96F
「踊り狂え!!」
「【残骸骨・骸】」
魔法陣から無数の骸が現れた。
「鳴き続けろ!であります!!」
「【閻魔帳・八咫烏】であります!!」
(えんまちょう・やたがらす)
多数の魔法陣から烏が出現し鳴き始めた。
カァー カァー カァー
カァーカァーカァー
「これ…まさかこの骸と烏で重ね掛けか?」
リュウ。
「あぁ。」アルベール。
「凄い……」ティラ。
『当たり前じゃないっ!!マスターを何だと思ってるの?』阿天羅。
『えへへへ、まちゅター!!』阿流巳須。
「何だ元メンバーなのに知らなかったのか?」
リック
「…」全員が黙る。
「……うん…いや、ある程度はわかってた。でも、ここまでのは知らなかった。」ティラ。
「へー。まぁそんなもんか~。確かに、アルベールの凄さなんてリュウとリサ以外はわからなかったしな~」リュウ。
『だからアンタ達はざぁこ豚なのよっ!!』
阿天羅。
『じゃぁ~こ豚♪じゃぁ~こ豚♪』
阿流巳須。
「コイツら!いつもいつも、ムカつくぜっ!!」
拳を握り怒るリック。
「しかし暑いわね」
ルシェラ。
「そうね。」
従者1マドカ。
「この感じだと火属性かな?」
リュウ。
『ざぁこ豚っ!!出番よ!!アタシ達の力で暑さと寒さでプラマイ0よっ!!』阿天羅。
「そういう問題なの?」ティラ。
『そういう問題よっ!!』阿天羅。
「氷雪域・展開!」
辺り一面に雪が振り、ティラが歩いた所に氷が出来る。
「啼け!!」
「五月蝿・便所蟋蟀!!」
辺り一面に出来た氷から蝿と蟋蟀の群れが生まれ相手を襲いながら氷属性の魔力因子を増やしていく。
「おぉー!!良い感じだな。」
リック。
「快適ね♪」ルシェラ。
「ねー♪」シルフィード。
◇◇◇◇◇◇◇◇
96F フロアボス
アルベールは身体強化一式を全員に掛けた。
「コイツがフロアボスか?」
リュウ。
「だな!」
リック。
強烈な火属性の赤色の猪。
フォォォォー
大きな咆哮と共に突進してくる。
「来るぞっ!!」
「ビッグシールド!!」従者マドカ。
「サンダー・シールド!!」リュウ。
「喜び悦べ!!!!!」
「【零式・閻魔骸狂八咫烏】」
魔法陣から女性像が出現した。
「咲き誇れ!」
「雪月花!!」
ドンッ!!
赤猪と盾が衝突する。
ドンッ!バンッ!ドンッ!ドンッ!
ドンッ!ドンッ!ドンッ!バンッ!
赤猪が暴れる。
連鎖施錠で骸達が赤猪を拘束する。
力で凪ぎ払うも魔法の数に拘束される赤猪。
「今だっ!!」アルベール。
「雷刃!!」
リュウが魔法を唱える。
「全ての理を神の名の元に!!」
「【神名理】!!」
ズドォン!!
雷が赤猪に当たる。
『ヒャハハハハ!!俺様は毒を付与してやったぜ!』呪流扉。
ティラは左手の人差し指と中指を立て胸の前に固めて詠唱を唱え始めた。
「志し高くも道半ば頓挫した玉座」
「君臨者は今日も王座を玉座と偽る」
「偽りの中で生まれる逸話」
「胸踊らせた童話は交差して何処へ」
「嘔吐し続ける王と遊ぶ歩兵は未だ応答無い」
「北が天と唄い走る騎兵」
「南が地獄と謳う詩人」
「外と内の寒さが融合した時」
「死へと誘うだろう」
「ハァァァァ!!」
「凍志・絶対零度!!」
(とうし・ぜったいれいど)
氷が赤猪を捕らえ様とするが体から吹き出る溶岩の様なドロドロした魔力の塊が氷を溶かす。
プシュープシュー
プシュープシュー
プシュープシュー
「きっ効かない!?」ティラ。
「当たり前だろ。属性相性を忘れたのか?」
アルベール。
『だから、ざぁこ豚なのよ!!』阿天羅。
『じゃぁ~こ豚♪じゃぁ~こ豚♪』阿流巳須。
「闇の御手 闇の射手」
「灰色の空と赤色の大地」
「光無き名も亡き道」
「血肉な夢に抗い続けるか」
「行くであります!!!」
「【千闇射冥】であります!!」(せんあんしゃめい)
リーゼが完全詠唱を唱え黒色の魔力で出来た手が弓矢を引く形で生成され赤猪目掛けて弓を引く。
ピュピュピュピュピュピュ
ピュピュピュピュピュピュ
すぅー
赤猪が息を大きく吸う。
バハァー
灼熱のブレスを口から放つ。
「ビッグシールド!!」
リック、マドカが魔法を唱える。
強化された盾がブレスを防ぐ。
「呪流扉!俺と一緒に麻痺で動きを止められるか?」リュウ。
『誰に物を言ってんだよ!!小便小僧!』
「電磁波!」
『ほらよっ!!』
ビリビリビリ
赤猪は見るからに痺れている。
「全てを理を神の名の元に!!」
「【神名理】!!」
ズドォン!!
雷が赤猪に落ちる。
(こいつ、体力だけはあるな。)
「おい、もう1発撃ってくれ。」
アルベール。
「阿天羅、阿流巳須!!氷でアイツを攻撃してくれ!!」アルベール。
『でも、マスター……』阿天羅。
「大丈夫。魔物との戦いは魔力因子込みの魔力量が全てだ。効く効かないは別にして氷属性の魔力因子を増やす事に意味がある。」
『わかったわマスター!!』
『アタティもっ!!』
「全てを理を神の名の元に!!」
「【神名理】!!」
ズドォン!!
雷が赤猪に落ちる。
『ふぅー………ハァァァァ!!』
阿天羅が息を吸って吹雪で赤猪に攻撃する。
『ハァァァァ!!ヤァァァァ!!!』
阿流巳須が魔力溜めて赤猪に攻撃する。
プシュープシュープシュー
プシュープシュープシュー
プシュープシュープシュー
「私もっ!!」ティラ。
「軽めのでいい。」
アルベール。
「わかった。」ティラ
「アイス・ジャベリン!!」
「アイス・ランス!」
プシュープシュープシュー
プシュープシュープシュー
自動瞬間火力強化の効果もあり、赤猪の体から吹き出る溶岩の量が減っていく。
「後、誰か水属性の魔法を放ってくれ。」
アルベール。
「ウォーター・カッター!」
「ウォーター・トルネード!」
従者1マドカ。
「ウォーター・ジャベリン!!」
「ウォーター・レーザー!!」
従者2アーシャ。
プシュープシュー
プシュープシュー
プシュープシュー
フォォォォ
少しずつ弱っていく赤猪。
「まだ終わってないぞ!」
アルベール。
バンッ!バンッ!
女性像も両手から水属性の魔法を赤猪に当てる。
「よし!俺も行くぞっ!」
リュウ。
「いや、待て!!」
アルベール。
『マスター!!弱ってきてるね♪』
「あぁ。」
『もうちゅこち〈もう少し〉?まちゅター。』
「うん。もう少しだろうね。」
「まだ、軽い方がいい?それとも大きい技を撃つ?」ティラ。
「辺りの魔力因子の数だけ気にしとけばいいよ。わかるだろ?兎に角、火属性の魔力因子を無くせば問題ない。」
「わかったわ。」
「アイス・ジャベリン!!」
「アイス・ランス!」
「アイス・ランス!!!」
フォォォォー
赤猪は倒れた。
「よしっ素材を取りに行くか!」
リック。
「そうね!!」
従者2アーシャ。
「待てっ!!」
アルベール。
倒れた赤猪を黒く丸い形をした魔力が包む。
パンッ!!
黒い魔力が弾けた。
目の前にはどこか赤猪の面影があるが2足で地に足をつけ2本の腕が生えており、まるで人間の様な形をしているが背中から黒い漆黒の翼が生えている異形の存在が居る。
「「「えっ!?」」」
殆どの人間が驚いている。
「なっ何だあれ?」
リック。
「赤猪……か?」
リュウ。
ロムのコメント
・何だよあれっ!?
・えっえっえっえっ!!
・悪魔?
・第2形態?
「カセガハズレタ。ヒサカタブリダ。ニンゲン…コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス。」
《枷が外れた。久方ぶりだ。人間…殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す。》
「「「ッ!」」」
「喋ったっ!!」リュウ。
「何なの…?」従者1マドカ。
「来るぞっ!!構えろっ!」アルベール。
「フハハハハ、ゼンインココデコロス。」
《フハハハハ、全員ここで殺す。》
赤い異形の存在は翼を使い飛んで駆け寄ってくる。
アルベール以外の人間は目の前の異常事態に頭の処理整理が追い付かず反応が遅れる。
さらに、その姿だけでなく目の前に居る異形の存在が喋る事も脳の処理整理が追い付かない理由の1つだろう。
鳴き声ではなく喋った。
「チッ!!」
「龍門登りし斬り刻め!!!」
「鎌斬龍っ!!!」(かまきり)
剣が鎌に変形する。
スパンッ
従者2アーシャへの殴り攻撃をアルベールが防ぎながら右手を切る。
「しっかりしろっ!!死ぬぞっ!!」
アルベール。
「オマエ…シトヲタオシタヤツダナ。」
《お前…使徒を倒した奴だな。》
骸達は連鎖施錠で拘束時間しようとするも捕まらない。
(使徒?……白龍の事か?)
「だったら、何だよ雑魚がっ!!」
アルベール。
「オマエヲマズコロス。」
《お前を先ず殺す。》
ヒュンヒュンヒュンヒュン
近距離での肉弾戦が繰り広げられる。
鎌の攻撃と拳の攻撃を両者とも避ける。
バンッ!!
鎌の峰の部分で押して距離を取るアルベール。
「身体制限」
「オリジナル身体制限」
「キサマ!」
《貴様!》
スパンッスパンッスパンッ
スパンッスパンッスパンッ
骸達が一斉に襲い掛かる。
「悪いな、1対1の趣味はねぇだよ。」
「オノレッ!!」
《己っ!!》
「じゃあな。」
ロムのコメント
・通常業務お疲れ
・安定のアルベール
・流石!!死神様!!
◇◇◇◇◇◇◇◇
「まぁ色々あったが、今回も無事で何よりだ。」
ギルドマスター ウォーテル。
赤い異形の存在を倒した翌日、10:00に冒険者ギルドにて報告をしていた。
「それにしても、アルベールッ!!」
リュウが興奮気味に口を開く。
「何だ?」
「君は知って居たのか?」
「何を?」
「アイツの存在を?君の対処は完璧だった。いくら君の瞬間火力強化が合ったとしても氷属性と途中から水属性のみで赤猪の体力を削る指示を出した。」
「それが何だ?」
「極め付きは、君は全てに反応していた。俺達全員が驚いて動けない中で、君だけが対処していた。あの喋る魔物、魔人とでも言おう。その存在を事前に知っていたんじゃないか?じゃなければあの対応は出来ないだろう?」
「…」
「まぁ…落ち着け。」
ギルドマスター ウォーテル。
「アル君…」ルシェラ。
「情報が武器なのはわかる。だが、教えてくれ。アイツは何なんだ!?君は知ってるんだろう?」
リュウ。
「あぁ知っている。」
アルベール。
「アルベールすまない。リュウと同じなんだが情報はなるべく伏せたい気持ちはわかるが、もしわかってる事があるなら頼む。教えてくれ。」
ギルドマスター ウォーテル。
「何なんだ?あの喋る魔物…魔人は!?」
リュウ。
第一部 完




