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105

 満点の星の光と篝火を頼りに、夜の世界を歩く。

 二人は自然と手を繋いでいた。

 激戦のあった場にたどり着くと、無数の屍が横たわっている。

 夜になり初秋の風が、血の匂いや腐臭を弱めている。


 幸いにも残党にも出くわす事もなく、二人はその場に着いた。

 彌眞が土に刺した余波の鉄剣が、月夜の光に照らされて異様な輝きを放っていた。

 十六夜は静かに祈りを捧げる。

 彌眞はずっと星空を見つめる。

 二人は余波や年長者、亡くなっていった邪馬台国の人達に思いを馳せる。


 互いに会話を交わすことなく、長い静かな祈りの時間を過ごした。

 彌眞は星を見つめながら言った。


「蘇奴国王に殺されかけた時、余波の鏡片が・・・いや、余波が助けてくれた」


 十六夜はじっと彌眞を見ている。


「あの人は、きっと・・・うまく言えないけど、正直すぎたんだと思う」


 彌眞は続けて、


「私は、彼の死・・・そして仲間の死にどうする事も出来なかった」


 自然に彌眞の両瞳から涙が溢れだし止まらない。

 十六夜は、何も言わずに彼の肩にそっと触れる。


 満点の星々がすべてをいつまでも照らすように輝いている。

 静寂のこの時に、音もたてず夜風が通り抜けていく。



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