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独りぼっちじゃなくなったヤンデレ

あれから時間がたち、クラスメイトたちが集まってきた。


そのクラスメイトは転校生についての話題で持ちきりだ、どうやら転校生がやってくるらしい。


チャイムがなり、教師が教室に入ってくる、騒がしかったクラスメイトたちは次第に静かになる。


「あー、今日は転校生の紹介をする、春山さん、はいってきなさい」


転校生は春山と言う、名前らしいガラリと音をたて教室の扉が開き、クラスメイトがざわめく。



「転校生の春山彩希です、よろしくお願いします」


時が、止まった。


「っぁ…ぁ…あ…ぁ」


「彩飾の彩に希望的の希であきって言います」


「ぅ…ぇ…あぅ…」


「はるかぁぁぁぁぁぁぁ!!」


この時の僕の体はたぶん風よりも速かった。


机と椅子を勢いよく倒しながら春香に抱き付く。


「え?え?なにこれ、どんな状況?」


「うぇぇえん!春香ぁ!会いたかったよぉ!」


僕は周りの目も気にせず春香を離さないようにぎゅっと抱き締めた。





‥‥‥‥‥‥‥‥‥






それからなにをしても春香を離さなかった、僕を見かねて、教師は僕を春香に保健室に連れていかせた。


「で、どういうこと?私は春香じゃなくて彩希って名前があるんだけど」


「知ってるもん、君は春香でしょ?僕みたいに生まれ変わったんでしょ?」


「………はぁ、あんたは私の前世の知り合い?」


「うん、僕は夏樹だよ、君のことがすきだっ……ひっく、ごめんね…気持ち悪いよね…出てくよ…ぐす…こんな僕みたいにゃ…みたいなやつ視界にも入れたくないよね…」


折角春香に会えたけど…僕みたいなストーカー野郎なんて…。


「まってまって!行かないで!あんたほっといたら死んじゃうでしょ!言ったじゃない!死んでまで私に迷惑かけないでって!」


「でも…」


「いいの!……で、あんたって男じゃなかった?」


「女に生まれちゃったんだ、きっと罰だよね…春香は僕のせいで死んじゃったんでしょ?」


「そうだけど……もう許すよ、今こうして生きてるんだし、あんたは私を庇って死んだんだしね…」


「うぇぇ…はるかぁ…ごめんねぇ…あぅぅ」


僕はつい、春香に抱きつきそうになったけど、我慢して、下を向きながら許されたことに安堵してつい泣いてしまった


「はぁ…もう、かわいくなっちゃって…ほら、よしよし」


なんと春香は僕を抱き締め、頭を撫でてくれた。


「ふぇ!?春香!?」


「いいのよ、ほら私はここにいてあげるから」


「あぅ…はるかぁ…」


「違うわよ、私は彩希、そういえば、あんた名前は?」


「うん、彩希…彩希!僕は、ゆき、夏目幸だよ!」


僕がそういうと、春香…いや彩希が僕の背中を撫でながら抱き締めてくれた。


………胸が…あたってる。


……きゅう












………………………








それから、クラスに戻った僕らはクラスメイトに久しぶりにあった友人だったってことにして、それを伝えた。


とりあえずはみんな納得したようだったが、僕の事を奇異の目で見てくる、まぁそれもそうだろう、今まで無表情で無愛想だった僕が感情を顕にしたのだ、驚くのも無理はない。


そして、彩希はクラスメイトとも馴染めたようだ、昔は誰かと話しているだけで相手を殺したくなっていたが、いまは…すこし、寂しくなるだけだ。


クラスメイトたちと話していた彩希がこっちに気づくとため息をついて、こっちに向かってくる。


どうしよう、僕面倒くさいやつって思われたのかな…。


「まぁーったくもう!直ぐに泣きそうな顔にならないでよね、私が悪いみたいじゃない、もう」


「う…ごめん…」


彩希に呆れられた、もう僕なんていらないのかな、こんな面倒くさくて女々しいやつなんて嫌われて当然だ、彩希に迷惑かけるくらいならもう…。


「わぁ!もう、泣かないで?悪かったから、よしよし」


彩希は僕の顔をうかがいながら頭を撫でてくれる、不思議な感じだ、頭が…ぅ…ん…


「ふぁぁ…」


「うふふ…惚けてる…かわいい…」


結局気が付いたら休憩時間はすでに終わっていた。






主人公は今まで孤独だった事と、女になったことでかなり情緒不安定で女々しくて面倒くさくなってます。



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