エクサレムとの戦闘
──えっ!?僕が何者かだって?
杖を突きつけられた僕はたらりと冷や汗を流す。
「僕はロココ村出身のしがない村人なんですが……。」
「そんな事は聞いてないの!なんで貴方はフィフスなのに魔法が使えるのかって聞いてるのよ!」
─ん?ど、どういう事だ?五感を代償にもつ者が魔法を使えるのは困難だけど居ないわけじゃないって師匠から聞いてたんだけど……。
「わ、わかりません…。僕、魔法は師匠に教えて貰って…それで…少し使えるようになって…師匠が死んで…あ、いや本当は死んでないみたいだけど…で、魔法学院に推薦してくれて…それで…それで…。」
「……そう。貴方が……アウラムゼアス様の言ってたお弟子さんですか……。」
「え?アウラムゼアス?誰ですか?それ?あ!赤のクラスを創設された大賢者様?でも僕の師匠はアウム様ですよ?」
「貴方……。それは通称です。稀代の大賢者アウラムゼアス。魔王を封印した三賢者唯一の生き残り。エンシェントドラゴンを討伐した英雄譚なども有名な賢魔様です。あの賢魔様ですよ!知らないのですか?」
「……えっと…。し、知らなかったです……。昔話の好きなおじいちゃんくらいにしか思ってませんでした。大賢者って言うのは知ってましたけどそこまで凄い人だったんですね……。あはは…。あはは…。」
僕はアウムのくれた日記を思い出していた。日記に書かれた英雄譚。あれは妄想や誇張した話の類では無かったのだ。エンシェントドラゴンを驕り、ディザスターオークを貪り、魔王すら封印した三賢者の1人。それはこの世界の子供なら誰でも知っていて憧れの存在。だけど紙が貴重で本などは読んだことは無いしその人物像を知る術もない。あるのは吟遊詩人が詩歌にする英雄伝説のみ。ある意味眉唾ものの伝説なのだ。
「……ふふ。私見つけちゃいました。ついてるわ。ふふふ。」
ニチャアと醜く嗤うエクサレム。
「…せ、先生?」
「な・ぁ・に?」
「その…つ、杖を下ろして頂けませんか?」
僕の顎先には先生の漆黒の杖が今も尚僕を貫かんとしている。
「うふふふ。それは無理な相談ね。貴方にはここで消えてもらうわ。不慮の事故でね。」
──な、なにを?僕……殺されちゃうの?
「え?な、なんで…」
「理由なんて知らなくていいのよ。サリィマクバン!」
エクサレム先生が呪文を唱えると杖の先端から稲妻が発生し僕の体に電撃が流れる。
「あがががががが…。」
……………。
「……ん?あれ?痛くない?」
何故か僕の体には電撃が流れていない様だ。電気はそのまま僕を足を通って地面に流れている。近くにいる動物達は被害を受け、一目散に逃げ出している。
「えっ!?な、なんで効かないの!? 」
「いや…ぼ、僕にも分かりませんけど……。」
「チィッ!こうなったらレキュタスレイザ!」
風の鞭が発生し僕の体は無惨にも切り裂かれ……ない。
「な、なんで効かないのよ!なんで?なんでぇーーー!?」
取り乱すエクサレム。そして徐々に冷静さを取り戻すイース。
「ぼ、僕これで失礼します!!」
「ちょ!ま、まちなさーーーい!」
一目散にダッシュで逃げる僕に杖を振りかざし追撃を開始するエクサレム。簡単な魔法なのか無詠唱で小規模な雷魔法を連発する。
バチッ!バチッ!バチバチバチッ!
しかしそのどの魔法もイースには届かなかった。それもそのはずだ。彼は九つの英霊に愛され最大値の恩恵を授かった。白虎が持つ雷属性無効や青龍の風属性無効でエクサレムの魔法は尽く霧散していた。
それどころか代獣フェルムが勝手に具現化する。
──貴様…我の主様を攻撃するとはいい度胸ですぞ…。絶対に許しませんぞ!
イースの背中に刻まれた緋色の焔翼が熱くなる。この紋章はフェルムの感情と連動されており更にフェルムが興奮すると焔を帯びて対外へと放出される。その様子はプロミネンスの様だ。
轟轟と唸る様に燃え上がる緋色の焔翼。先程魔法で直した制服がまた焼け落ちてしまった。しかし幸いにも朱雀の熱無効で熱さは感じない。
──蛮族よ!真なる姿を現すのですぞ!真之焔──
緋色を通り越して白く輝く渦状の焔はエクサレムに一直線に向かっていき着弾と共に物凄い轟音を発し周囲にあるものを全てを焼き尽くす。
ドゴーーーーーーーーーーーーーーーン!
遠くの方の森の中にいた鳥たちもこの轟音に驚き一斉に大空へと飛び立つ。
激しく輝く白い爆炎からはもくもくと煙が上がり、エクサレム先生の姿は確認できない。
煙が風により霧散し始め、軈て徐々にその姿が顕になり始める。
煙の中から現れたのは──。
果たして──。
我ながら書いてて面白くないなぁと思ったのでここにて中断させて頂きます。
読んでくださった方々ありがとうございました。




