えられないから」

「ミライお姉様、一人にはしないよっ!」

「ふ。ふふっ、ふっ……僕も覚悟はできているよ……」

「ええ。本当に憂鬱ですが……」

「私は遠慮してもいいですか?」


 さすが〈百花繚乱〉。素晴らしい絆だ。辛いことまで皆で共有するなんて。

 俺だったらお前だけ死ねって突き放しているな。


 まぁ、一人だけ助かろうとしている奴もいるけど。日向さん、実は一番図太くないか?


 日向さんの強さに感心していると、遠慮がちに七緒ちゃんが言う。


「その、楓太さんは魔力の濃度を見ることはできないんですか? それが分かれば吐く必要もないと思うんですが」

「いやー、俺が見えるのは経験値量だけで濃度は……」


 ……本当にそうか?


 確かに今まで濃度が見えたことはない。ただ、それって見ようともしなかったから。そんなものがあると知らなかったからじゃないか?


 見ようと思えば実は見れたりしないか?


 ……濃度〜。許容量〜。見えろ〜、見えろ〜――あ。


【人物鑑定】

 名称:中野三蕾

 レベル:34(適応魔力濃度:レベル39~29)


 普通に見えたわ。


「――あら? どうしたの、そんな熱い視線向けて。ふふっ、ちょっと恥ずかしいわね」

「いえ。適応魔力濃度っていう数値が見えて、驚いてびっくりしてるだけです」

「へぇ、適応魔力――見えたの!?」


 そらびっくりするわな。まさに今その問題で悩んでいたんだし。


「そ、それで? 私はどこまでなら行けるのかしら?」

「小畑さん。僕も知りたいです。もうあんな目に合うのはごめんなので」

「ちょっと待って。……あー、なるほど」


 ミライさんと拝賀君を止め、ぐるりと皆を見回して確認する。

 うん、間違いないな。確かに知りたかった情報だけど、これ、そんなに大した情報でもないわ。


「どうやら一律で、現在のレベルプラマイ5に決まっているみたいですね。皆同じなんで間違いないと思います」


 一度知ってしまえば価値がなくなる情報だわ。変動がないんだもん。

 だから【鑑定】もわざわざ見せることはしなかったのかもな。


「ああ、そうなのね。確かに分かってしまうとあっけないわ。でもこれで吐かなくて済むと思えば素晴らしい情報よ」

「ミライお姉様の言う通りさ。無様に吐く姿なんて、僕らにふさわしくないしね」


 こくこくと〈百花繚乱〉の皆は頷いてくれる。よっぽど吐くのが嫌なんだろうな。まぁ誰だって嫌だし、乙女ならなおさらか。乙女なんてカコちゃんくらいなもんだが。

 

 伊波は少し目をつぶって考え、小さく頷く。


「自分の許容ラインが分かったとしても、【鑑定】で敵のレベルを調べないと意味がないから、楓太がいないとあまり役に立たない情報ではあるね。でも逆に言えば、これで楓太が階層毎の魔物のレベル平均、なんだったら最大レベルを割り出すだけで、適正の狩場が判明することになる」

「それも結構めんどくさいよな……」

「小畑さん、お願いします。手間だとは思いますが、この機会にしっかりと調べた方が、連れ回されるよりも結果的に楽になるかと」


 拝賀君が圧のある顔で懇願してくる。他人ごとじゃないもんね。

 でも面倒くさいなって思っただけで、必要性は分かってるから安心してほしい。


「本当にありがとうね。楓太君。あなたのおかげで私達のレベル上げも進みそうだわ」


 珍しくしおらしい態度で、ミライさんが俺の手を掴んでお礼を言う。

 いや、そんな風に本気で感謝されるのも結構困るんだが……。


「礼を言われるほどのことでもないですよ。元々そういう話だったでしょ?」

「それでもよ。本当に私達の停滞は深刻だったの。それがこうして連れてくるだけでいろんなことが分かって、一気に進みそうなんだもの。それだけじゃなくて、道具や装備までついでに作ってくれるなんて……いくら感謝してもし足りないわ」

「作らねぇよ?」


 本当に油断も隙もねぇなこのオバさん。さりげなく言質を取ろうとすんなや。


 まぁすでにスライムテントとかは作っちゃったし、今更だからなんだかんだ作るけどさ。装備も深層素材を分けてくれるならこっちにも得があるし。


「欲を言えば、その調子で酔いの問題を解決してくれるともっと嬉しいんだけど……さすがにこれはムリよね?」

「ムリですね。というか、酔わないところで戦えばよくないですか?」

「もちろんその通りだけど、酔わなければ格上と戦って、効率よくレベリングできるじゃない。それにこの問題は私たちではなく、戦えない生産職の子に必要なのよ。ほら、レベル1だとスライムレベリングもできないでしょ?」


 ああ〜、なるほど。確かにスライムは一階層でもレベル8くらいだからな。


 新人育成、特に生産職の育成を考えるとなんとかしたいと思うわな。


「実は楓太君を見ていたら、〈料理人〉の知り合いを改めて仲間にしたくなっちゃってね。本当に良い子だし、どうにかしてレベルを上げてやりたいのよ」

「そういうことですか。それなら気持ちも理解できますけど」


 しかし急になんとかしてと言われてもな。そんな簡単に思いついたら苦労しないんだが。


 ……単純に【魔力酔い耐性】みたいなスキルはあったりしないのかな?


 なんかありそうだよな。魔力酔いをあえて繰り返したりすれば、生えてもおかしくなくない?


 問題は仮にそれがあったとしても、あの苦しみを味わい続ければいかないこと。そして本当にあるかも分からんことだ。


 あるかもしれないからやれ、なんて言われても嫌に決まってるしな。それでごめんやっぱりなかったわって結果になったら、俺が殺されるわ。


 あるいは、そういうスキルを持っていそうな魔物の素材を使って、装備を作ることか。これだったら労力はかかるが、一番確実で手っ取り早い。そしてなにより誰も苦しむ必要がない。


 もしこれが見つかって、格上の敵も倒せるようになるとしたら、実質的な経験値促進スキルになるな。売れば儲かるだろうし、小畑会で独占すればさらなる躍進は間違いない。


 ……でもこれ、結果的に俺の価値が落ちるんだよな。


 今チヤホヤされてるのは、俺だけしかまともな生産ができないからで。


 もし同じことができるやつが増えたら、皆そっちにいっちゃいそうな。


 下手したら小畑会解散の憂き目に合っちゃわない?

 正直、今の小畑会でのバカ騒ぎが楽しいから、それだけはなんとか避けたいんだよな。


 もちろん今の需要を考えれば、マンパワーは増やさないといけないんだけど、もうちょっとだけこの立場を維持したいといいますか。


 皆から捨てられるのは、ちょっと悲しいと言いますか……。


「すみません。ちょっと思いつかないですね」

「そう……まぁそうよね。でも気にしないで。さすがに高望みだっていうのは分かっているから。でもいつか方法が見つかったら教えてちょうだいね」

「ははははっ、そんな簡単に見つからないでしょ」

 

 今すぐにでも試せることなら、仕方なく教えているけどな。

 あるかどうかも分からんことだし、機会があったら試して教えればいいだろ。

 自分のポジションを守ることに必死な、俺の小物さをどうか許してくれ……。


 ちょっと罪悪感を覚え、ふと視線を横にずらすと、ゲロゲロとベイグルが何やらバサバサと体を動かしていた。


「「グッ、グッ、グェ! グッ、グッ、グェ! グッ、グッグェッ!!」」


 大きく翼を広げたり、前に持ってきて上下にずらしたり、頭を隠したり。

 あの鳴き声のリズム……あ。もしかしてジャンケン?


「――グッエー♪」

「ググェ……ッ! グェ!? グァ~……」


 ゲロゲロが勝ったと思いきや、悔しがっているベイグルの頭に嘴をゴスンと落とす。ベイグルは頭をふらつかせ、ブルブルと頭を振って正気を取り戻すと、また勝負を挑んでいた。


 罰ゲーム付きのジャンケンとはまた賢いことを。よっぽど暇だったんだな。

 にしてもお前らはのんきで可愛いね。こっちはレベルのことで頭を悩ませているというのに。


 まぁ、アイツらはそもそもレベルが存在しないからな。そんな悩みとは無縁の立場だから当然か。


 レベルが上がらないのは可哀そうと思ったこともあるけど、俺らみたいにその問題で悩むことがないのは羨ましいかもな。


 レベルが上がらないんだから、そもそも経験値がどうとか関係……ない……し……。


 ………………。


「あの、ミライさん。ゲロゲロとベイグルなんですけど。アイツら、レベルが無いじゃないですか?」

「うん? うん、そうね。今でもそこは惜しいわよね。でも楓太君の【再錬成】があるから、問題ないわよ」


「いえ、そうじゃなくてですね。レベルがないってことは、経験値も必要ないってことになりますよね?」

「まぁ、そういうことになるわね」


「だとしたらですよ? アイツらが倒した魔物の経験値って、いったいどこに行くんですかね?」

「それは……吸収しているんじゃ……いえ、でもレベルが上がらないのよね。……あら? もしかして吸収すらできないってこと?」


「例えばですよ? ホムンクルスのレベルが上がらないのって、そもそも経験値を吸収する器官が体内に存在しないから、だとしたらどうです? で、もしこの仮説が合っていた場合、魔物を倒した際の経験値はどこに向かいますかね?」

「……………………」


 ミライさんも沈黙するあたり、あり得なくはないよな。

 試す価値は十分ある。


 ♦   ♦


 魔物も群れで固まっていることが多いこの階層で、俺達にとっては運のいいことに、一羽だけ逸れている角ウサギを見つけた。


 レベルは24と、この階層でも低い方。俺らでも魔力酔いをせずに済むレベルだ。


 そしてその角ウサギにとっては運の悪いことに、茂みに隠れて狙っている敵がいる。

 それは――角ウサギを狩る為にじっと身を潜めていたマルだった。


「――ウォン!!!!」

「――ブッ!?」


 今のマルとあの角ウサギでは、なんだったら角ウサギの方が1レベル高い。まともに戦ってもマルに勝てる可能性は十分にある。


 しかし、そこはやはり角ウサギ。元々臆病な気質で群れから孤立してしまっては、狼の吠え声に怯えて迷わず逃げ出す。


 だが、そんな彼の逃げた先に、ぬっと姿を現す黒い巨大な影が二つ。


 獲物を前に不穏な空気を漏らす、ゲロゲロとベイグルである。あとついでにすぐ後ろで控えている俺達。


「ブッ……ブッ、ブブブッ……!」


 ぬぅぅん、と異様な雰囲気を纏う巨大なダチョウに見下ろされ、思考が硬直したのだろうか。その角ウサギは愛想笑いのような鳴き声を漏らした。


「――グゥエァアア!!」

「ブボッ!?」


 しかし、そんなことはゲロゲロには関係ない。


 ゲロゲロは荒っぽい声を出しながら、容赦なく角ウサギを蹴っ飛ばした。角ウサギは苦し気な声を上げ、ゴロゴロと地面を転がる。


 ゲロゲロもベイグルも、ステータス的にはレベル15相当のグーフストリオだ。まともに戦っては勝負にならない。しかしさすが【STR】の高いグーフストリオ。一匹だけ、そして混乱している相手であれば、この階層の角ウサギが相手でも容易く蹴り飛ばす力がある。


 そして、一度ダメージを与えて寝転がせてしまえば、二頭が苦戦する理由がなかった。


「グェア! グエグエグエ! グェエエ!」

「グエエエエ、グエグエグエッ! グェエエエ!?」

「ブブッ……ブブブッ……ブブッ……ッ!」


「グェエエエエエエン? グッグエググエグエグエグエエエエエエエ!」

「グエグエグエエグエグエグエエ!?」


「なんちゅうガラの悪りぃ姿だ……」

「完全ヤクザのそれだよ。出すもんださんかいワレェ! って台詞が聞こえてくるかのようだ」

「おかしいな。俺そんな風に作った覚えないんだけど。どこかで悪いこと覚えたんかな……?」


 川辺と伊波がジト目でこっちを見てくる。だけどさすがに何も言い返すことができない。というか俺だって同じ気持ちだよ。


 既にボロボロになっている角ウサギに、二頭揃って容赦ない追撃。その姿はあたかも借金取りが取り立てを行っているかのよう。あっ、今ヤクザキックが入った。マジで怖いなこいつら。角ウサギに同情して涙が出そうだ。


 そう時間も経たず、角ウサギは力尽きる。そしてその死体から経験値が漏れ出す。


 レベルアップ程ではないが、体に熱が入ったのを感じた。


「今、入ったよね」

「はい。間違いないです」

「私も入ったと思います!」


 七緒ちゃんとチヨちゃんも言うなら間違いない。

 そっか~。成功しちゃったか~……。


 微妙な気持ちになりながら、離れた場所で待機しているミライさん達の元に向かう。

 やってきた俺に、ミライさんは緊張した面持ちで尋ねた。


「どうだった?」

「経験値が入ってきました。戦闘に参加していないのにです」


「そう。ということは……」

「レベルが低かろうが、生産職だろうが。できちゃいますね、レベル上げ」


 明らかに探索者界隈での革命になる情報なんだが、嫌だな~。正直憂鬱だ。

 生産職でレベルが高いという、俺の唯一の取り柄が無くなるなんて。


 さり気なく落ち込んでいると、どしゃりとミライさんが膝から崩れ落ちた。


「ふっ、ふふふっ。こんな簡単なことにも気づかないなんて……私はなんてバカだったのかしら……」

「お姉様! カコ達も気づかなかったんだから! 皆一緒だよっ!」

「その通りだよ、お姉様。だからそんなに落ち込む必要はないさ」


 よっぽどショックだったのか、俺以上に落ち込んでいるミライさんを〈百花繚乱〉の皆さんで慰めている。

 べつにそんなに傷つくこともないと思うけどな。こんなん思いつけるかどうかなんて、運みたいなもんだろうし。

 

 そんな彼女達を無視して、拝賀君は真剣な顔で呟く。


「ただでさえレベリングとホムンクルスの優位性があるのに、生産職の育成まで自由自在って、とんでもないことになってきましたね。もはや小畑会が日本を牛耳るのは時間の問題といってもいいかと」

「そう、そうよね……自分のマヌケさを嘆くより、得られたものを喜ぶべきね」


 ミライさんは立ち上がると、いつの間にか戻ってきていたベイグルにひしりと抱き着いた。


「貴方が私の元に来たのはやっぱり運命だったのよ、ベイグル。貴方は本当に良い子だわ」

「グエー♪」


 何と現金なとも思うが、まぁ可愛がってくれるならいいか。

 ミライさんはそのままベイグルに抱き着いたまま、顔をこっちに向ける。


「楓太君。近い内に〈料理人〉の子――小鈴を紹介するわね。必ず説得して小畑会に入れるから、よろしくね」

「ああ、はい。まぁミライさんが推薦する人ならいいですけど。ちなみにどんな人です?」

「そうね……小柄でちょっとむっちりしているけど、可愛い子よ。あとおっぱいは大きいわ」


 なんと。低身長ムチムチ系の巨乳美女とな?

〈料理人〉といい、これはいろんな意味で美味しそうな人かもしれませんな。


 ♦   ♦


【探索のヒント! その三十七】

〈経験値の吸収〉

 魔力を持つ生命を殺害した時に発生する魔力、いわゆる経験値には次の性質がある。


1、一定範囲内の魔力を持つ者に吸収される。

2、より高いレベルであるほど、経験値を吸収する力が強く、低レベルの吸収を妨げてしまう。

3、レベルプラスマイナス5の濃度的な経験値吸収限界がある。高ければ酒に酔ったかのような嘔吐感、頭痛、全身の怠さに襲われ、低ければ吸収しても意味がない。


 特に重要なのが2。この二つにより、高レベルによる低レベル介護が実質不可能になっている。パーティ内のレベル差がレベル5以内であれば一律で強くなるだろうが、レベル6も離れれば全てを高レベル者に吸われてしまう。

 それゆえに同レベル帯の者とパーティを組み、コツコツとレベルを上げるしかなかった。――今までは。

 ホムンクルスにレベルが存在しないのは、生まれた時点で完成しており、ステータス的な成長がないからだ。そしてそんな生物であるからこそ、そもそも経験値を吸収する概念的器官が存在しない。

 ゆえにホムンクルスと共に戦う時にのみ、2の性質から外れ、低レベルの者に経験値が入ってくることになる。

 これまで生産職はレベルを上げることが困難であったが、ホムンクルスの普及によってその状況は一変する。ホムンクルスがいれば、低レベルの生産職でも安全にレベルを上げることができる。

 そうなれば装備性能が追いついていないまま縛りプレイを続けている探索者達が、本来の力を発揮するであろう。

 人によって作られた存在だからこそ、どこまでも人に都合良くできているこの事実こそが、ホムンクルスのホムンクルスたる証明かもしれない。






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― 新着の感想 ―
>「おかしいな。俺そんな風に作った覚えないんだけど。どこかで悪いこと覚えたんかな……?」 直前のへっぽこ3人組vsデューンファング戦見てて覚えたんでしょきっと多分メイビー そして、ホムンクルスは経験…
それだけじゃなくて、道具や装備までついでに作ってくれるなんて……いくら感謝してもし足りないわw 感謝の言葉すらこれだよ!w そしてそんな人と仲が良い小鈴さんとやらは、例えどれだけ外観がムッチリドス…
これで胃袋を掴まれた小畑が小鈴にガチ惚れしてホム嫁なんて何言ってるの?って手のひら返ししたら笑う
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