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海神  作者: 葉月 優奈
三話:イチゴの香り
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(YUNO‘S EYES)

柚乃は怒っていたし、悲しんでいた。

私のおばあちゃん、鵤 うね婆ちゃん。

確かに会社を作って偉い人だったかもしれない。


でも、うね婆ちゃんは殺されてはいけない。

うね婆ちゃんは、体が弱いわけでもない。

殺したのは誰だ?一体誰が、私のうね婆ちゃんを殺したんだ。

疑問と、悲しみと、怒りが、同時にこみあげてきた。


展望台のベンチで、うね婆ちゃんは眠っていた。

苦しそうな顔をしていて、心臓が動いていない。

死んだうね婆ちゃんは、柚乃の大事な祖母だ。

そんなうね婆ちゃんを唯一恨んでいるのは、確かに成沢 天満だけ。

天満は、結婚を反対されて愚痴っているのを知っていた。


でも、天満は違う。

天満は、そもそも女子トイレに入っていない。

柚乃と、ずっと一緒にいたのだから。


(じゃあ、誰が一体?)

柚乃は、ずっと考えていると一人の人間が近づいてきた。


「香月さん」

それは、黒いスーツ姿の女性。

凛とした顔のカフェ店員、砂川が柚乃に近づいてきた。

バーテンダーの格好をした彼女は、閉店したカフェからこっちに向かっていた。


「何か用ですか?」

「あなた、これを落としていませんか?」

砂川が持ってきたのが、大きな金属のフックだ。

爪のような金属の金具に、柚乃は見覚えがない。


「いいえ、違います」

「そうですか、お客様のおられた席で見つけたのですが」

「違う」

だけど、柚乃はあの女に聞きたいことがあった。


「あのさ、あんた」

「なんでしょうか?」

「柚乃のうね婆ちゃんの第一発見者は、あんたでしょ」

「いいえ、あちらのお客様です」

指をさしたのは、二人組のOL。

といっても、今は背が低い伊丹しか子のフロアにはいない。


「でも、あなたはこのタワーで働いているのでしょ。

つまりはおばあちゃんの会社と、つながりがある。

ずっとおかしいと思ったのよね。あなたの行動」

柚乃は、目の前の女バーテンダーを指さしていた。



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