表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【変転(?)の第二章完結】代理聖女ミコはわが道を行く――その辺にいる事務員でしたが間違って王妃になりました  作者: 赤城ハルナ
【第一話】聖女召喚に巻き込まれたら肝心の聖女様がヒャッハーと叫んで逃亡しました

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
3/12

事務員ミコ、聖女見習いになる――真・聖女様は行方不明

職場面接です。

「聖女見習い様、こちらへどうぞ」


 薄暗い鑑定室かんていしつでだいぶ待たされました。


 白衣しらぎぬを器用に巻き付けた女性に案内されたのは、神殿らしき建物の一室。

 天井があり得ないくらい高く細長い部屋。小さい窓が二カ所。豪華だけど古ぼけた上座の椅子に、高齢の神官さん。その両隣には白衣の中年女性。

 何だか息苦しいので飲み物がほしいです。あっ、短いチュニック姿の女の子、しかも双子(!)が何やら持って来ました。


のどが渇いたでしょう、飲み物をどうぞ」

 高齢の神官さんに切り込み模様のあるガラスコップを勧められた。


「ありがとうございます、いただきます」

 ごっくん。

 ぬるくて甘い。ハチミツハーブ茶みたい。

 ここはどんな世界なんだろう。強制的に呼ばれたけれど興味はあるわ。わたし、社会科、特に地理は好きだったのよね。


「ようこそ神聖国しんせいこくへ。わたしはゼノフォン・アルギロス。この大神殿の神官長です」


 高齢の神官さんがグレーウールのフードを脱いだ。何とこの大神殿の神官長様だったのだ――ということは、神殿の最高権力者。CEOに相当するわね。

 最高の礼儀で接しなければ。

 カッコいいお名前だわ。五十代くらいで白髪混じりの黒髪、タレ目なオジサマ。あご・頬・口にフサフサの髭を生やしている。髪の毛と髭が白ければ痩せたサンタクロースね。

 プレゼントください。


「失礼いたします」


 静かな足音とともに、尋問じんもん部屋もとい面接室に筆記用具を持った背の高い神官さんが現れ、神官長様の隣に座った。


「わたしは副神官長、アンドレアス・パパスです。よろしくお願いします」


 フードを取った。

 おおぅ、彫りが深くて優しげなイケメンさん。何だかわたしに熱視線を送っているみたい、思い上がりだと思うけど。


「聖女見習い様、まずはお名前をお聞かせください」


 これは面接ですかね。

 ○Uナローロングスカートのオフィスコーデ姿なのでセーフだわ。


「わたしの名前はフジワラ・ミコと申します。名前がミコ、苗字がフジワラです」

「では、ミコ様と呼ぶことにします。次に年齢などについてですが……」

「現在二十四歳、二月生まれです」

「はい、分かりました」


 副神官長様がメモしている。

 まさか、二月生まれで通じるの? ここもグレゴリオ暦なの??


「ご家族と会いたいですか?」

「もちろんです」

「申し訳ありませんが、それはあきらめてください」


 ソレナラ、ナンデキクンダヨ!(ミコ心の声)


「まさかとは思いますが、既婚者でしたか? 召喚しょうかんされるのは、基本的に独身者なのですが……」

「独身です」

「それはよかったです」


 ……よかったのか。


 まぁ、こんな感じに面接は小一時間も続いたのです。


「ミコ様、お忙しいところ神聖国にいらしてくださり誠にありがとうございました。本日から大神殿が後見いたします。我々神聖国のために『聖女見習い』として聖女の仕事を覚えていただきたく存じます」と、アルギロス神官長様。

「……はい、分かりました」


 忙しかったも何も、これは誘拐ゆうかいもとい神隠しでは。皆さん犯罪者ですかね。

 今ごろ某渋谷交差点はエラい騒ぎかもしれません。世界中の仰天ぎょうてんニュースになっているかもね。


 もう、どうでもいいか。


 特に何をしたかった訳ではない、コツコツ事務仕事をして温泉巡りをしていただけのわたし。


 上司の言うことを(一応)聞く日本人のわたしは、本音は別にして素直にうなずき、聖女の仕事を覚えることになったのである。

 ウッカリ召喚に引っかかるのがお人好し日本人という理由が分かる気がする。欧米系は逃亡しちゃったしね。


 聖女召喚に『巻き込まれた方』のわたしにも丁寧に接してくれるなんて、噂とは違ったわ。考えてみたら、自分たちが勝手に召喚したのに不要だから追放なんて、ひどすぎるし常識的にあり得ないよね。

 そんな世界はダークマターをくらって次元の狭間はざまへ消えればいいと思う。


「これでお互いの自己紹介は終わりです。ではミコ様、巫女が宿舎へ案内しますので」

「はい、分かりました」

 巫女がミコを案内……なかなかややこしいぞ。


 飲み物を持って来た双子ちゃんのあとをついて行った。

 渡り廊下を渡った先、神殿の裏側が宿舎らしい。もう夜なので松明の明かりしかないから、周りの様子が分からない。


「「ミコ様、こちらが宿舎ですぅ」」


 エッ、アニメ声。

 というか、宿舎広い!

 いったい何人住んでいるんだろう。


 召喚に巻き込まれ組とはいえ、わたしの待遇は思ったよりも良く、宿舎の一室を割り当てられた。住んでいるのは独身の神官さんと巫女さん。

 割り当てられた部屋は、簡単なキッチンがあるダイニングルームとベッドルームの1DK。宿舎でも三番目に豪華な部屋らしい。

 一番豪華な部屋は(逃亡した)聖女様用で、二番目は副神官長様。神官長様は既婚なので自分の屋敷を持っている。


 これだけで上下関係が分かるわね。いかに聖女が重要なのかも――逃げたけど。

 男でも聖女なんだわ。

 聖男って言い方は変だものね、いや、聖人と言うんだっけ?


 ちなみにおねいさんはまだ見つからないらしい。

 これからも見つからなかったら、わたしはどうなるの?


 不安しかない。



☞ ☞ ☞ ☞ ☞ ☞ ☞ ☞ ☞ ☞

「あsdfghjkl;:! ヒャッハー!!」

☞ ☞ ☞ ☞ ☞ ☞ ☞ ☞ ☞ ☞


※おねいさんはどこを目指すのか……。

※おねいさんはどこを目指すのか……。

※次回から聖女見習いミコの日常がはじまります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ