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彼女はそういう風にまじまじと鏡片を見つめていると、急に恐ろしくなってきた。

戸惑いがちに彌眞を見る。

「どうしましたか」

 彌眞は尋ねた。

 十六夜は鏡片を持つと、

「これ、預かってくれませんか」

「えっ」

 思わず聞き直す。

「この鏡片を預かってくれませんか」

 彌眞は十六夜の真意を測りかねるといった思いで、首を傾げた。

「いえ、あの・・・今まで私は鏡片を見せびらかすようにしていて、よく考えてみると危ないことをしてたのかなあって・・・そう思ったら怖くなっちゃって」


「それは・・・」

 彌眞はさっき彼女に何気なしに言ってしまった言葉の軽率さを反省した。

 彼は残りの椎の実を噛み砕き、飲み込むと、

「怖がることはありません。鏡のおかげで旅は順調です。出会う人々にもよくしてもらっています。あえて言わせてもらうなら・・・」


十六夜は身を乗り出して聞き入る。

「大事なものです。クニやムラ、集落を出たら、鏡片は隠した方がいいでしょう」

 彌眞は視線を自分の袋に移した。彼の鏡片はこの中に入っている。

「では、どうすれば」

「鏡の力を必要としないときは、服の中にしまい込むのです

「あっ」

 簡単なことに気づかなかった自分を恥じて彼女は赤面した。


 彌眞は苦笑いしながら、視線を焚火へとうつす。

 火が少し弱まってきたので、枯れ枝を何本か火の中に入れる。


 夜がどんどん深まり、異常な静けさが辺りを包み込んでいく。


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