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 野宿がはじめての十六夜は、迫る闇に強い圧迫感と不安が掻き立てられる。

「暗くて静かですね」

「外の夜はこんなものですよ」

「・・・そうですか」

 十六夜はうつむいて、じっと炎の動きを見つめている。

 彌眞は彼女の不安を見て感じた。


「私もはじめて野宿をした時は不安と緊張でいっぱいでした。皆にやたらと話しかけたりしてね」

 彌眞は笑いながら十六夜を見た。

 闇に照らしだされる彼女の横顔に彼はどきりとした。それを紛らわすように話を続けた。


「・・・いざ寝るとなったら、興奮していて眠れないのです。話す相手も寝てしまったので、仕方なく目を閉じたんですが、じっとしていたら夜の闇に吸い込まれそうな気がして怖くて起きていました」

「それから、どうしたのですか」

 十六夜は身を乗り出して聞き入る。

 彌眞は自嘲気味に笑って、残り少ない枯れ枝を火の中へ投げ込んだ。

 一瞬、炎が勢いよく上がり二人を明るく照らすが、じきにおさまった。

「ずっと、ひたすら目をつぶって眠気が来るのを待ちましたが・・・駄目でした。おまけに、もよおしてしまって用を足したくなったのです」

「まあ」

 十六夜は赤面する。


 彌眞は頭をさげた。

「ああ、すいません。しばらく起きたい起きたくないという葛藤を繰り返しました。でも、ついにどうでもいいやと思い切って目を開けました」

「それで」

 彼は微笑むと空を指さし、見上げた。


 夜空には満点の星空が瞬いていた。

「目を開けて飛び込んできたのは、この星々でした。それに真っ暗と思っていた世界が、目も慣れてきて明るいのです。そしてこの星空!思わず明け方まで空を見ていました」

 十六夜もしばらく満点の星空を眺めた。

 彼女は大きく頷く、

「確かに!」

「ただ、翌日はきつくて大変でしたけどね」

 二人は顔を見合わせて笑った。


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