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采乎は彌眞にそこまで語りかけると、そこまで溜めていた思いを吐き出すかのように大きく息を吐いた。

それから彼女は目を細めると、十六夜の背中を優しく擦り続けた。


「そうでしたか」


彌眞は今までの経緯を聞いて驚き、十六夜に申し訳ないという思いが込み上げてきた。

また采乎が制止するのもきかず、上半身を起こした。


「彌眞様」


 采乎が咎めるように言う。


「大丈夫」


 彌眞はそのままゆっくり十六夜を見た。

 彼女は、時折、苦しそうに呻き顔を歪める。

 寝返りをうったりすると、火傷した右腕が激しく痛み唸り声をあげる。

 そんな彼女を見て、彼はいたたまれなくなった。

 彼女の顔を見る。頬は削げ落ちその姿は別人のようであった。


(・・・私は・・・何を!)


 彌眞は自分が気を失っている間、なにも出来なかった自身に腹ただしさが襲い、思わず髪の毛を掻きむしった。


「彌眞様、落ち着いて!」


 采乎の声に彌眞は正気に戻り、だらりと両手を垂れる。

 自分のふがいなさを呪いたくなる。

 彼女を瞬きもせず見つめる。


(しっかりと十六夜の姿を目に焼き付けろ。そして二度とこんな目にあわせるんじゃない!)


 彌眞の歯ぎしりする音が、部屋に響く。


(すみませんでした)

「すみませんでした」


 彌眞は心の中でそう呟いたはずなのに、声となって発していた。

 そんな自分に彼は苦笑した。


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