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説得しても無駄だと悟ると、瞬時に弓を三人に向けて、わざと逸れるように放つ。素早く飛び出すと、腰を抜かしている男の顔を蹴り上げ、気絶させる。
矢は一人の男の鼻元をかすめ木に突き刺さる。
矢に気をとられている男に拳で殴り倒す。
十六夜のもとへ駆け寄ると、矢を弓につがえる。
「退け!」
彌眞は十六夜を後ろへかくまうと、弓を弾き絞る。
残り二人を威圧する。
だが、二人は逆上している。
男の一人が襲いかかる。
彌眞は素早く横に移動し、男のみぞおちに拳を叩きこむ。
「ぐっ」
男は悶絶する。
残り一人は、彌眞の戦う隙をついて、十六夜に襲いかかる。
彼女は地面に転がっていた石を拾うと男に投げる。
男は、それをはじき、にやりとした瞬間だった。
男の股間に衝撃が走る。
十六夜が隙をついて局部を蹴り上げたのだ。
男の動きが一瞬、止まる。
痛みに耐え、もがきながら彼女に襲いかかろうとする。が、戦闘を終えた彌眞が、男の首を後ろから手刀で一閃する。
戦い慣れない彌眞は手の震えが止まらなかった。
十六夜の声で正気へと戻った。
「彌眞・・・どうしたのですか」
「・・・あっ、いいえ」
彌眞は呟くと、手早く荷物を集める。
「あいつらが、起きると厄介です。今のうちに行きましょう」
彌眞はぎこちない笑みをつくり走り出す。
十六夜は首を傾げ、先を走る彌眞を追いかける。
上空には星が消えて、序々に空は白んでいき、長い夜は終わりを告げようとしていた。




