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23

 夜もさらに更けていく、どれくらいの時間が経ったのだろう。

 彌眞はうとうとしながらも、気を張って周囲を警戒していた。

 寝返りをした瞬間、視線の先に気配を感じた。

 驚いた彌眞だが、寝ているふりをしながら様子をうかがった。

 薄目を開けて目を慣らす。


 四人の人影が二人の周りを囲んでいる。

 誰だ。

 彌眞の心臓が激しく脈打つ。


 さらに状況を把握しようと耳を澄ませ、感覚を研ぎ澄ませる。

 人影はあちらこちらと探りを入れながら物色している。

 盗賊のようだ。

 幸いにも来たばかりで何も手をつけていない。


 彌眞は息を殺して、ゆっくりと静かに弓へ手を伸ばす。

 気づかれずに掴むと、ほっと息を吐き、呼吸を整える。

 意を決し、

「うぉー!」

 と、怒号をあげて跳ね起きる。

 弓矢に弦をつがえて弓をしならせる。

 一人の盗賊に弓を向ける。

 彌眞の大声に肝を抜かれた、盗賊たちは虚をつかれて立ち尽くす。


 十六夜もその声に驚き、

「はっ!」

 と身を起こす。

 ぼーっとした頭で周りを見渡す。

「!」

 咄嗟に彌眞の鏡片の入った袋を両手で掴むと、胸元に引き寄せた。


 盗賊は彼女のその動きで、袋の中身が価値あるものだと分かった。

 彌眞に弓を向けられている者以外は、一斉に袋へ視線をうつす。

 彼は弓を引き絞り、声を出し威嚇と牽制する。

 狙われていた男は腰を抜かし、その場に倒れる。


 盗賊の視線は再び、彌眞へと向けられた。

「速やかに立ち去れ!」

 彌眞は低い声で相手を脅す。

「さもなくば、この者を射る」

 警告する。

 盗賊三人はお互いの顔を見合わせ、何事かを言い合うと十六夜の方を見た。


「おっ、おい」

 男は消え入りそうな声で仲間に訴える。

 三人の内の一人が、男に向かって怪しい笑みを浮かべた。


「本当に放つぞ!」

 彌眞は最後通告ばかりに叫んだが、三人は応じそうない。

 今にも十六夜に飛びかかりそうな状況だ。


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