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海神  作者: 葉月 優奈
三話:イチゴの香り
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039

成沢は、殺された二人と唯一の接点があった。

でも、彼女である柚乃が彼を擁護した。

そんな中で、一番小さな背丈の女がいた。


「薬栗さん、あなたはどこにいましたか?」

「私は、その辺のベンチで仕事をしていました」

「仕事?」

「私の仕事は、システムエンジニアなので」

彼女は、肩にかけたポーチからタブレットを取り出した。

そのまま、彼女がタブレットを操作すると難しいプログラミング言語が出てきた。


(なんて書いてあるか、全然わからん)

薬栗の仕事が、ここでわかった。

そんな中、薬栗との会話で一人の人間が反応した。


「もしかして、ここに仕事をしに来た感じですか?」

「見た目はいいし、気分転換も兼ねているわね」

「わかるよ、かなり」

そんな波多野に、少し遠くの上原がじっと見ていた。


「誰かに、見られていたりしていなかった?」

「仕事に集中していたから、わからないけど」

「あっ、その子なら私が見ています!」

砂川が、薬栗のことを見ていたようだ。

砂川の話だと、薬栗のいた場所は伊丹のいるロビーの近くにあるベンチ。

確かに、彼女のアリバイもできた。

そもそもカフェの近くにいた砂川は、四人で一緒にいたからだ。


「残すは成沢と…柚乃」

「柚乃は、ずっとうねえ婆ちゃんのそばにいた」

「誰か近くにいましたか?」

「それは…」

柚乃は、ずっと鵤のそばで泣いていた。

それは離れる前に、見ていた。


でもあれから数分後。

彼女は犯人だと思って、若杉を殺したのではなかろうか。

一瞬、邪推するもそれを振り払った。


(だとしたら鵤を殺したのは、柚乃なのか?)

彼女のアリバイは、今のところない。

そしてもう一人、自分の目の前には成沢がいた。


「君は少し前にどこにいた?」

「エレベーターの前だよ。エレベーターの近くに何かないかと思ってな」

「誰か近くに」

「いない」はっきりと言い放った成沢。

確かに途中まで話をしていた成沢は、いつの間にかいなくなっていた。


このままだと、やはり一番怪しいのは成沢だ。

動機もある成沢が、一番怪しい。だが、成沢も自分の方を睨んできた。


「あんたは。何をしていたんだ?」

成沢は、険しい顔で俺に言い返してきた。



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