2 0歳児事件簿(三歳児の回想)
2話目です。3歳にして回想録www
転生先の俺の名は【グレイ・アストラス】
3歳になった。
ここアストラス家の次男坊らしい。
父の名はホウレイ・アストラス子爵。ヨーデル王国アストラス領の領主だ。
母はミレイ・アストラス
長男坊はサルカス・アストラス6歳
長女はマリア・アストラス4歳
五人家族だ。
《 母上頑張ったな・・・》
「グレイ坊ちゃま。朝食のお時間です。」
専属メイドのマーサがドアを開けて顔を覗かせる。
マーサは既婚者。大きな子供もいる。
別に人妻が趣味というワケじゃない。
むしろ去年あたりから引退を考えてた女性だ。
生まれた時から傍にいるせいで、他のメイドに懐かなかった俺がギャン泣きして引き留めたのだ。
どこぞのアニメがごとき美少女と胸アツ展開などしてたまるか。
ジサマは平穏無事な人生が送りたいのだ。
創造神エルサデラ様に勇者がどうたら言われてた気がするが・・・
世界が亡ぶのは困るが、まあ今日明日滅ぶことはなかろう(たぶん)
3歳児に出来ることなんか無いに等しい・・・ので、もちょっと現状に甘えておこうじゃないか。
「は~い」
すでに寝間着から着替え終わった俺は両手を広げた。
「マーサ、おかしいとこない?」
「ええ、大丈夫ですよ。坊ちゃまはえらいですねぇ。お一人でお着替えを済ませるなんて、私の仕事が無くなってしまいます。」
「えへへ。いいの。出来ることはなるべく自分でやるから、マーサは間違いがないかチェックしてくれればいいよ。」
《 根が庶民だからな(笑)》
「変わって・・・んん!・・・さすが神童と呼ばれるお方ですねぇ」
《 いやマーサ、隠しきれてないから!》
別にいいけど・・・
「僕が一人で着替えが出来ること、内緒にしててね。」
「解ってますよ。では私はサルカス様のお部屋へまいります。」
《 そっか、サルカス兄さまの専属メイドは今日は病欠だっけ。》
昨日ステータスを覗いた限りじゃ、疲労による発熱らしい。
《 サルカスは少し短気なところがあるからな。振り回されたかね?》
言って聞かせれば素直な子なんだが・・・
《 ま、儀礼がすめば多少は落ち着くかねぇ・・・》
儀礼とは
聞いた話によると「スキル」を習得するらしい。
何でも6歳になると街の教会に赴いて神様に「スキル」を授かるんだとか?
通常、一人に一つのスキル。
二つ付けば天才。
三つで神童
《 スキルだけで今後の人生が決まるわけでもないらしいから、あくまで目安だな。》
んで、俺は?
◆◆
ここだけの話
生まれて三日目で【ステータスボード】が発現した。
前世の記憶がしっかり残ってたからな。
発音できなくても何とかなるんじゃないかと頑張ってみた。
頑張ったらできちゃった・・・みたいな?
どんだけだよ!
ともあれ
日本語表記のステータス見て絶句したね。
“レベルMAX” って何ヨ?
《 0歳児に“れべるまっくす”??》
《 いますぐ魔王討伐に行けってか???》
《 乳母の腕の中で?》
《 自分の何倍もデカい聖剣ぶら下げて?》
《「ば~ぶ!!!」とか言いながら?》
《 魔王軍に突入すんの???》
《 乳母共に“すり身”になる未来しか見えないんだが?????》
・・・カミサマソリャネェヨ・・・
しばらく息が止まってたらしい。
母上が気付いて騒ぎ立てなかったら、もうしばらくフリーズしてたろう。
そりゃそうだ。
元気にジタバタしてた赤子が突然青い顔して息止めてりゃ、誰だって焦る。
慌てて「ほんぎゃ」と泣いて見せたが、
生まれて三日で棺桶とかシャレにならん。
・・・いろいろ焦った・・・
とにもかくにも
衝撃的な事実に気付いた俺は【ステータスボード】を検証してみることにした。
そこで気が付いたんだが、どうやら俺の【ステータスボード】は他人には見えないらしい。
両親の目の前でも展開してみたが、どうやら見えてないようだ。
これ幸いとばかりに四六時中眺めた。
・・・ま、気になるスキルも見つけたので、来客中は控えたが・・・
さらに気付いたのは
“レベルMAX”が灰色表記になっていたこと。
カミサマバグッテマスヨ~( ´∀` )
《 他人のステータスが見える人には、どう映るんだろ?》
《 “レベルなし”とか?》
《 いやいや死んでんじゃねぇか!》
《 笑えんぞ!》
・・・う~ん・・・
他の表記は
HP:MAX(灰色表記)
MP:MAX(灰色表記)
STR:MAX(灰色表記)
DEF:MAX(灰色表記)
INT:MAX(灰色表記)
SPD/AGI:MAX(灰色表記)
《・・・うん。ワケわからん・・・》
《 取りあえず今は「無難な新生児」なんだろうな・・・》
その他は
スキル;剣術、槍術、杖術、体術、鑑定眼、気配察知、気配遮断、生活魔法、火魔法、水魔法、風魔法、木魔法、空間魔法、神聖魔法、闇魔法、隠蔽、偽装、異言語理解、並列思考、多重思考、状態異常無効化、成長促進(全て灰色表記)
特殊スキル;なし
称号;転生者 創造神に招かれし勇者(黒字表記)
《・・・スキルが渋滞してらっしゃる・・・》
「目白押し」とは是如何に。
《 ヤッパリバグッテルヨカミサマ~》
《 コ~ルセンタ~のおね~さ~ん!》
《・・・ってバカやってないで真面目にやろう。》
さらにさらに、気になったのは「隠蔽」と「偽装」
灰色表記の中でも太字になってる・・・
《 取りあえず「隠蔽さん」をポチっとな?》
・・・消えた・・・
表記が・・・全部・・・・
《・・・はあ!?》
慌てて「隠蔽」のあった付近を探るも、手ごたえがない。
《 なんで!?》
・・・じっと手を見る・・・じゃなかった、ボードを見る。
右下の隅に□の表示を見つけた。
恐る恐るポチってみる。
・・・戻った・・・
《 あせった~!》
《 心臓に悪い!!》
《 新生児を早死にさせる気か!!!》
《 やっぱ ”コールセンター” が必要だな!!!!》
無いけど!!
盛大な溜息とともに「偽装」を見る。
《・・・太字なんだよな・・・》
「隠蔽」と「偽装」・・・詐欺師じゃん!
《 スキルに「詐欺師」は・・・ねぇよな・・・》
《・・・「偽装」・・・ねぇ・・・》
ポチっとな・・・・
《・・・ん?・・・》
どこが変わった?
変化ないんだが??
故障か???
俺のノーミソか?
前世も「梅干し大のノーミソ」だったが・・・
《・・・あれぇ?????・・・》
いろいろ試した結果、「偽装」と「隠蔽」は密接な関係があることが解った。
まず「偽装さん」をポチる。
その後に「隠蔽さん」をポチると、灰色表記が消えてスロットルが表示される。
そのスロットルをタップすれば数字が黒字で表記されるのだ。
《 まんま詐欺師やん!》
父上母上ゴメンナサイ。
貴方たちの次男坊は生まれついての詐欺師です 。
でも詐欺ます!!
俺の心の平穏の為に・・・家族の平和の為に・・・
ご都合主義な力に振り回されないために!
《 詐欺師万歳!! ハラヘッタ!!!》
などという
盛大なる「一人大喜利大会」を展開しつつ生後7日目
“異言語理解スキル”が成長し始めたのか、
なんとなく会話の内容が判るようになってきた
このジサマ。
根は真面目なんだけどな~
いろいろバグってて・・・




