040
(MIKAGE‘S EYES)
警備員の彼は、よくやってくれていた。
いきなりの提案で、国木の説明があったと思う。
それでも彼は、この事件に向き合っていた。
だからこそ、俺は犯人に気づかれないように犯人を捜せていた。
(今回の若杉の死も、おそらくは犯人と接触した可能性がある)
だが、犯人は誰かまだ分からない。
一番疑惑があるのは、成沢 天満。
今回の若杉との疑惑では、アリバイもない。
(それでも、彼がバーコイとは結びつかない)
俺が追いかけているのは、バーコイの成りすました人間。
成沢は、見た目は完全に男だ。
背は高くも低くもないが、少し小太りだ。
ボルシュニクの女スパイは、男に成りすますということがあるのだろうか。
(だとすると次に怪しいのは、成沢の彼女。香月 柚乃)
柚乃は、鵤との関係はあった。
ただし、若杉との関係はここに来るまでなかった。
でも、伊丹によって若杉は元カノであることを暴露された。
元々知っていたのかわからないけど、それによって排除した線が浮上してきた。
俺が考え事をしていると、印南が話を続けていた。
「自分は、ずっと周囲を警備していました。
主に警備は一階でしたけど、二階で物音が聞こえたので上に来ました」
「第一発見者は、あんたか?」
「もしかしてあんたが、犯人なんかじゃない?」
成沢も、柚乃も印南を責めていた。
責めていたけど、俺は彼が犯人ではないと考えの中で排除していた。
(でも、本当に全員が一階にいたのだろうか)
全員が、下のフロアにいた。
でも殺害された若杉は、2階だった。
俺は周囲を見回すと、このあたりは見晴らしのいい展望スペースが見えた。
(あれ、このあたりって……)
俺は、展望台から外を見ていた。
よく見ると、ここから先…下のフロアが少し伸びて見えていた。
(この下って、確か展望台のあるベンチのあたりか?)
周囲を見回しながら俺は、考えていた。
下の広がったエリアを見て、俺はあることを考えていた。




